《前回までのあらすじ》
とにっかく変な事件ばかりが頻発するようになってしまった1966年上半期。
太古の眠りからよみがえったり、妙なクスリを飲んで巨大化したりする怪獣たちにまぎれて、明らかに地球の生まれでない生き物も現れだす。
そして、「怪獣ばっかにいいとこ取りされてたまるかい!」とばかりに、宇宙人たちも不気味な胎動を見せ始める……
11、こだわりすぎの巨大ロボット作戦
1966年3月『ガラダマ』・4月『ガラモンの逆襲』(『ウルトラQ』)
3月のある日。群馬と新潟の県境にある三国山脈の弓ヶ谷で、「空から墜落というよりフワフワとふってきた異常に軽い隕石」が発見されます。
50センチほどの大きさの隕石はさっそく東京の東南大学に運ばれて研究の対象となり、世界的な大科学者である一ノ谷博士(具体的な専門分野がわからないところが素晴らしい)いわく、
「宇宙鉱石チルソナイトを、人類のいまだ到達していない科学技術で加工した合金物質ですな。」
え、合金? じゃ、また宇宙人がらみなのか。一体何のためにこんなものを……?
まもなく、断続的に謎の短波を発信しはじめるチルソナイト隕石。な、なに? なにが始まるの。
すると、その直後に直径50メートルはあろうかという、炎に包まれた大隕石が飛来! チルソナイト隕石の発見された弓ヶ谷の付近にあった熊谷ダムのダム湖にドッボ~ンと墜落してしまいます。
ごぼごぼごぼ、しゅわしゅわしゅわ~……
大隕石のとてつもない熱量のためなのか、ダム湖の水面ははげしく泡立ち、ダムの周辺はあっという間にもうもうたる水蒸気におおわれてしまいます。
しばらくして視界がひらけてくると……なんとダム湖の水はすべて干上がっていて、湖底だった場所の中央には問題の大隕石が!
ダム湖の水をすべて蒸発させるとはどんだけなんだと思う間もなく、大隕石の表面に亀裂が走り、ガラガラと崩壊をはじめました。な、中になにかあるぞ!
崩れ去った大隕石の中から現れたのは……うーん、なに、あれ?
身長40メートル、体重6万トンの怪獣か。ざっと説明すると、いちめんに赤い天かすのようなトゲトゲのついたダルマに足がニョキッとはえたスタイル。顔は深海魚か機嫌の悪いおばちゃんのようなへの字口フェイス。まつげがちゃんとあって、たまにまばたきするのが興味深い。胸元には魚のヒレにも見える手のひらのようなものが2つならんでいます。腕に当たる部分はありません。
宇宙怪獣か? そのあまりにも生き物っぽい外見からそう推測された謎の隕石モンスターだったのですが、実はこれは、宇宙からやって来た巨大ロボットだったのです!
弓ヶ谷の方言で隕石のことを「ガラダマ」と言っていたことから、ついた名前は「ガラダマ・モンスター」、略してガラモン!
ガラモンは、何かの情報を受け取っているかのような気味の悪い間があったあと、おもむろに東をめざして進撃を開始します。歩く足音は、あからさまにロボットっぽい「ガシャッ、ガシャッ」。
むむっ、これは!?
直前に弓ヶ谷に急行し、大隕石の墜落~ガラモン起動の一部始終を見てすべてを理解した天才・一ノ谷博士64歳! 日独ハーフでカーネルおじさんそっくりな外見はダテじゃない。
すぐさま東京の東南大学に連絡をとり、ずっと問題のチルソナイト隕石が謎電波を発信し続けていることを聞いて確信します。
「このガラモンは、宇宙人が地球侵略のために送り込んだ巨大ロボットだ。そして、ロボットの先に地球に飛来したチルソナイト隕石は、ロボットをリモートコントロールする電子頭脳だったんぢゃよ。
早く電子頭脳が発信する指示電波を遮断しなければ、ガラモンは東京に向かって進撃を続けることになるぞ。」
一ノ谷博士の推理どおり、熊谷ダムのコンクリート製の大堤防を体当たりでいとも簡単に破壊するガラモン。
「宇宙人の送り込んだ巨大ロボット」といえば、およそ10年前に地球にやってきたあの「モゲラ」が思い出されるのですが、ガラモンはモゲラのようなビーム兵器は搭載していないものの、体当たりでなんでも破壊してしまうその機体の頑丈さは、ラジコンなみに壊れやすいモゲラにも見習ってもらいたい信頼感があります。
なんとか電子頭脳の電波を遮断しなければ!
