ヨシムラ・サイエンス・ラボ

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『鉛』 その2 切りくずが分断されてスイスイと切れる

2015年11月23日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

最近、様々な法令による規制で、『鉛』は嫌われ者になっています。
その嫌われ者になってしまった鉛について、その重要性も含めて身近な物を例にしながら数回にわたって解説したいと思います。
第2回目の今回は、銅合金に含まれる鉛についてです。

銅合金は、様々なものに使用されており、例えば、鋳造後に切削加工で仕上げ加工されるものも多くあります。
例えば、ガス配管部品やカメラ部品など。
その際は、切削加工時に切りくずが分断されてスイスイと切れる必要があります。
そこで、切りくずが分断されてスイスイと切れるようにするために、数%の鉛が添加された銅合金が使用されています。
鉛は、銅の切りくずを長く繋がらないようにさせる効果があるためです。

日頃、生活している上では気づきませんが、鉛は、切りくずを長く繋がらないようにさせていたんですね。


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