三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

まっとうに古美る

2010年05月11日 06時49分26秒 | Weblog




きのうから久しぶりに北海道で落ち着いて
仕事の進行管理をおこなっております。
やっぱり寒いですね(笑)。
一昨日まではずっと夏用の服を着ておりましたが、
やはり似合わないので、冬用に逆戻りであります。
桜は開花したけれど、
春の進み方は一気にペースダウンで、
まぁゆっくり桜を楽しんでください、という
神様の思し召しなのでしょうか。
明日明後日と、寒の戻りのように寒さがぶり返して来る予報。

写真は一昨日、栃木県栃木市を通過中に見かけた街並み。
どうも最近、古い建築の方が好きになってしまって
困ってしまっております(笑)。
この写真で言うと、右側の伝統的商家建築と、左側の
「近代的ビル」との対比になりますが、
まぁ、この近代的ビルというのも、かなり古色蒼然ではありますけれど、
低層である、という点は使用していく機能面でマイナス部分があるでしょうが、
その点を除けば、強い日射への対応力という意味合いでは
表情に凹凸が工夫されていて、
まことに伝統的スタイルの奥行きを感じさせてくれます。
そして使っている建築材料にも違いがあって
時間の風化感を余すところなく表現できる素材の古美感が明確。
それに対して、左の建築って
どうも、無国籍・ノーホェアーっていうたたずまいであります。
なんといっても、軒の出があるのとないのでは、
関東の強い日射しの中で、
防御する考えがあるのかないのか、っていう明確な違いがある。
鉄筋コンクリート建築って、形を自由に作ることができたと言うことから、
ひたすら、経済機能性の方向に発展してしまったと言うことなのではないか。
それはすべて悪いことではなかったと思うけれど、
人間の感受性にとって、かなり弊害をもたらしたものかも知れない。

どうもこういう感覚に陥っておりまして
ある意味で、困っておるのが現状認識であります。








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帰ってきたら桜満開

2010年05月10日 08時21分10秒 | Weblog





おととい、出張先の千葉で取材スタッフと会ったら
「札幌で桜が開花したんだそうですね」
って言われて「え~、そうなんだぁ」と驚いておりましたが、
それってその前日までわたしは札幌にいたのに
まったく気付いておりませんでした。
っていうか、桜開花寸前で札幌を離れたということなのか、
それとも桜の方で意地悪くわたしに見せないで、
こっそりと咲いていたのでしょうか(笑)。
きのうは、栃木県小山市から栃木市で取材してきて
社内のスタッフと会議・打合せと片付けてから
さてどうかなぁ、と内心ちょっと不安でもあったのですが、
東北自動車道を、一気に北上、仙台までめざして出発。
おおむね、280kmほどという行程です。
飛行機、会社を変えたらまだ余裕があるということだったので
急遽、キャンセルと変更を行って、なんとか最終便にということだったので、
まぁ時間的には1時過ぎの出発ですが
順調にいけば問題はない。
ただ、やっぱり最近、長距離運転はカラダに応えるんですね。
仙台市内で乗ったタクシーの運転手さんに聞いたら
やっぱり、長時間運転って、ダメージがみんなあるそうですね。
どうしても目眩のような症状が出るものなんだそうです。
わたしもまったくそういう感じでして
ひょっとすると、これはなにかの病気ではないかと
不安になってもいたのですが、そんなことはなくごく自然なんだそうです。
きのうも、やはり連続運転1時間半くらいで、すこし目眩気味。
こういうときは、カラダの命ずるままに休憩をたっぷり取るべきですね。
頭にぼーっとする感覚が襲ってくるのです。
これがまぁ、前兆的な症状。
トイレに行ったり、コーヒーをゆっくり飲んだりとか
甘いものを食べたりとか、
心がける必要があります。