一ノ谷博士の指示を受けた東南大学の研究室では、バーナーでもドリルでも解体できない電子頭脳にたいして、鳥かごのような電波遮断ケージに入れる処置がなされます。
するとアラ不思議!
指示電波を遮断されたガラモンはたちまち進撃を停止し、ゲロゲロ~っと口から白い液体を吐いて倒れ、そのまま動かなくなってしまいました。酔っぱらいか!?
とにかくロボットらしくない外見と動きのガラモンだったのですが、確かにこれは、電子頭脳の遠隔装置で起動するれっきとしたロボット兵器だったのです。
これで、3月に発生した弓ヶ谷での「ガラダマ」事件は終結したのですが、ガラモンを送り込んだ宇宙人がそれで黙っているはずがなかった!
その1ヶ月後。宇宙人による逆襲が開始されます。
深夜。なんとも薄気味の悪い男とも女ともつかない中性的な紳士が東南大学に現れ、電波遮断ケージに包まれたままだった電子頭脳を奪い去ってしまうのです。
長距離トラックにヒッチハイクして、一路なぜか群馬県の榛名湖に向かう紳士と電子頭脳。目的はなにか?
夜が明けてしばらくたち、東京から充分に離れたことを確認した紳士の操作によって、ふたたび電波を送信しはじめる電子頭脳。
ただちに、宇宙の果てから日本の東京めざして急接近するいくつものガラダマの存在が確認され、なんとたったの30分後にいっせいに墜落するという推測がなされました。急だな~。東京の交通機関は大混乱!
早く失踪した電子頭脳を確保しなければ、東京は何体ものガラモンによって壊滅してしまうぞ……
日本のすべての電波を統括する(当時、ケータイ電話なんか無かったからね。)電波監視所の花沢主任(演ずるは特撮俳優の最高神・平田昭彦)は、ただちに電子頭脳が時速60キロで北上していることを見つけだし、警察は検問をもうけて、全力をあげて電子頭脳を載せていると予測される車両を捜索します。
しかし、時すでに遅し! 正午ちかくに少なくとも3つのガラダマが東京の都心に墜落し、中からはやっぱり3体のガラモンが。
さっそく電子頭脳の指示を受け、ビル街への体当たりをはじめるガラモンたち。東京タワーを揺さぶり倒すやつもいたりして、順調に東京は大変なことに。
TV中継によると、総計では十数体ものガラモンが東京周辺に現れていたようです。これはやばい!
ガラモン起動からおよそ1時間ほどたち、どうにかこうにか警察は電子頭脳を載せたトラックへの包囲網をちぢめていくのですが、あせった謎の紳士は運ちゃんからトラックをうばい、検問を突破して群馬県の榛名湖にたどり着きます。
正体不明の超科学リモコンを使い、追いかける警官隊の拳銃を逆に取り上げて発砲し返す怪紳士。こいつ、ただもんじゃねぇ!
榛名湖の岸辺に逃げ込む怪紳士。だが、駆けつけた花沢主任に電子頭脳は奪い取られてしまい、さらにそのスキをついて、トラックを盗まれたうらみに燃える運ちゃんが落ちていた拳銃を拾ってズドン!
銃で撃たれてたまらず倒れ込む怪紳士。死んでしまったか?
いや、死んではいない。むっくりと立ち上がる怪紳士。ところが、その姿はついさっきまでの人間ではなく……
あ~っ、セミ! ちょっとあんた、顔がセミになってるよ。なんか、さっきまで着ていた普通の背広も透明の宇宙ブレザーになってるし。マジシャンか?
