四国旅行シリーズ、20回目の今日は徳島市の眉山(びざん)をご紹介します。
眉山(びざん)は徳島市の中心街にある標高は280mくらいの山で、どの方向から眺めても眉の姿に見えることからその名がついたと言われており、徳島のシンボル的存在として親しまれているそうです。
頂上からは中心市街を始め、遠くは阿讃山脈、瀬戸内海、紀州の山々を望むことができる絶景地となっています。
・紅葉とともに徳島市街と紀伊水道の眺望が素晴らしい眉山の山頂です。
眉山(びざん)は、古くは万葉集に次のように詠われています。
「眉(まよ)のごと 雲居に見ゆる 阿波の山 かけて榜(こ)ぐ舟 泊(とまり)知らずも」 (船王:ふねのおおきみ)(万葉集6-998)
(訳)「眉のように遥かに見える阿波の山 その山を目指して漕ぐ船 停泊する港はどことも知れないのだ」
この歌は734年(天平6年)3月、聖武天皇の難波行幸に従駕した時の作とされており、「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山」が「眉山」であるとされています。
・真っ赤に紅葉した眉山山頂のモミジです。眺望とともに紅葉が楽しめました。
山頂にはテレビ塔が立ち並んでおり、訪れた時には紅葉が綺麗でした。
・紅葉が美しい眉山山頂公園です。
山頂一帯は眉山公園となっており、慰霊塔パゴダ・モラエス館・展望休憩施設などがあります。
・眉山から眺めた徳島市街です。
「ガゼボ」
このガゼボは徳島市と姉妹都市縁組を結んでいるアメリカのサギノー市から、徳島市制100周年を記念して寄贈されたもので、アメリカで人気の高い古典的建築様式を生かした洋風あずまやだそうです。
建築面積は12.8平方メートルの六角形、直径4.9メートル、高さ6.25メートル、屋根は杉板葺、頂部の円形ドームには風見鶏が取り付けられており、部材はアメリカ産の輸入杉を使用しているそうです。
(参考)
ガゼボとは、ヨーロッパの風景式庭園で、園内につくられた装飾的な小さな建物のことです。休憩施設や見晴らし台として利用され、和風庭園で言う「あづまや」に当たるものです。
・眉山山頂公園にある「ガゼボ」です。
「パゴダ(仏塔)」
1958年(昭和33年)、徳島県ビルマ会が第二次世界大戦で戦没した多くの戦友たちの霊を慰めるために、ミャンマー(旧ビルマ)の首都ヤンゴンにあるシュエダゴン・バゴダの形を参考に建設したそうです。
このバゴダには、ビルマから贈られた仏舎利が納められているそうです。
・これも眉山山頂公園にある「パゴダ(仏塔)」です。
「モラエス像」
モラエスは1854年にポルトガルの首都リスボンに生まれ、1889年に初来日、ポルトガル領事館が開設されると神戸副領事として赴任し、後に総領事となった人です。
また、神戸在勤中に芸者おヨネ(本名は福本ヨネ)と出会い、ともに暮らすようになりました。1912年にヨネが死没すると、翌1913年に職を辞して引退し、ヨネの故郷である徳島市に移住しました。
徳島に移り住んだ彼は、ポルトガルの新聞に日本を紹介するとともに、日本に関する作品を数多く残しました。
しかし、徳島での生活は楽でなく、スパイの嫌疑をかけられたり、西洋乞食とさげすまれたりして辛い生活を送り、1929年、徳島市で孤独の内に没したそうです。
・「モラエス像」です。この像も眉山山頂公園に設置されています。