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立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その1・勁く、凛とした、おとなの小説

2024年12月13日 | 立原正秋さんを読む

 たぶん2017年のブログです

     *   

 本棚の上に積み重ねられた文庫本の中に、立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を見つけたので、ものすごく久しぶりに読んでみました。

 おそらく30代に読んで以来なので、30年ぶりくらいの再読です(立原さん、ごめんなさい)。

 立原さんは、じーじが20代から30代にかけて集中的に読んでいた小説家ですが、今では同年代の人達くらいにしかわからないかもしれません。

 名作『冬の旅』が有名で、じーじは非行少年たちが主人公のこの小説を読んで、結局、家庭裁判所調査官になりました(この小説を読んで調査官になったという人をじーじはほかに2人知っていますので、この小説の影響力はすごいと思います)。

 『冬の旅』もしばらく読んでいませんので、そろそろ再読をしようかな、と思っているのですが、なにせ、昔、何度も読んでいるので、じーじにしてはめずらしく(?)、まだあらすじをぼんやりと覚えており、こちらはもう少ししてから再読をしたいな、と楽しみにしています。

 さて、『冬のかたみに』ですが、やはりよかったです。

 まったく色褪せていません。

 というか、年を取ったことで、ようやくわかってきたことも多くありました。

 立原さんの小説は文章が美しく、力強く、正確な日本語が特徴ですが、この小説では、特に、これらの点が際立っています。

 主人公が幼少期から韓国の禅寺で育ち、禅の世界でよき師匠に出合い、厳しくも温かく見守られて成長し、精神形成をしていくという小説ですので、物語と文章が鮮烈で、凛として、とても美しいです。

 ともすると、私達は、時代に流され、欲に流されがちですが、そんな弱い自分に喝を入れられそうな感じがしました。

 今後もまた読みたい、いい小説でした。        (2017?記)

     *

 2020年11月の追記です

 立原さんの『冬のかたみに』を読むと、一度、韓国のお寺に行ってみたいな、と思うことがあります。

 わが家の美人ちゃんばーばが、韓流ドラマに熱中している(?)今がチャンスかもしれませんが…。        (2020.11 記)

 


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3 コメント

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コメント、ありがとうございます (どさんこじーじ)
2023-02-11 07:43:30
『恋人たち』、じーじも大昔に読みましたよ。
若い頃だったので、ドキドキしました。
今読むとどうでしょう?
まだドキドキしたら面白いですけどね。
いつまでもドキドキしたいと思いますが…(?)。
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すみません (ぴあ野)
2023-02-11 07:42:36
今回のテーマは「冬のかたみに」ですよね。
立原正秋の名に、うれしくなって舞い上がり
失礼しました。
返信する
なつかしいです! (ぴあ野)
2023-02-11 07:19:05
立原正秋、鎌倉にお住まいで、舞台も鎌倉ということで
学生の頃、何冊か読みました。
おっしゃる通り、文章がとにかく素晴らしいんですよね・・・
そのくせ、ハッキリ覚えているのは、ドラマ化された「恋人たち」くらい。
若かったから、恋愛小説ばかり読んでいましたw
おすすめの「冬の旅」、ぜひ読んでみます♫
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