私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

スナヤツメとの出会いの奇跡!  希少生物観察記録の旅③   出会った動物2種目。

2016-11-06 17:14:06 | 純淡水魚
 2016年11月3日15時過ぎた頃

 スナヤツメに会いたい。
流域のどこかに生息のポイントはあるはずだ。
胴長をはいたまま何度も車で右往左往し、車を止めては徒歩でうろうろする。
もう日が落ちる時間も近い。『これ以上車で進めません』の看板も立っている。
たまたま出くわした若いご夫婦に私が声をかけてみる。
「ご苦労様です。たぶんおっしゃられる所は、少し戻られて左に曲がり、〇〇が見える所ですよ。」とご主人の言葉。
「もっと詳しく伝えんと・・・だから、この道を・・・・・・・。」と奥さんの言葉。
みんななんて親切すぎるんだろう! 

 言われた場所に着く。
ありゃ!
ここは何度も「良さそうなポイントだね。」と言いつつ通り過ぎていた場所だ。
駐車できる場所も十分にある。
なのに、なぜ通り過ぎていたかと言うと、イノシシなどの獣たちが田畑に侵入しないよう川との境界に鉄柵が延々と張られていたからである。
川に降りる階段も見えるというのに、鉄柵のために通れない。
畑仕事をされていたおばあさんに友が声をかけた。
「この辺で川に降りられる所はありませんか?」
「ああ、そこの鉄柵開ければええよ。簡単に開くけえ。でも、あんたら怪我せんよう気をつけんさいよ。」
簡単に開いた。川原へすぐにたどり着いた。

 さあ、時間がない。
「自分は、他の県で採集した経験があるけえ、先にやってみ。」と友が言う。
甘えることにする。ガサをする。5分もかかっただろうか。
「採ったどー!」
あっけなくスナヤツメのアンモシーテス(ヤツメウナギ類の幼生)に出会えたのである。
友もあっさり採集し、水中撮影へと切りかえいた。
興奮を抑えられないまま、撮影にかかろうとして道具のいくつかを車に置いたままだったことに気付く。
車へと戻る途中、数人の人に出会う。
「こんにちは。」
格好が格好だけに、怪しまれないよう努めて明るく声をかけてみる。
「ご苦労様です。」「大変ですね。」「気をつけてくださいね。」
口々に優しい言葉が返ってくる。
出会う人の誰もが疑うこともなく、見知らぬ私たちを受け入れてくれていたのである。

 スナヤツメと出会ったことも嬉しい奇跡だが、住民たちとの出会いの方がもっともっと感動が積もっていった奇跡だ。
忘れられない心にしみる旅となったなあ。
と言いつつまた、「あれは忘れもしない・・・いつだったか?」になるんだろうけど。

 と、やっとここで採集したスナヤツメくんの写真を載せよう。
スナヤツメについての説明は殆どないままだけど。
もちろん、すべて採集した生き物たちは、生息場所に戻しているからね。




 


おや? オヤニラミ  希少生物観察記録の旅②  釣査7種目

2016-11-06 08:35:11 | 純淡水魚
 2016年11月3日12時頃に移動。

 「川を見ながら飯にしようや。」友が言う。
いつも2人で出かけるとき、私は食事をとらないことが多い。
せっかく遠出をして、未知の水環境が目の前に広がっているのだ。
時間がもったいないではないか!
そのことを十二分に知っている友は、私の分も飲み物を含め用意してくれていた。


 うろうろ移動し景色の良い河原に到着。
河原に下り、パンをかじる。かじりつつ水の中のようすを探る。
「シマドジョウ(オオシマドジョウ?ニシシマドジョウ?)がおるで。」
「イシガメも水底で休眠しとるが!」
というわけで、とりあえずタモ網でのガサを始める。シマドジョウを含め何種か採集をした。
その中で、このポイントではオヤニラミにスポットライトを当てよう。



 上の個体は、2才魚か3才魚。日本で唯一スズキ目の中で「淡水で一生を終える人生(魚生?)」を選んだ在来種の魚である。
韓国にもいるそうだが、残念ながら若かりし頃韓国へ採集に出かけた時にはお目にかかることはできなかった。絶滅危惧種でもある。

 記録撮影後、友は水中での生態撮影を始めた。私は、水深のあるところへ「改良スペシャル何が何匹釣れるか分かりまへんでタナゴ仕掛け」を投入する。カワヨシノボリやドンコくらいは釣れるやろ、ひょっとすればカジカも釣れるかもしれん。
 期待(気体)で胸は膨らむのである。固体と液体で腹は膨らんでいるのだ。物質の三態でいえば当然の摂理である。



 友の撮影がうまくいったかどうかは分からないが、私は見事に・・・・・・失敗である。
底にあるゴロタ石に見事に根がかりである。一匹も釣れるどころか仕掛けを川に残してしまった。いかん、いかん・・・川を汚してしまった。反省。




 上の写真は、今年生まれのカワイイ連中である。

 というわけで、ここでは忘れもしない十数年前の7月か8月か(忘れとるんよね)に釣った思い出ですませよう。
 まず、ハリスつきタナゴ針と小さなガン玉(オモリ)を用意する。河原に生えている笹を少しいただく。これを竿にする。
 次に、川石をひっくり返しヒラタカゲロウ類やタニガワカゲロウ類といった水生昆虫を採取する。これをエサにする。
 あとは、水中の石と石の間にそっと沈めて待つだけである。

 上の写真のような若きオヤニラミを釣ることができる原価20円程度の原始釣りである。これもタナゴ針を使うので「タナゴ釣り仕掛け」と強引に決めることにする。