もう、どこからどう見ても、セミ。チルソナイト合金でできた電子頭脳の持ち主で、あのガラモンを使役していた宇宙人「チルソニア遊星人」の正体は、セミそっくりの顔をした脅威のセミ人間だったのです!
人間に化けていたチルソニア遊星人が正体を現すと同時に、榛名湖からは盛大な水しぶきをあげて1機の空飛ぶ円盤が浮上! 遊星人の母船か?
そうか、あの怪紳士は東京に保管されていた電子頭脳を奪回して母船に持ち帰ろうとした工作員だったのか。
しかし、電子頭脳回収のミッションは失敗してしまいました。花沢主任の持ってきた電波遮断フィルムに包まれる電子頭脳。
それによって、前回と同じように機動停止、それぞれ思い思いの場所でゲーして立ち往生するガラモン軍団。
こういった結果を加味してか、湖上の円盤は機体から岸辺のセミ工作員にビーム発射! あわれ、作戦失敗の責任を一身に背負った工作員は火だるまになってしまい絶命します。
炎上する同志をしり目に、ゆうゆうと宇宙に帰っていくチルソニア円盤……あんた、何しに来たの?
以上のようないきさつをもって、1966年のガラモン襲来事件は終息しました。おそらく、チルソナイト電子頭脳はこれまで以上の厳重さをもって、地球防衛軍の管理下に置かれることになったでしょう。
フォーマットとしては、1957年の『地球防衛軍』事件の「宇宙人+巨大ロボット」路線の焼き直しなんですが、とにかくインパクトのあるセミ人間とガラモンの取り合わせでした。
円盤にビーム兵器をちゃんと積んでいるのにガラモンが体当たりしか武器がないのは、モゲラ同様にガラモンも「もともと戦争用の兵器ではなかった」からなのではないでしょうか。
しかし、「電波が送信されなければ起動しない」という点をのぞけば、その数の多さもあって、ガラモンはある程度の脅威ではありました。人類側がもし電子頭脳を取り戻せなかったとしたら、間違いなくガラモンは世界規模の難敵になっていたことでしょう。
ちなみに、チルソニア遊星人はガラモンによっぽど思い入れがあるらしく、今回の事件から40年ちかく経過した21世紀の2004年に再侵攻した時も、昔ながらのガラモンをちょっと改造しただけの巨大ロボット「ガラゴン」で乗り込んできています。そんなマイナーチェンジだけで再チャレンジしてどうすんのよ……てめぇら、地球人ナメんなよ!
ただ、ここで記憶しておきたいのは、セミ人間の容姿と、彼らの使用していた円盤の機体形状です。
セミ人間……似てるんだよなぁ~、それからたった数ヶ月後に日本にやってくる宇宙人に。日本一有名な宇宙人であるあの方に。もしかしたら、世界一?
そして円盤も、その「ふぉっふぉっふぉっ」な方が乗ってるのにそっくりなのよねぇ。
果たして、両者のあいだには何らかの関係があるのか? それとも、ただの他人のそら似で、円盤もただ宇宙でよく流通している車種であるだけなのか? 「宇宙プリメーラ」みたいな。
今回もまた、『ウルトラQ』らしく謎の多く残る事件となったのでした。
これからは、巨大ロボットを投入するにしても、よっぽど戦闘用に特化した機体を開発しなきゃあいかんね! もっとがんばりましょう。
《次回予告》
巨大ロボットがないのなら、おのれ自身が巨大化すればよろしいんじゃありませんこと!?
宇宙の果てで、そんなマリー=アントワネット的発想の転換をこころみようとする者がいた!
もうこうなったら、ロボットだの宇宙怪獣だのにまかせてなんかいられねぇぜ。
次回、ついに、ついに! 「自分も巨大化して闘う宇宙人」が登場する。
「宇宙怪獣」、「自分も闘う」。
確実にガッツ星人へとつながるキーワードは集まってきているのだが……もう2月終わっちゃうよオイ!!