っていうようなことで、仙台に着いて事務所で一休み。
いろいろ仕事の連絡などをチェックしてから、
飛行場に移動。帰宅は深夜寸前になりましたが、
なんとか、わが家の布団で休むことができました。
やっぱり自宅の布団の寝心地は代え難い。
で、起きたら、家の前の中学校の校庭の桜がごらんのような状態。
なんですが、花冷え、というか、寒い(笑)。
ちょっと暖房が恋しいほどの冷え込みの朝であります。
まぁ北国の遅い、暖かさちょっと、の
春の訪れという感じであります。






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日射遮蔽と断熱の家づくり

2010年05月09日 06時40分47秒 | Weblog





きのうは千葉県の九十九里に近い、東金で取材。
札幌から来ると、ほとんど真夏に近い日射を感じます。
気温は12時くらいで20度ほどだったのですが、
体感としては非常に厳しい熱射を感じます。
こういった体感できるレベルでの気候条件の分析のようなことが
地域地域で必要ではないかと思うところです。

で、やはり、こういう地域では日射遮蔽と言うことが
最低限の住宅性能要件ではないかと思われます。
伝統的な建てられ方をしている武家屋敷とおぼしき街並みも見られましたが、
そういった街並みでは、深い軒の出が日射しを遮っています。
建物も長屋門や塀、といった主屋以外の要素もあり、
それぞれで陰影を作りだしていて
全体として、白っぽい印象がない。
なんといっても、植栽が重厚に植え込まれていて
照り返しの屋根の瓦のきらびやかさと好一対になっていて
まことに気候風土を知り尽くしていると感じられる。
ひるがえって、最近建てられているというか、
たぶん、戦後の高度成長期以降に建てられたとおぼしき建物は
屋根の軒の出はもちろんなく、窓辺に表情を付けるような庇もない。
外壁はなにひとつ守る素材もなく、日ざらし、雨ざらし、
といっていいような状態に放置されている。
そういう建物では、住み手が厚くブラインドやカーテンを閉め切って
本能的に日射遮蔽を行おうとしているけれど、
ほぼ無防備な窓面からは容赦なく熱が降り注いでいる。
やはり、こういった日射の厳しい地域では
建築の側は、相当目的的に陰影感を心がける必要があるのではないか。
なぜ、日本の建築から
こういう日射遮蔽の要素がきれいさっぱりと抜け落ちていったのか、
本当に悲惨な気持ちを持たざるを得ませんね。
古い年代から受け継がれてきた建築がむしろ現代的で
しかも優れて機能的で、
一方、現代量産されている建物の多くが非常に陳腐。

しかし、そういう現実の中でも
きちんと、日射遮蔽や断熱を考えて家づくりを行っているビルダーも存在します。
そしてそういう作り手に支持を与えるユーザーも存在する。
なんとかこういった部分に支持が広がっていくように
なっていかなければならないなぁと、
そんな思いをずっと抱き続けていた次第です。
<写真は約100万都市千葉市内モノレール>





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移動移動の一日

2010年05月08日 07時30分36秒 | Weblog





きのうは朝、会社事務所に出て
わすれものを確認したりして、移動開始。
車で最寄りのJR琴似駅まで送ってもらい、
新千歳空港へ。
やや早く着いたので、メールチェックをしていて、
飛行機の遅れ情報。約30分くらい遅れるという案内。
で、飛行機に乗りながら、書類をチェックして
羽田に到着。
途中、取材先へのスタッフの時間確認などをしながら、
京急線で羽田から品川、そこから山手線で高田馬場。
西武新宿線に乗り換えて取材先最寄り駅の「花小金井」に到着。
カメラマンさんに預かってもらっていた車で
取材先へ、ほんの5分ほどで到着。
急な申し出にもかかわらず、こころよく取材させていただいた
お施主さんに深く感謝。
そこからカメラマンさんの事務所・秋葉原に首都高速で移動。
きのうは、首都高速のトンネル内で警察の取り締まりが行われておりました。
ちょうど分岐点のところで、「あ、いけね」と
カメラマンさんが道を変更しようとした矢先だったのですが、
見ると車線は黄色表示。
やむなく若干の遠回りで、秋葉原へ。
で、駐車させていただいていたお礼を申し上げ、
社長さんにご挨拶。
たいそう、お酒が好きそうな方で、そのうち一杯と・・・。
で、わたしは本日、千葉県東金での取材なので
最寄りの、千葉市のホテルまでクルマで移動。
首都高速から、東関東道を通って千葉までです。
到着は午後7時過ぎという行脚の一日でありました。

