ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

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河合俊雄編著『ユング派心理療法』2013・ミネルヴァ書房-ユング派の臨床に学ぶ

2024年12月18日 | ユング心理学に学ぶ

 2018年のブログです

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 河合俊雄さん編著の『ユング派心理療法』(2013・ミネルヴァ書房)を再読しました。

 たぶん2回目だと思うのですが(?)、例によってあまり自信はありません。

 以前読んだ時には当時のじーじの力不足のせいで、あまり理解できたとはいえなかったように思うのですが(河合さん、ごめんなさい)、今回は少しだけ以前より理解できた箇所もあったように思います。

 解説編と事例編の二部構成で、解説編では、心理療法における第三のもの、という論点に興味をひかれました。

 精神分析のウィニコットさんのいう中間領域やオグデンさんや藤山直樹さんのいう第三の主体、あるいは、クライン派の考えなどをめぐって、ユング派から見たイメージの考えなども含めて、考察がなされます。

 イメージから物語、象徴との関連など、考察は広がって、こちらの想像力も喚起される感じがしました。

 心理療法における、今、ここで、の重要性も指摘されており、今、ここでの、クライエントさんの気持ちより、今、ここでの、クライエントさんの事実が重要であって、さらには、今、ここでの、クライエントさんとカウンセラーの両者の事実が重要である、と述べられているように思いました。

 おそらく、その事実の理解や体感のために、第三のもの、が大切になるのだろうと思うのですが、まだまだじーじの力では理解が難しいところです。

 また、事例編でも、クライエントさんが内面を語るより事実を語る中で変化していく事例が紹介されています。

 ここでも、内面にアプローチするより、事実にアプローチをする中で治療的展開が起こっており、これまでの神経症を対象とした内省的な心理療法から発展をしている様子がうかがえます。

 もっとも、じーじのつたない理解では、精神分析でも同様のことが述べられているように思われ、神経症から境界例、統合失調症、そして、発達障碍へと心理療法の対象が広がるにつれて、心理療法のありかたも変わらざるをえないのかもしれません。

 あるいは、本書が主張していることも、そういうところにあるようにも思います。

 難しいですが、なかなか刺激的な、さらに勉強をしたくなる、いい本でした。           (2018 記)

 

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村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その1・魂からの声をきく

2024年12月18日 | 村上春樹さんを読む

 たぶん2015年ころのブログです

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 村上春樹さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。

 文庫本では2回目、単行本も含めると、たぶん3回目だと思います。

 今回も、小説の力や物語の力などについて語られているところに共感して、うなずくところが多くありました。

 表題は、村上さんにとって、小説を書くことは夢を見ることと同じで、自分の無意識からの声に耳を傾けるための作業である、という意味のようです。

 村上さんは、あらすじから小説を展開するという意識的な書き方ではなく、無意識からのメッセージを大切にして小説を書くという書き方をされているようで、ご自分でも先の展開はわからないといいます。

 いわば、生命全体からの訴えや叫びに丁寧に寄り添っているかのような印象を受けます。

 だからこそ、村上さんの小説からは、深い感動や大きな喜び、生きる勇気などが感じられるのではないでしょうか。

 また、村上さんは、物語の力についても述べられています。

 魂の力や物語の力、というと、河合隼雄さんを思い浮かべます。

 村上さんはユングさんやフロイトさんの本はあえて読まないようにしている、といいますが、河合さんに関しては、河合さんの生前に対談をされていますし、ご自身、河合先生、と本の中でも書くほど、河合さんを尊敬されており、村上さんにとってはとても大切な存在のように思われます(ちなみに、村上さんの奥さんはユングさんがお好きらしいです)。

 さらに、無意識の力といえば、じーじはフロイトさんも連想します。

 フロイトさんも無意識の力を重視していたわけですが、想像になりますが、物語の力をも大切にしていたのではないかと思います。

 自由連想や夢分析から、無意識に耳を傾け、なんらかの原因でゆがんだ物語を生きて苦しんでいる人たちに、無意識の声を大切にした力強い物語を生きていけるような手助けの方法を模索したのがフロイトだったのではないかと考えています。

 まだまだ勉強不足で、きちんとしたことが述べられず、歯がゆい思いもしますが、今後も思索を深め、力のあるカウンセラーになっていけたらと思います。          (2015?記)

     

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