とにっかく変な事件ばかりが頻発するようになってしまった1966年上半期。
太古の眠りからよみがえったり、妙なクスリを飲んで巨大化したりする怪獣たちにまぎれて、明らかに地球の生まれでない生き物も現れだす。
そして、「怪獣ばっかにいいとこ取りされてたまるかい!」とばかりに、宇宙人たちも不気味な胎動を見せ始める……
11、こだわりすぎの巨大ロボット作戦
1966年3月『ガラダマ』・4月『ガラモンの逆襲』(『ウルトラQ』)
3月のある日。群馬と新潟の県境にある三国山脈の弓ヶ谷で、「空から墜落というよりフワフワとふってきた異常に軽い隕石」が発見されます。
50センチほどの大きさの隕石はさっそく東京の東南大学に運ばれて研究の対象となり、世界的な大科学者である一ノ谷博士(具体的な専門分野がわからないところが素晴らしい)いわく、
「宇宙鉱石チルソナイトを、人類のいまだ到達していない科学技術で加工した合金物質ですな。」
え、合金? じゃ、また宇宙人がらみなのか。一体何のためにこんなものを……?
まもなく、断続的に謎の短波を発信しはじめるチルソナイト隕石。な、なに? なにが始まるの。
すると、その直後に直径50メートルはあろうかという、炎に包まれた大隕石が飛来! チルソナイト隕石の発見された弓ヶ谷の付近にあった熊谷ダムのダム湖にドッボ~ンと墜落してしまいます。
ごぼごぼごぼ、しゅわしゅわしゅわ~……
大隕石のとてつもない熱量のためなのか、ダム湖の水面ははげしく泡立ち、ダムの周辺はあっという間にもうもうたる水蒸気におおわれてしまいます。
しばらくして視界がひらけてくると……なんとダム湖の水はすべて干上がっていて、湖底だった場所の中央には問題の大隕石が!
ダム湖の水をすべて蒸発させるとはどんだけなんだと思う間もなく、大隕石の表面に亀裂が走り、ガラガラと崩壊をはじめました。な、中になにかあるぞ!
崩れ去った大隕石の中から現れたのは……うーん、なに、あれ?
身長40メートル、体重6万トンの怪獣か。ざっと説明すると、いちめんに赤い天かすのようなトゲトゲのついたダルマに足がニョキッとはえたスタイル。顔は深海魚か機嫌の悪いおばちゃんのようなへの字口フェイス。まつげがちゃんとあって、たまにまばたきするのが興味深い。胸元には魚のヒレにも見える手のひらのようなものが2つならんでいます。腕に当たる部分はありません。
宇宙怪獣か? そのあまりにも生き物っぽい外見からそう推測された謎の隕石モンスターだったのですが、実はこれは、宇宙からやって来た巨大ロボットだったのです!
弓ヶ谷の方言で隕石のことを「ガラダマ」と言っていたことから、ついた名前は「ガラダマ・モンスター」、略してガラモン!
ガラモンは、何かの情報を受け取っているかのような気味の悪い間があったあと、おもむろに東をめざして進撃を開始します。歩く足音は、あからさまにロボットっぽい「ガシャッ、ガシャッ」。
むむっ、これは!?
直前に弓ヶ谷に急行し、大隕石の墜落~ガラモン起動の一部始終を見てすべてを理解した天才・一ノ谷博士64歳! 日独ハーフでカーネルおじさんそっくりな外見はダテじゃない。
すぐさま東京の東南大学に連絡をとり、ずっと問題のチルソナイト隕石が謎電波を発信し続けていることを聞いて確信します。
「このガラモンは、宇宙人が地球侵略のために送り込んだ巨大ロボットだ。そして、ロボットの先に地球に飛来したチルソナイト隕石は、ロボットをリモートコントロールする電子頭脳だったんぢゃよ。
早く電子頭脳が発信する指示電波を遮断しなければ、ガラモンは東京に向かって進撃を続けることになるぞ。」
一ノ谷博士の推理どおり、熊谷ダムのコンクリート製の大堤防を体当たりでいとも簡単に破壊するガラモン。
「宇宙人の送り込んだ巨大ロボット」といえば、およそ10年前に地球にやってきたあの「モゲラ」が思い出されるのですが、ガラモンはモゲラのようなビーム兵器は搭載していないものの、体当たりでなんでも破壊してしまうその機体の頑丈さは、ラジコンなみに壊れやすいモゲラにも見習ってもらいたい信頼感があります。
なんとか電子頭脳の電波を遮断しなければ!