土地勘と、移動についての時間感覚を養うには
こういう体験が集中するのは必要。
それと、関東での家づくりの実際にも触れられるわけで、
まぁ、得がたい体験です。
しかし、おかげさんですっかりお昼抜きということに(笑)。
移動で頭を使うのと、体力を使うので
結構、ダイエットにはなりそうですね。
土日で、千葉と栃木の取材が2件、ということで
取材前半戦はこんな感じのようです。
<写真は、以前通った高速PAでの遠赤あぶりだんご。>







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住宅会社ショールーム

2010年05月07日 06時33分57秒 | Weblog




きのうは連休明け初日の会社で
いろいろな業務の片付け、段取り仕事、座談会企画進行など、
久しぶりに北海道での仕事でした。
インターネットとパソコンで、
どんな場所にいても仕事をすることはできますが、
やはり、落ち着いた環境は、整理整頓が付いて
不可欠なものだと痛感させられます。
それ以上に、座談会では北海道の住宅情報レベルの高さを再認識。
暖房と冷房についての座談会だったのですが、
さすがに日本最先端の話題、テーマだと思われる展開。

帰社後、今度は取材住宅についての選定作業。
実にいろいろな住宅があって、選択もなかなか難しい次第です。
それにつけても、やはり北海道は家づくりの条件がいいというか、
環境条件が恵まれていると感じます。
なんといっても、敷地にまだまだ「ゆとり」がある。
面積的な問題もさることながら、
周辺環境的な部分で、建築が利用可能なさまざまなファクターが存在する。
端的に言えば、家の外部とのコミュニケーションが
住環境の中に取り込むことが可能だという点。
実に魅力的な家づくりの実像がそこに生き生きと展開している。
建て主さんの暮らしが、確かに魅力的に創造されていることが実感できる。

ひるがえって、首都圏での家づくり取材も
平行しているわけですが、
ちょっと違うなぁと実感させられたのが、
ショールーム、という存在です。
通常、住宅の相談って、その建て主さんの家に行くのが普通と考えていたのですが
最近は、「訪問販売」法の趣旨から、
基本的に訪問せず、建て主が建てる会社を訪問して
家づくりを打ち合わせるというのが一般的なようなのです。
そのためにこういう施設を作って打ち合わせることになる。
こういうショールームでは、実際に使う建材などを確認できるように
展示構成されています。
まぁ、合理的な考え方とも言えるのですが、
ややもすれば、建材の確認だけで家づくりが進行していくような
そんな危惧も若干、覚えるような気もいたします。
ある会社のショールームの風景ですが、
きのうも触れた防犯シャッター実機の様子であります。

さて、本日から再び出張です。
今回は短期で、全開積み残しの分の取材。
どうしても土日が取材というケースが多く、
しばらくは休日がこうやってつぶれて行かざるを得ませんね。
まぁ頑張るぞ、というところであります。






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防犯性能

2010年05月06日 07時28分20秒 | Weblog





北海道や東北地方と関東の住宅で違いがあるなぁと感じることに
「防犯配慮」という点がありますね。
北海道などでは、写真のようなトイレの外部窓に防犯格子が付くなどは
ちょっと考えられません。
居間のテラスドア、デッキなどとともに
開放的な造作で、北国の短い夏を存分に楽しむようなデザインが採用される。
第一、隣家との間に塀を建てるようなことも少ない。
冬期間の落雪と、堆雪スペース確保の関係から
隣家との間の空間をそのような空隙地として確保しておく方が
より合理的という地域文化だと言えるでしょう。
それに対して、そのような条件がない関東では、
むしろ「社会的な要件」のほうが住宅建築の要件になってくる。
居間の大きな開口部に大きなシャッターというのが多く採用されている。
聞くと就寝する前には、必ずシャッターを下ろしてから寝るという。

