韓国語で「国」のことを「ナラ」と言うそうです。
国家という概念も曖昧で、
今以上にずっと自由に人が行き来していた時代、
奈良がまだ奈良じゃなかった時代に、
日本の都だった(と思われる)都市が
「ナラ」と名付けられたのは単なる偶然でもなさそうだと、
一昨年、街中に古墳が残る、
開放的で、郊外なのにどこか洗練された韓国の古都、慶州に行ったとき、
そう思いました。
さて、山の辺の道、長岳寺から10分ほど歩くと
こんもりとした丘が目の前に広がります。
景行(けいこう)天皇陵。
神武天皇から数えて12代目、
第11代垂仁(すいにん)天皇の第二皇子、
景行天皇(~130)。
前方後円墳。周囲には濠が巡らされている。
慶州で見た光景を思い浮かべこの古墳を見ると、
かつての日韓文化の交わりを意識せずにはいられません。
明らかに欧米とは異なるもの。
何気に立てられた宮内庁の看板。
これも、この界わいならではの光景。
現在では、周辺がちょっとしたくつろぎの場となっていて、
古墳を眺めながらのんびりたたずみ、
お弁当を広げている人も結構いらっしゃいました。
時代は変われど人の営みは不変ですよね。