一ノ谷博士の指示を受けた東南大学の研究室では、バーナーでもドリルでも解体できない電子頭脳にたいして、鳥かごのような電波遮断ケージに入れる処置がなされます。
するとアラ不思議!
指示電波を遮断されたガラモンはたちまち進撃を停止し、ゲロゲロ~っと口から白い液体を吐いて倒れ、そのまま動かなくなってしまいました。酔っぱらいか!?
とにかくロボットらしくない外見と動きのガラモンだったのですが、確かにこれは、電子頭脳の遠隔装置で起動するれっきとしたロボット兵器だったのです。
これで、3月に発生した弓ヶ谷での「ガラダマ」事件は終結したのですが、ガラモンを送り込んだ宇宙人がそれで黙っているはずがなかった!
その1ヶ月後。宇宙人による逆襲が開始されます。
深夜。なんとも薄気味の悪い男とも女ともつかない中性的な紳士が東南大学に現れ、電波遮断ケージに包まれたままだった電子頭脳を奪い去ってしまうのです。
長距離トラックにヒッチハイクして、一路なぜか群馬県の榛名湖に向かう紳士と電子頭脳。目的はなにか?
夜が明けてしばらくたち、東京から充分に離れたことを確認した紳士の操作によって、ふたたび電波を送信しはじめる電子頭脳。
ただちに、宇宙の果てから日本の東京めざして急接近するいくつものガラダマの存在が確認され、なんとたったの30分後にいっせいに墜落するという推測がなされました。急だな~。東京の交通機関は大混乱!
早く失踪した電子頭脳を確保しなければ、東京は何体ものガラモンによって壊滅してしまうぞ……
日本のすべての電波を統括する(当時、ケータイ電話なんか無かったからね。)電波監視所の花沢主任(演ずるは特撮俳優の最高神・平田昭彦)は、ただちに電子頭脳が時速60キロで北上していることを見つけだし、警察は検問をもうけて、全力をあげて電子頭脳を載せていると予測される車両を捜索します。
しかし、時すでに遅し! 正午ちかくに少なくとも3つのガラダマが東京の都心に墜落し、中からはやっぱり3体のガラモンが。
さっそく電子頭脳の指示を受け、ビル街への体当たりをはじめるガラモンたち。東京タワーを揺さぶり倒すやつもいたりして、順調に東京は大変なことに。
TV中継によると、総計では十数体ものガラモンが東京周辺に現れていたようです。これはやばい!
ガラモン起動からおよそ1時間ほどたち、どうにかこうにか警察は電子頭脳を載せたトラックへの包囲網をちぢめていくのですが、あせった謎の紳士は運ちゃんからトラックをうばい、検問を突破して群馬県の榛名湖にたどり着きます。
正体不明の超科学リモコンを使い、追いかける警官隊の拳銃を逆に取り上げて発砲し返す怪紳士。こいつ、ただもんじゃねぇ!
榛名湖の岸辺に逃げ込む怪紳士。だが、駆けつけた花沢主任に電子頭脳は奪い取られてしまい、さらにそのスキをついて、トラックを盗まれたうらみに燃える運ちゃんが落ちていた拳銃を拾ってズドン!
銃で撃たれてたまらず倒れ込む怪紳士。死んでしまったか?
いや、死んではいない。むっくりと立ち上がる怪紳士。ところが、その姿はついさっきまでの人間ではなく……
あ~っ、セミ! ちょっとあんた、顔がセミになってるよ。なんか、さっきまで着ていた普通の背広も透明の宇宙ブレザーになってるし。マジシャンか?
