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開設1010日記念シネマギャラリー(戦争映画編)後半

2013-01-25 | 映画

シネマギャラリー戦争映画編、後半です。



「バトルシップ」



ユニバーサル映画100周年記念作品。
え?これが?などと言ってはいけません。

東日本大震災という国難に見舞われた日本に対し「俺たちがついてるぞ!」というメッセージ。
「きれいなジャイアン、アメリカ」が作った「トモダチ・バンザイ映画」だと解釈してみました。

実際に援助の手を差し伸べてくれるだけでなく、混乱に乗じて周辺某国が
火事場泥棒的強行作戦に出ないように、日本周辺に空母、強襲揚陸艦など
緊急配置してくれたのも、ほかならぬアメリカ。

国を挙げて喜び、今こそ日本を叩くとき、などと言っていた某国と違い、
「雨天の友」であることを印象付けました。

こういうことに対し「政治的な下心」だの、「同盟国だから仕方なく」だの、はては
「HARPによって地震を起こしたのはアメリカだ」などという陰謀論を言う奴は、
この際キャンプファイヤーで焼いたマシュマロの角に頭ぶつけてタヒぬがよろしい。

あの災害に関しては、彼らがあの後してくれたことだけを見ようではありませんか。
もちろんほかの国の援助に対してもねっ!

・・・・と言い切りたいところですが、しかし、誰にそそのかされたのか、
つい最近「ロナルドレーガン」の乗組員が、
「おかげで被曝した!金よこせ」
とばかりに東電に裁判を吹っかけてくるという案件がありましたね。
せっかくのいい話が、これで台無し。

・・・・と思っていたら、あの「テキサス親父」が、
「日本人よすまなんだ。
アメリカ軍は情報を知っていたのだから、訴えるべきはそちらなのに、
あいつら何をトチ狂ったんだか」
と謝ってくれたそうです。

ですよねー。

ちなみに、これを観た後、護衛艦「さみだれ」見学をしたエリス中尉、
よせばいいのに「さみだれ」艦長に「バトルシップ観ましたか」と聞いて、
読者の顰蹙を買ったのは記憶に新しいところです。



日本戦没学生の手記「きけ、わだつみの声」




手記「わだつみの声」そのもののお家騒動はじめ、
この映画にもまつわる「左」的なバイアスについてと、
戦争という「秩序崩壊の生んだ新たな階級社会」に放り込まれた
高学歴兵士たちの憂鬱を語ってみました。

昨日、左派映画人たちが「大日本帝国」で気を吐いたと言う話をしましたが、
なぜ映画人たちに吉永小百合をはじめ左派が多いのか、ということも、
「わだつみの声の戦後史」と言う本を読んで納得しました。


「ひめゆりの塔」


実は、このブログの「人気ページベスト3」。
その一角が現在のところ、この「映画『ひめゆりの塔の怖さ』」です。

沖縄戦における日本と日本軍悪玉論者の左巻きな人々に対し、
その主張の矛盾に真っ向から熱く疑問を投げかけてみました。

はっきりいって映画の感想はおまけって感じ(笑)

「パールハーバー」
 



読者のさくらさんからリクエストをいただき、どっぷりと語った
マイケル・ベイ監督、制作ジェリー・ブラッカイマー、「パール・ハーバー」

いや、もういろんな意味で心から楽しませていただきました。
この流れで「チーム・アメリカ」なんてキワモノ映画があったことも知りましたし。

「大金をかけた屑映画」としてナンバーワンの賞を撮ったこの映画、
「チーム・アメリカ」で「パールハーバーは○○だ」という曲まで作られて、
いまでもその地位を確固と映画界に打ち立てております。

最近定期的に観ているCSI:NYのプロデューサーがブラッカイマー。
昨夏、偶然サンフランシスコでこの撮影に出くわし、生の
ゲイリー・シニース(様)を目撃したことがきっかけで観始めました。
これがまた面白いんですよ。CSI:NY。
ブラッカイマーが良くも悪くも、大した制作者であることは認めます。


「人間魚雷出撃す」



潜水艦の戦闘シーンは非常に評価できるのですが、全体的に
「戦後の自虐的反戦思想」に染まりすぎ。
いつも思うことですが、「戦争が悪であること」は周知の事実なのに、
その解釈のまま、当時の軍人を描くのはいい加減にやめてくれんかな、
とこの「回天」を描いた映画でもこのように感じました。

