私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

最期の一魚:お~エンディじゃ!終焉編

2017-11-14 21:39:15 | タイの魚たち
まだ「タイのチンマイ魚捕獲隊」を書いとるのである。
「すっかり飽きたわいっ!」 と言ってるそこのキミ!
書いとる方は、もっと飽きとるのかもしれんのんである。

もうしばらくつきおうてつかあさらんかの? 

「タイのチンマイ魚捕獲隊」8日目(2017年8月6日・日) その⑤

最期の一魚なのである。
このポロプンティウスAくんが旅の最期の釣魚なのである。


この1匹に至るまでは、聞くも涙 語るも涙なのである。

ミャンマー国境へと向かう「チン捕獲隊」が相変わらず赤レンガ色の小川。

竿を出すもまたまたボウズ。

道中ずいぶんお世話になった羅漢果(ラカンカ)が実る広場に。


「これがラカンカの木なんじゃねえ」 初めて見て妙に感傷的になる私。
「硬めの皮が微かな甘さと水分を保持する役割やね。タイの人が常備する果実として最適や」
と、極めて冷静に理詰めで解説してくれる隊長。

と、広がる田んぼを2人で眺めた。

「水路じゃあ~っ!」 隊長のオタケビ。
「メコンメダカに会えるかもしれんがっ! ラストチャンスじゃあ~!」
前言ただちに撤回! 冷静さのカケラもない隊長なのである。


ほっそい溝(今思えば)を前に、隊長ガサの準備、私は釣り支度。
私もすっかり判断能力がなくなってたんだなあ。
なんせ朝から1匹も釣ってないもんなあ。

当然のことながら2人とも成果ゼロ。

もう限りなくミャンマーの国境に近づいてる。
旅もここで終わりなのである。
もう十分堪能したよ、隊長あんがとな・・・・・・と心でつぶやいてたら、

「よっしゃ! もうちょっとやるべ!」 次のポイント探しへと車を走らせたではないか。
なんとか私に1匹釣れるまでやろうとしてるのだ。

と、たどり着いたのがココ。


しゃがみこんだまま呆然と川面を見てる私。
これほどのボウズ続きに、もう意欲すらなくなってたのである。
後は、静かに静かに時が過ぎるだけなのである。

「ホレッ、ええどお。ココ釣れるでえ。キノボリトカゲもおるし」 とはしゃぐ隊長。
まるで最期の一魚が釣れないと私が死んでしまうかのごとく明るくふるまうのである。


私は竿を持ち、何度も何度もカラブリをした後、最期の一魚を釣り上げた。
「よかった。これでまだ生きられる」 (あの名作をこんなんにパロってええんかいな?」
それが冒頭のポロプンティウスAくんなのであった。

「チン捕獲隊」の締めくくりは「ラカンカの丘」から見えた寺院の前で。

しぶとく、優しく、少しばかり強引な隊長の誇らしげな姿がそこに写っていた。

タイの魚たち、出会った人たち、そして隊長、本当に本当にありがとう。 (本編 終了)