ゴスペラーズのライブを始めて見たのは、2000年か2001年。
場所は池下の厚生年金会館、満席の会場。
座席は、前から2列目くらいだったかな。
黄金に輝く衣装を身にまとい、バックドラフトのFIREMANのような
消火器を背負って「LOVE MACHINE」を歌う酒井君に、
白いガス噴射を浴びせられて以来のゴスペラーズファンです。
大ヒット曲「ひとり」や「永遠に」などバラード曲でお馴染みの彼らですが、
音楽の幅は広く、古いソウルを中心としたバックグラウンドを持ち、
ライブではIsley Brothers、Miracles、Delfonics、Marvin Gaye、James &
Bobby Purify、Alicia Keysなどのカバーも含め、かなりパワフルで
ソウルフルな一面を披露してくれます。
この日のライブは名づけて「GOSMANIAファンの集い2006」。
つまりファンクラブメンバー向けのライブ(Eチャン、いつもチケットありがと!)で、
演じる方も見る方も、通常のツアーとは気合いが違います。
しかも今日は本ツアー千秋楽でテンション高い!
今や大ホール(ドーム)でツアーを駆け巡るゴスペラーズを、
ライブハウスで見る機会はほとんどなくなりました。
厚生年金で「かぶりつく」ことができたとしても、「距離感」
の点でライブハウスのそれとは全く別物。
ZEPPサイズの「箱」では、演者の汗や表情、
呼吸に至るまでつぶさに観察できます。
今日は何かあるかも!?
その「何か」はライブの終盤にありました。
アンコール前ラスト曲「終わらない世界」。 始まりはいつもと同じ。
5人がイントロをリレーで歌い、黒澤君の「終わらない世界へ~」の
「へ~」でイントロを締め、その後主メロディーに続く。
「終わらない世界 へ~~~」
『あくまでも無理なく喉から自然に歌い出された、繊細で、
形の揃った、音の粒子が、完璧なフォーメーションで共鳴して
力強い気体の固まりとなり、それが喉元を突き抜けた』感じ。
わかる?
始めてでした、こんな感触のような感覚。
同じ人間から生み出されたものとはおよそ
思えない「声の分子」に喉元を射抜かれた感じ。
黒澤薫。恐るべしボーカリスト。
歌声で人の心を射るMR ロビン・フッド。
でも例え黒澤君が比類なきすばらしいボーカリストだとしても、
このような感覚を体験できることは人生に何度もない。
演者の体調と聴衆の体調(心の具合も含めて)、演者の物理的立ち居地と
聴衆の物理的立ち居地、会場の構造、音響の微妙な調整具合など、
あらゆる条件が完全に合致しない限り、この感覚を味わうことはできない。
合わせてこれほど彼らのチケットが取りにくくなってしまった今、これらの
条件が合致する場所に自分が居合わせる可能性は限りなくゼロに近い。
こんな「奇跡的な」出会いがあって、かけがえのない「感動」を
もらえるからライブってやめられないんですよね。
上写真:「即興作曲コーナー(15分で詩・メロディー・リズムを作る)」でクリエイトされた曲「あの娘にストライク」歌詞。
ZEPP名古屋
収容人数 : スタンディング(1,792人)
1階:1,600人+2階:192人(座席)
電話: 052-541-5758
住所:愛知県名古屋市中村区平池町4-60-7
あおなみ線「ささしまライブ駅」より東へ徒歩約1分。
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