私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ギギ  ギギッー悔しさかみしめた向こう側   釣査22種目

2016-11-19 17:34:53 | 純淡水魚
 2016年11月19日

 午後から晴れてきた。親しき友からの連絡がはいる。
「知り合いの子どもらに釣り教えてやってくれんか?」
当たり前だが引き受けた。集まった子どもらは6人。
友は、本当に淡水魚に詳しい。
採集も記録も飼育も彼にはまったく適わないが、唯一釣りだけは彼に負けない自負がある。
積み重ねてきた悔しさの数だけ、ね!

 簡単に説明した後、
「まず、私のやってることをよく見てて!」と、釣りを始める。

 第一投が、一番アタリがあるのだ。ガキどもにやらせてたまるものか!
ヤリタナゴ・コウライモロコが、次々釣れる。
「じゃあ、初めてみていいよ!」

 オイカワ・カネヒラ・タモロコ・シマヒレヨシノボリなど、全員あわせて8種が釣れた。
上手な子はほっといても上手だ。
中には、初めてオオクチバス30cmを180cmのヘラ竿で釣り上げる子もいた。
「興奮しました!」と言っていた。

夕まずめになり、私に小さなギギがかかった。




 やはり暗くなり始めると活動が活発になるねえ、きみは!
撮影にピッタリのサイズなのでありがたい!

 このギギには悔しい思い出がある。
今年の春、幅50cmほどの小さな水路で、かみさんが50cmもあるギギを釣り上げたのだ。
「お願い! きみは誰! 顔を見せて!(繰り返し)」
と、右へ左へとどれくらい格闘し続けただろうか? 

 顔を上げた瞬間、ギギッーと名乗りを上げたのである。


そのときのギギがこいつ。彼も悔しくて泣いたのだろうか? 少なくとも私はホント悔しかった。


ウソのような本当の話である。 ギギッー! 

ワタカ 何か変わったか?             釣査21種目

2016-11-19 08:11:20 | 純淡水魚
 2016年11月18日 金曜日

 今春末からしばらく訪ねていないポイントへかみさんと出かけた。
昨年まで、必ずワタカが釣れていたのが、今春一匹も顔を見せなかったのだ。
淡水魚たちの季節的な移動が本当にダイナミックなのは、最近つくづく感じるのだけれど・・・・・・
 気になっていたのだ。今週末は雨らしい。
 何か変わったか?
 
 ワタカはいた。何も変わってはいなかったのだ。


 今春末に生まれた10cm程度の当才魚である。


 
 記録撮影のためにバタバタしている最中に、
かみさんがか細いタナゴ竿を満月のようにしならせ、立て続けに成魚を釣り上げる。クソッ!




 忙しいったらありゃしない。
30cmほどの成魚は、私の安物の観察ケースには入らないし・・・・・・
 でも、嬉しい。また会えた。
 もう十分だ。

 ワタカは、琵琶湖・淀川水系にだけ生き残った日本固有の遺存種である。
大陸には、ワタカに近い仲間であるクルター類・ヘミクルター類が今も何種類もいる。
大陸とつながっていた寒い時代に、彼らが日本へと分布を広げ、
その後、暖かい時代に海面が高くなり、河川の下流域を住みかにしていた彼らは、ほぼ全滅したのである。

 かろうじて、琵琶湖という大きな淡水域で生き延びたのがワタカなのである。
日本各地からワタカやクルター類の化石が出土することも、そんな壮大な物語を支えている。



 ちなみに、その後日本各地へと「琵琶湖産コアユの放流」に混ざって広がったのだ。
本来の生息地である琵琶湖ではほぼ出会えない絶滅危惧状態という。

 草食性と多くの図鑑には書いてあるけれども、当才魚だけでなく成魚になってもミミズの体の一部で釣れるのである。
この日、かみさんは11種、私は8種、計12種を確認して帰路に着いたのだった。
完敗・そして乾杯じゃあ!