私は毎日、早朝に5㎞の健康ジョギングをしているのですが、3月中頃、不覚にも僅かな凹凸につまずいて転倒しました。
その時の怪我で前歯2本が縦に割れました。
このため、硬いものを前歯で嚙むことができなくなりました。
今まで歯は丈夫だったため、どんなに硬いものでもかみ砕いていたのですが、今回の怪我により、初めて歯の大事さを痛感しているところです。
それでもまだ前歯以外は丈夫なので食事にはそれほど不自由さはありませんが、人によっては総入れ歯の人もいます。
この人たちの不自由さは如何ばかりかと想像するようになりました。
ところで、歳をとると入れ歯に頼る人が多くなりますが、世界で最初の入れ歯はどこで生まれたのでしょうか?
調べてみました。
「世界最初の入れ歯」
長い間、入れ歯の発明者はフランス人のピエール・フォーシャールという人だと言われてきました。
「近代歯科医学の父」と言われた彼は、1737年に総入れ歯を作り出したという記録が残っているそうですが、実は、それより200年も前に作られた上顎の総入れ歯が日本で発見されているのだそうです。
この総入れ歯は、和歌山市の願成寺の創始者である尼僧の仏姫(ほとけひめ)が使っていたものとされています。
仏姫は天文7年(1538年)に没していることから、すでに室町末期には木の入れ歯が作られていたことになるということです。
「日本最古の義歯」
日本最古の木床義歯は前記したように、戦国時代の天文7年(1538年)4月20日に74歳で亡くなった和歌山市の願成寺、仏姫(がんじょうじ:ほとけひめ:本名、中岡テイ)のものといわれています。
この入れ歯は、根付や仏像の材料として使われていた黄楊(つげ)の木から作られたもので、歯と歯肉の部分が一体となっており、奥歯がすり減っていることから、実際に使われていたと推測できるということです。
驚きました。
義歯の創始者といわれるピエール・フォーシャールが初めて総義歯を作った年より 200 年以上も前に、日本には近代総義歯の原型があったのですね。
世界最古の入れ歯のルーツは日本でした。