三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【地域工務店にニューウェーブ時代】

2018年10月19日 09時00分01秒 | Weblog
わたしは北海道が生み出した「高断熱高気密」という日本の「住宅革新」の
その最前線での胎動をウォッチして、ユーザー視点として
この動向がすばらしいと確信し啓蒙的な内容も心がけて住宅情報を発信しています。
こうした北海道での住宅革新の動きはさまざまなカタチでいま、
全国の家づくりをも大きく変革してきていると思います。
これまで「温暖地」ではこうした高断熱高気密技術に対して否定的な態度で接する
一定の傾向が存在してきました。
基本的には「気密なんて息苦しい」「自然素材の方がユーザーニーズが高い」
みたいな意味不明な流れが確実に存在していた。
こういった高断熱高気密技術への無理解・誤解を対置するという傾向は
しかし、いま大きく音を立てて崩壊しつつあると思います。
ユーザーは確実に高断熱高気密技術が生み出す「いごこち」品質を正確に感得し、
その圧倒的メリットを、はじめは徐々にやがて奔流のようになって求めてきている。

そういった大きな革新の流れのなかで、
日本各地で地域工務店の「地域一番店」型のニューウェーブが現れ始めている。
この技術革新がはじまり、大きく市場環境が変わった北海道では
地域工務店が高級住宅でも大手ハウスメーカーとまったく互角以上の勢いで
市場を席巻し、市場の7割を占める状況になっているけれど、
日本各地でも、こうした動向がかいま見えるようになって来た。
写真は、青森県・むつ市で注目を集めている菊池組さんの最新住宅事例。
伝統的社寺建築にルーツを持つ地域の老舗企業だけれど、
こうした高断熱高気密の技術革新の流れに積極的に身を投じて
さらに全国の家づくりの企業群と技術・デザイン交流を積極的に図って
まさに「地域一番店」という位置に評価されるような存在になってきている。
こちらの住宅では、基本的に高断熱高気密技術が背骨を支えながら、
しかし、ユーザーの「高品位」空間志向に対して
さまざまな手法、素材探究、デザイン提案で
逸品生産的な注文住宅らしい丹念な住宅の仕上がりになっている。
基本性能、ディテールの選択、仕上げ表現の奥深さなど、
イマドキの感度の高い住宅ユーザーの志向に応える家づくりをしている。
しかも、圧倒的に「若い」(笑)。
わたしどもReplanは、北海道から始まって全国各地で雑誌+WEBを通した
「地域住宅発信」をしていますが、こうしたニューウェーブが確実に芽吹いている。
「いごこち品質」をコントロールできる技術を持ち、なお、
ユーザーの暮らしの高品位化欲求に応えられる地域の優良な作り手を
大いに情報発信で掘り起こし、地域に深く伝えていきたいと考えています。
なお、この住宅の詳細についてはReplan青森、12月発売号でご紹介する予定です。
ぜひ、雑誌+WEBでご覧ください。
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