ビル・ビバリー『東の果て、夜へ』
帯を外してカバーを眺める。
赤い文字で惹句がびっしり詰まった帯は目に痛く、外すと一気に静寂が訪れた。
誰もいないガソリンスタンドの写真。
手前の道路が白く見えるのは靄か、雪か。奥の山の斜面も白いので、雪だ。
地元のスタンドというより、どこか見知らぬ土地に来た気分。
左右いっぱいに広がった「夜へ」「果て、」「東の」の文字が、まだ旅の途中という思いにさせる。
少年たちの奇妙な旅。
これから人を殺しに行くという。
不安定な人間関係と、心もとない情報。案の定、トラブルだ。
人生に疲れ果てた大人のような1人の少年は、ときおり子どもっぽさを露呈する。
この小説に希望が見える気がするのは、その一瞬だ。
何度カバーを見ても、そのたび「夜へ果て東の」と読んでしまうので、最後までタイトルを正確に覚えられずにいたが、この本のことは忘れずにいよう。
ほぼ完璧な小説なのだから。
デザインは鈴木久美氏。(2018)
帯を外してカバーを眺める。
赤い文字で惹句がびっしり詰まった帯は目に痛く、外すと一気に静寂が訪れた。
誰もいないガソリンスタンドの写真。
手前の道路が白く見えるのは靄か、雪か。奥の山の斜面も白いので、雪だ。
地元のスタンドというより、どこか見知らぬ土地に来た気分。
左右いっぱいに広がった「夜へ」「果て、」「東の」の文字が、まだ旅の途中という思いにさせる。
少年たちの奇妙な旅。
これから人を殺しに行くという。
不安定な人間関係と、心もとない情報。案の定、トラブルだ。
人生に疲れ果てた大人のような1人の少年は、ときおり子どもっぽさを露呈する。
この小説に希望が見える気がするのは、その一瞬だ。
何度カバーを見ても、そのたび「夜へ果て東の」と読んでしまうので、最後までタイトルを正確に覚えられずにいたが、この本のことは忘れずにいよう。
ほぼ完璧な小説なのだから。
デザインは鈴木久美氏。(2018)
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