それらと自然とのふれあい、という意味合いでは
なかなかに難しい部分が出てくる。
まぁ自然とのふれあいといっても、利用できるような自然環境に乏しいというのが現実。
周囲の環境条件に合わせるのが住まいの基本とはいえ
こういう環境条件というのでは、住まいのデザインという部分で
どうしてもさみしい部分にならざるを得ない。
まぁ札幌などでも、集約化された住宅地は多く
そういう地域では中庭の活用というケースが散見される。
今回取材した住宅でも、完全に家の中に取り込まれた中庭もありました。
ちょっと不思議な感覚の空間ですが、
元気な子育て世代の住居で、
こどもさんたちには面白いスペースで、それこそ走り回っていました。

なんといっても、敷地条件が厳しいワケで
そのような条件下、どのような住宅デザインが可能なのか、
基本的には確保可能な床面積に比例した土地面積が
流通可能性としては一番高い。
そうなると、土地面積は条件がどんどん厳しくならざるを得ない。
そのうえで道路付きの問題があるので、
注文建築でなければ解決できないけれど、
さりとて自由な設計デザインの方向を向いたものではなく、
このような社会的要件に対する対応が一番求められている。
さて、こういう条件下で
「いい家ってなんだろう?」っていうところですね。








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連休に大掃除

2010年05月05日 12時40分05秒 | Weblog




連休も今日が最後ですね。
なんとか天候にも恵まれたようで、よかったのではないでしょうか。
さて、札幌に帰ってきてやや体を休められておりますが、
連休明けにはふたたび残った取材を片付けなければなりません。
そういう出て行って仕事するためには、拠点がしっかりしていなければならない。
ということで、仕事場の整理整頓を行っておりました。
まぁ、総務経理関係から資金繰り対策、営業の仕事、編集制作の仕事と、
たくさんの種類の仕事をしていると、仕分けを定期的にしないと
どうしても仕事場所が、分けわかんなくなるのです。
今回もたくさんの収納物の整理整頓、捨てるものを確認しながら
残すもの、それぞれの役割ごとの仕分け作業を行ってみました。
都合、1日半だったのですが、
それでも仕分けされてゴミと判断したものの総量は200kgを超えておりました。
それも大部分が紙なんですね。
紙には、たくさんの情報が密封されている。
それらを丹念に確認しながら、まぁ、「事業仕分け」であります。
整理した後、ゴミを車に積み込んで
札幌市のゴミセンターに持ち込んで処分してもらいました。
何回か、行っているのですが、
やはりありがたい存在だと思います。

こういった分けわかんない環境にいると、
自然と気分も退嬰的になり、仕事を追いかけると言うよりも
仕事にどんどん追いかけられるようになる。
段取りとか、順序づけができなくなって、
すべての事柄がフラットに、全部すぐにやんなきゃならない
っていうように、脅迫観念的になるのですね。
しかし、こうして仕分け作業をしていくと、
その後の仕事の位置関係が明瞭化してきて、
巨視的な把握がきいてくる気がします。

っていうように過ごす連休であります(笑)。
坊主はずっとバスケットのクラブ練習だし、
どこにも行けない、というのが基本的な理由ではあります。
子どもと遊びに行けなくなって何をしようか、まだ定まっていない。
そのうえ、本日は、事務所のアプローチ部分の庭木の下草掃除。
約2時間ほどで、腰にじんわり効いてきます(笑)。
こういう過ごし方も、それなりにまた楽しいものであります。
写真は、甲府から見た富士山夕景。







