ゆずりは ~子想~

幼い葉が成長するのを待って、古い葉が譲って落ちることから名付けられた「ゆずり葉の樹」。語りつがれる想いとは・・・

シュールな11月

2005年11月22日 | これも自分あれも自分
夫のおかかえ運転手生活も あと少しとなった今日
秋色に輝く町並みを走りながら
行過ぎる景色に目をやる

教会への坂を上る旅行者の曲がった背中
ハンドルを間違えて自転車から落ちそうになるおばあさん
それを心配して手を差し伸べる夫らしきおじいさん
おじいさんの手をもろともせず たったと姿勢を整え走ろうとするおばあさん
(うちの老後?と、錯覚した。)
先日買いに行ったケーキ屋さん
ショーケースに並べられたケーキは かつての豪華さがなく 数も少なくなっていた
脇の棚に所狭しと並べられていた焼き菓子は ひとつもなかった
売れたのではなく 明らかに作っていないのだった
以前いたパートの人はおらず ケーキを作るご主人が一人 カウンター越しに立っていた
その風貌は 以前の難しい職人顔ではなく
無精ひげの 目の血走った 余裕のない顔つきだった
そんなことのあったケーキ屋の横を通った時には 心の中でいろんなお話を想像する
ーきっと離婚でもしたんだ 店内に飾られた子どもの写真がなんだかむなしく感じたし
 今年のサーヤのバースデーケーキを頼んだ時 取りに行った時に出てきたのは
 ご主人でもパートの人でもなく ご主人の父親らしき老父で 無精ひげの薄汚れた感じ の人だったし 商売がうまくいかないのが先か 夫婦仲がうまくいかないのが先かはわ からないが とにかく離婚したんじゃないか?だからあんな覇気のない もう楽しくな んかない!って感じになってしまったんじゃないか・・・なんて 大層迷惑な話を作っ てみる・・・-
ほんと 余計なお世話だけどね

そんなことに気を取られていると
いつもの曲がり角では 若い女性が 会社の裏口の外で歯磨きをしながら 足元に流れる川を眺めていた
交差点ですれ違う対向車の中では 大きな口を開けて歌っている男性が見えた

今日はなにもかもが シュールに見えた
シュールな11月 シュールな街山口 
道を彩る 赤 黄 こげ茶の色たちが シュールに見せているのかもしれない
いい感じ

シュールといえば 私の実家のある函館も
かなりシュールな街並みで
シュール好きな私の心をつないで離しません


広告