たぶん2017年のブログです
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本棚の上に積み重ねられた文庫本の中に、立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を見つけたので、ものすごく久しぶりに読んでみました。
おそらく30代に読んで以来なので、30年ぶりくらいの再読です(立原さん、ごめんなさい)。
立原さんは、じーじが20代から30代にかけて集中的に読んでいた小説家ですが、今では同年代の人達くらいにしかわからないかもしれません。
名作『冬の旅』が有名で、じーじは非行少年たちが主人公のこの小説を読んで、結局、家庭裁判所調査官になりました(この小説を読んで調査官になったという人をじーじはほかに2人知っていますので、この小説の影響力はすごいと思います)。
『冬の旅』もしばらく読んでいませんので、そろそろ再読をしようかな、と思っているのですが、なにせ、昔、何度も読んでいるので、じーじにしてはめずらしく(?)、まだあらすじをぼんやりと覚えており、こちらはもう少ししてから再読をしたいな、と楽しみにしています。
さて、『冬のかたみに』ですが、やはりよかったです。
まったく色褪せていません。
というか、年を取ったことで、ようやくわかってきたことも多くありました。
立原さんの小説は文章が美しく、力強く、正確な日本語が特徴ですが、この小説では、特に、これらの点が際立っています。
主人公が幼少期から韓国の禅寺で育ち、禅の世界でよき師匠に出合い、厳しくも温かく見守られて成長し、精神形成をしていくという小説ですので、物語と文章が鮮烈で、凛として、とても美しいです。
ともすると、私達は、時代に流され、欲に流されがちですが、そんな弱い自分に喝を入れられそうな感じがしました。
今後もまた読みたい、いい小説でした。 (2017?記)
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2020年11月の追記です
立原さんの『冬のかたみに』を読むと、一度、韓国のお寺に行ってみたいな、と思うことがあります。
わが家の美人ちゃんばーばが、韓流ドラマに熱中している(?)今がチャンスかもしれませんが…。 (2020.11 記)
若い頃だったので、ドキドキしました。
今読むとどうでしょう?
まだドキドキしたら面白いですけどね。
いつまでもドキドキしたいと思いますが…(?)。
立原正秋の名に、うれしくなって舞い上がり
失礼しました。
学生の頃、何冊か読みました。
おっしゃる通り、文章がとにかく素晴らしいんですよね・・・
そのくせ、ハッキリ覚えているのは、ドラマ化された「恋人たち」くらい。
若かったから、恋愛小説ばかり読んでいましたw
おすすめの「冬の旅」、ぜひ読んでみます♫