昨日も書きましたが、どのように描いても「戦争賛美している!」
と大騒ぎする連中の非難から逃れられないのが、戦後の戦争映画の宿命。
しかし、「右に寄りすぎ、あるいは戦争中のことをそのまま書く」
ということに対してガンガン文句をいう連中はいても、「大日本帝国」みたいに
あまりに左過ぎる表現に関して騒ぐ人々というのはいないんですね。

さても不思議な現象ではあります。

そして、そんなこんなで声の大きいものに配慮し続けた結果、日本映画界には
「男たちの大和」「聯合艦隊司令山本五十六」みたいな戦争映画しかでてこなくなったと・・・。

「聯合艦隊司令長官 山本五十六」


その「連合艦隊司令長官 山本五十六」。

いまどきこのような映画をつくってもおそらくろくなものにならない、
と呉で宣伝を観たとき断言したのですが、大方その予想は当たりました。
だいたいねえ、五十六を「反戦」という観点からのみ語るってどんな無茶よ?

「全然似てないどころかイメージ変わりすぎだろ?」
というこれまた無茶な配役(上二人)も含めて、なんだかなあ、の五十六映画でした。

でも面白かったし、実際楽しんで観たので娯楽映画としては上出来だと言っておこう。


「太平洋の嵐」


名作、太平洋の嵐。
「ハワイ、ミッドウエイ大海空戦 太平洋の嵐」というのが本題なのですが、
「真珠湾に始まってミッドウェーで大敗する連合艦隊の栄光とその終焉まで」を描くので、
タイトルに何でもかんでも詰め込みすぎて、わけわからないことになっています。
「海軍の戦はハワイ(勝)に始まりミッドウェイ(負)に終わる 太平洋の嵐」
っていうのはどうだろうか。(提案)

いろいろ戦争映画を観てきましたが、この映画ほど配役に隅々まで力を入れた
力技キャスティングはあまりないのではないかと思われます。

そうそうたる男優を眺めているだけで眼福という言葉が浮かんでくるゴージャス戦争映画。
超美人の上原美佐一人だけを女性出演者としてフューチャーしたのも戦略として良し。

エリス中尉個人的にはもっともおすすめの戦争映画です。


「野戦音楽隊」



画像が雑で暗いので作画にも全く気合が入りませんでした(言い訳)

戦争中に作られただけあって、いろいろと「お上の宣伝」ぽいですが、
ストーリーは非常に単純で、素人っぽいオチになごみます。
どうしてこんなに素人っぽいかというと、本当に一般公募されたストーリーだったから。
なぜか一瞬だけでてくるのが李香蘭で、この作品を最後に彼女は
「李香蘭」から「山口淑子」になりました。

上原謙、佐分利信、佐野周二という美男俳優ばかりをそろえた割に、
映像が酷過ぎてあまり男前に見えない、というのが残念な映画でした。

「フライボーイズ」
 

去年のアップではありませんが引っ張り出してみました。
フランスの航空隊に「助っ人」として集められたアメリカ人部隊。
彼らの青春群像にいろいろ混ぜ込み、ジャン・レノをまぶして一丁上がり。
主役、男前のジェームス・フランコ。
「かっこいいヒーロー」ではなく、等身大の青年ばかりが出てきます。

次々死んでいくので「次はだれの番?」とか当てっこして楽しむことも(顰蹙)


「太平洋の翼」


加山雄三の鴛渕大尉はじめ、実在の人物をキャラクタライズしたこの映画太平洋の翼」。
あまりにもその傾向がまんが「紫電改のタカ」を思わせるので調べてみたところ、
この映画の公開直後に漫画の連載が始まったことがわかりました。
もしかしたら、映画から着想を得た、ってことは?
ちばてつや氏がこの漫画を「気に入っていなかった」のは、もしかしたらこのあたりに理由がある?
と勘繰りついでにちばてつやタッチでこの映画の登場人物を描いてみました。

自分ではとっても気に入っているアイディアだったのですが、あまり反応がなくて悲しい。
というか、映画も漫画も古すぎて誰もピンとこなかった、ってことでしょうか。
うん、そういうことにしておこう。


1000日記念シリーズは、台湾旅行記を挟みつつ並行して続きます。