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足利学校講堂

2010年05月04日 09時10分31秒 | Weblog




関東を歩き始めて、いろいろな歴史に触れる機会を得ます。
東京に8年間ほど住んでいたのですが、
こういう歴史的なことがらって、興味が興らなければ見えない。
っていうか、関東とは言っても東京は全くの別物であって
明治期以降、産業の集中による人口の大膨張は
地方からの人口流入によってもたらされたので
東京という都市は、そもそもが
巨大な地方移住者群によって形成されているとも言える。
神奈川も、基本的には横浜の開港以降、
活発な貿易都市として計画的に作られたような地域なので、
これも別物と考えられ、そうすると、
古代からの歴史的関東というのは、むしろ北部地域の
上野、下野、常陸、といった関東武士団揺籃の地域が中心だったといえる。
毛の国、と言われた地域は、ヤマト王権成立の時期から
関東における最大の中心地域として認識されており、
高崎市が運営している「かみつけの里」博物館では、
火山噴火で埋没した古代地域王権の存在を知ることができます。
畿内地域と関東地域で、それぞれ違いのある歴史的歩みを見せてきたのが
日本歴史の縦糸なのだと知られますね。

そんななかで、F・サビエルの記述でも
板東のアカデミーと記されていて、室町期に最盛期を迎えていたのが
この「足利学校」ですね。
学校という概念を持って教育を行っていた嚆矢の存在だったようです。
人気のカリキュラムは、当時の「実学」とされた
易学・兵学だったということですから、
戦争を日常的に行っていた武家の子弟がここで学んで、
「足利学校で兵学を修めました」と言って、各地の武家勢力に
仕官していったのでしょうか。
それとも、有力武家の子弟が「家業」のために頑張ったのか。

学校という概念が独立していない時代なので、
周囲を環濠で巡らしていて、武家的な防御的施設の外観を有し、
同時に、寺院風の建築様式を備えています。
学生は僧体で生活して、近隣に寄宿し、
自分たちの食べるための菜園も耕していたと言うこと。
そして学費は無料であったということですが、
たとえば隣接する足利家ゆかりの寺院・鑁阿寺~ばんなじ~の屋根瓦には
琉球のシーサーが見受けられたりするところを見ると、
入学金代わりに、なにがしかの貢物が習慣的であっただろうと推測します。

まぁなかなか、奥の深い歴史を感じてくる関東であります。






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視聴率の神さま、平塚・寒川神社

2010年05月03日 08時44分25秒 | Weblog




って、そんなもの、あるのかよ?
という疑問は当然なのですが、あるのだそうで、
最近では、「踊る大捜査線」でもフジテレビが奉納祈願している。
テレビ業界も、「家族揃ってテレビを見る」という
娯楽の王様の座から、どうも滑り落ちていっているように思います。
住宅でも、リビングルームが必ずしも家族団らんの場とは言えなくなって
若い年代のお父さんは、子どもにも近づけさせない
「親父の居場所」的な空間への志向が強いのだそうです。
ガンダム世代のひとたちには、自分だけのこだわりのガンプラに包まれた
そういった「個人的な空間」こそが癒やしの空間なのだそうで、
奥さんが、台所に隣接した家事コーナー的な
オープンな空間への志向が強いのに対して対照的な性向を見せているとか。
そういう傾向を考え合わせていくと、
大型テレビが置かれているリビングルームって、
一種の現代的床の間空間になっているものかも知れません。
何となくよそよそしい、家族の一体感というにはやや遠い空間。
そういう意味では、やはり食の空間の方が
確実性の高い「家族一体空間」ではあるのでしょうね。
考えてみると、テレビのような娯楽装置が
家の中に入ってきたのは、ここ50年程度の話で
竪穴住居以来、というかそれ以前の洞穴住居以来、
人類の普遍的な共同体空間って、むしろ食の空間だったように思います。
食と火の場のほうが普遍的。
テレビは、むしろ個別的な個人的な趣味傾向に細分化する
「映像情報体験装置」に変わっていく方が自然なのではないかと思える。
やはりパソコンなどに各個人がアクセスして、
見たい動画情報を好きなときにダウンロードして楽しむ方が
この番組はこのチャンネルで、この時間からやりますから
家族全員その時間に揃ってください、
というように強制するよりははるかに合理的でしょう。
ただ、ダウンロード型だと、そもそもCMの価値測定が難しい。
テレビ局という、番組垂れ流し媒体が必要でもなくなる。
必要なのは、特定テーマについてのセグメントされた情報機能。
それが動画であったり、静止情報であったり、文字であったりは
それこそあまり領域分けに意味がなくなってくる気もする。
そうですね、やはりiPad的な「媒体」が、
ユーザーの個人的興味に対して、セグメントされ、編集された
そういった情報を享受する方向になっていく可能性が高い。

