ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

所変われば、お箸も変わる!?

2014年05月24日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今日は、お箸について金属の観点から述べてみたいと思います。

お箸は食べ物を二本の箸で挟んでお口に移動させるために用いる道具であり、日本、中国、韓国などの東アジア地域で用いられる食器の一種です。
このお箸の材質は、国によって異なっていることをご存知でしたか?

日本では、言わずもがな、塗箸や割り箸など木製のお箸が主流ですよね。
一方、中国では象牙やプラスティックが多いそうです。←少し高級な中華料理屋さんに行ったときにでも確かめてくださいね。
また、お隣の韓国ではステンレス製のお箸が使用されおり、特に韓国の飲食店では、国の規制・法律により、ステンレス製のお箸の使用が義務づけられているそうですよ。
韓国で使用れさているステンレス製お箸の材質は、SUS304と呼ばれるステンレスの代表的な鋼種が使用されています。

私は友人にもらったステンレス製のお箸を愛用していますが、ステンレス製お箸は、錆びずに清潔で長持ちする反面、ツルツルしてつまみにくいのが難点ですね。

「所変われば品変わる」ということわざがありますが、お箸も同じですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
身近なモノに隠された金属のヒミツ(技報堂出版)
   パパは金属博士!   好評発売中!
ツールエンジニア(大河出版)
   生活を支える金属 いろはにほへと  好評隔月連載中!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゲストハウスウエディングの鐘の音 その3

2014年05月24日 | 金属
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

前回は、音響の観点から優れた金属を選定する指針の一つとして、『弾性率/密度』を紹介し、その値が高い金属ほど良いことを紹介しました。

今回は、音響の観点から優れた金属を選定するもう一つの指針である、「内部摩擦」について紹介します。
鐘やおりんをたたくと、音が響かずに止まってしまうより、「ゴ~ン」とか「リ~ン」と音の余韻が永く伸びた方が好ましいですよね。
この金属をたたいた時に音の余韻が永く伸びるかどうかは、金属の「内部摩擦値」が関係します。
金属の「内部摩擦値」が小さいと、音の振動が吸収されにくくなるため、金属から発せられる音が、より聴衆の耳に達しやすくなるそうです。
この様な「内部摩擦値」の大小は、金属に限らず、楽器に使用される木材でも重視されています。
例えば、マリンバといった打楽器では出した音の余韻が長く伸びた方が好ましいようで、「内部摩擦値」の小さいローズウッドが使用されているようです。

楽器に使用されてる材料に求められる特性は、金属であれ木材であれ一緒なんですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
身近なモノに隠された金属のヒミツ(技報堂出版)
   パパは金属博士!   好評発売中!
ツールエンジニア(大河出版)
   生活を支える金属 いろはにほへと  好評隔月連載中!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・