よくYoutubeで北海道の動画を見る。
見ているとまるで旅をしている気持になる。数分もするとストレスや不安などぶっ飛んでしまう。
僕の最良の精神安定剤である。
僕の北海道へのあこがれは尋常なものではない。
子供のころ、両親に連れられて海水浴に行くときの心境、ちょうどあの心境にそのまま戻れる。
こういう場所を自分が住んでいる国の中に持っているということは幸運だと思う。
実は2年ぐらい前、原発事故で四国に避難していたのだが、ちょうどその時伯父が逝去して、葬儀出席のため急きょ北海道に帰っていた。
その時の僕は、なにをおもったかどうせ原発事故で関東にはもう住めないと思っていたので、北海道永住を思い立ち、ネットでいろいろ探してある酪農牧場で働こうとしていた。
履歴書も送り、牧場主と何回か電話で話をしてみた。
ただ、現実というのはやはり甘くなかった。
酪農牧場で働くということは、まぁほぼ住込みであり休みも月1~2日、労働時間は朝5時ぐらいから、昼間は3時間ぐらい休めるみたいだが、夜の9時ぐらいまでということだった。
労働時間の長さはなんとか耐えられると思ったが、月に休みが1~2日というのを聞いて、あかんなと思った。
こういう労働環境だと、休みの日は体力の回復に使うのに精いっぱいだから、ほぼ体感的には寝ているときと、食事をしているとき以外はずっと1年中働いているという感覚になるだろうと想像がついた。
これはやられるなと思った、精神が。半年もやればうつ病になり、それ以上続ければともすると精神に異常をきたすだろうと本当に思った。
案の定、その牧場主の話では、今まで雇った人はほぼ全員、短くて1か月、長くても1年でやめていったという。
彼の牧場で残っているのは女性だけで、男は根性がない、と憤っていた。
この話を聞いてなおさらだめだと思った。
こんな労働条件では、よほどその仕事に愛着か、使命感のようなものを持っているか、他にやれる仕事がないかでないと続けられるはずはない。
特に今どきの若者なら、みんな時給制、8時間労働で働くことになれているし、週休は2日が当たり前になっている。
自分の身入りを減らしてでも、充分な人数を雇って長く働かせるようにするのが「今どきの」経営者なら当たり前だと思った。
それを単純に根性論ですり替えるのは、時代錯誤も甚だしい。
まぁ、そんなことも考えたくらいだから、ほんとうに北海道が好きである。
いまでも札幌近郊あたりなら住みたいと思うこともある。
帯広には僕の唯一の親族(精神的な意味での)ともいえる叔父がまだいる。今年はぜひ彼に会いに行くつもりである。
北海道、子供のころ雪原の上でそりをただ何時間も押し続けて遊んでいた。
あぁ、北海道、あぁ、True life
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