っていうような思弁とはまったく違って
「まぁ、テレビも雑誌もそうは変わらないから、ついでにお願いしよう」
という下心もあって、足を運んだことは
正直に白状したいと思います(笑)。
なんとか、雑誌の販売が伸びますように、神様・仏様・・・です。






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連休の東京都内にて

2010年05月02日 05時54分35秒 | Weblog




きのうは全国的に素晴らしい好天だったようです。
さて、取材ツアー最終日、東京多摩地区で取材でございました。
日射しがすっかり初夏のもので、札幌などと比較にならないくらい強い。
南国、というか太平洋南海のどこかの島か、
と思われるような日射しが厳しく降り注いできます。
やはりこういう気候風土が関東の基本的なものでしょう。
住宅ということで考えていくと、
こういう厳しい日射しに対しての対策というのが基本になるべきだと思います。
大きな断熱要素の大きい屋根と日射遮蔽、
ということが求められている気がする。
そうですね、太平洋の島々に残る
植物性繊維質で厚く大きく軒を出して屋根を葺いた、通風性の高い建築。
高床式建物って、日中朝の北東アジア世界の中で
日本の特徴的建築といわれますが、
気候風土的には、そういった建築が似合っている。

ところが、現実には断熱と言うことがまったく無視され、
開口部についても、その視覚性にだけ着目したような建築が建てられ、
日射遮蔽に至っては、まったく顧慮されていない。
たぶん、建築文化的には
現代はそれ以前から「退化」していると言っても過言ではないのではないか。
最近、20世紀建築の素材の代名詞とも言えるガラスが
高規格に作られ、自然破壊はないとされていたものすら、
結局は自然破壊が進行し、
ビルからガラス破片が落下したというニュースがありました。
都心にはほぼ全面をガラスで覆ったようなビル群が林立しています。
日射遮蔽の工夫は、ごく一部の建物で外部ルーバーが取り付けられていましたが
それ以外ではほぼまったく為されていません。
よく行くビルでは、全面のガラス壁面からの過剰すぎる日射取得に
常時、ブラインドが厚く閉じられ続けています。
よく観察すると、ほとんどのビルではそのように対応している。
ということは、このようなガラス全面による壁面構成というのは
建築的に破綻していると、使用するユーザー側から結論されているのだと
わたしには、思えてなりません。
ブラインドを開け放てば、確かに大都会的な眺望は得られるけれど、
あまりの過剰日射取得で、まったく締めきられているって、
一体何の意味があるのかと、もうそろそろ、目覚めるべきだ。
それに熱環境のことから言えば、
ブラインドってほとんど意味はない。
日射自体は遮ることができるけれど、ガラス面を透過して熱は
室内にたっぷり取り込まれる。
日射遮蔽は外側でしなければ意味がない。
こうして暑くなった室内空気を電気エネルギーでしゃにむに
クーラーでクールダウンさせている。
ヒートポンプ利用しているからいい、とは絶対に言えない。
このようなデザインを売り物にしている建築家は、
その環境性無配慮ぶりを、恥じなければならない。

連休のさなか、スイスイと走れる首都高速を走っていて
こんな印象を、周辺の建築風景から感じ続けていた次第です。
ちょっと、意地悪すぎるかなぁ。





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