もう、どこからどう見ても、セミ。チルソナイト合金でできた電子頭脳の持ち主で、あのガラモンを使役していた宇宙人「チルソニア遊星人」の正体は、セミそっくりの顔をした脅威のセミ人間だったのです!
人間に化けていたチルソニア遊星人が正体を現すと同時に、榛名湖からは盛大な水しぶきをあげて1機の空飛ぶ円盤が浮上! 遊星人の母船か?
そうか、あの怪紳士は東京に保管されていた電子頭脳を奪回して母船に持ち帰ろうとした工作員だったのか。
しかし、電子頭脳回収のミッションは失敗してしまいました。花沢主任の持ってきた電波遮断フィルムに包まれる電子頭脳。
それによって、前回と同じように機動停止、それぞれ思い思いの場所でゲーして立ち往生するガラモン軍団。
こういった結果を加味してか、湖上の円盤は機体から岸辺のセミ工作員にビーム発射! あわれ、作戦失敗の責任を一身に背負った工作員は火だるまになってしまい絶命します。
炎上する同志をしり目に、ゆうゆうと宇宙に帰っていくチルソニア円盤……あんた、何しに来たの?
以上のようないきさつをもって、1966年のガラモン襲来事件は終息しました。おそらく、チルソナイト電子頭脳はこれまで以上の厳重さをもって、地球防衛軍の管理下に置かれることになったでしょう。
フォーマットとしては、1957年の『地球防衛軍』事件の「宇宙人+巨大ロボット」路線の焼き直しなんですが、とにかくインパクトのあるセミ人間とガラモンの取り合わせでした。
円盤にビーム兵器をちゃんと積んでいるのにガラモンが体当たりしか武器がないのは、モゲラ同様にガラモンも「もともと戦争用の兵器ではなかった」からなのではないでしょうか。
しかし、「電波が送信されなければ起動しない」という点をのぞけば、その数の多さもあって、ガラモンはある程度の脅威ではありました。人類側がもし電子頭脳を取り戻せなかったとしたら、間違いなくガラモンは世界規模の難敵になっていたことでしょう。
ちなみに、チルソニア遊星人はガラモンによっぽど思い入れがあるらしく、今回の事件から40年ちかく経過した21世紀の2004年に再侵攻した時も、昔ながらのガラモンをちょっと改造しただけの巨大ロボット「ガラゴン」で乗り込んできています。そんなマイナーチェンジだけで再チャレンジしてどうすんのよ……てめぇら、地球人ナメんなよ!
ただ、ここで記憶しておきたいのは、セミ人間の容姿と、彼らの使用していた円盤の機体形状です。
セミ人間……似てるんだよなぁ~、それからたった数ヶ月後に日本にやってくる宇宙人に。日本一有名な宇宙人であるあの方に。もしかしたら、世界一?
そして円盤も、その「ふぉっふぉっふぉっ」な方が乗ってるのにそっくりなのよねぇ。
果たして、両者のあいだには何らかの関係があるのか? それとも、ただの他人のそら似で、円盤もただ宇宙でよく流通している車種であるだけなのか? 「宇宙プリメーラ」みたいな。
今回もまた、『ウルトラQ』らしく謎の多く残る事件となったのでした。
これからは、巨大ロボットを投入するにしても、よっぽど戦闘用に特化した機体を開発しなきゃあいかんね! もっとがんばりましょう。
《次回予告》
巨大ロボットがないのなら、おのれ自身が巨大化すればよろしいんじゃありませんこと!?
宇宙の果てで、そんなマリー=アントワネット的発想の転換をこころみようとする者がいた!
もうこうなったら、ロボットだの宇宙怪獣だのにまかせてなんかいられねぇぜ。
次回、ついに、ついに! 「自分も巨大化して闘う宇宙人」が登場する。
「宇宙怪獣」、「自分も闘う」。
確実にガッツ星人へとつながるキーワードは集まってきているのだが……もう2月終わっちゃうよオイ!!