ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

傍迷惑な人々

2018-10-21 19:19:46 | 読書
 ジェイムズ・サーバー著『傍迷惑な人々』(光文社古典新約文庫)。






 著者のジェイムズ・サーバーをアマゾンで検索すると、早川書房の『虹をつかむ男』が出てくる。

 『虹をつかむ男』は『傍迷惑な人々』にも収録されていて、1947年に映画化されている。

 『虹をつかむ男』をネットで検索すると、ベン・スティーラーがリメイク版を作ろうとしていることがわかった。(2014年公開『LIFE!』)


 なぜそんなことを調べたのかというと、サーバーという作家をそれまで知らず、また調べたくなるような短編小説が並んでいたからだ。

 光文社古典新約文庫は、フォーマットが決まっているので、そのほかの多くの作家たちと同じような表紙だが、サーバーの作品の雰囲気に合っている。
 一見、意味があるのかわからない絵が、つい手に取りたくなる軽さを生んでいる。
 つかみどころのない空気は、単純だけれども、何度も見返す、読み返すこととなる。表紙も文章も。

 装丁は木佐塔一郎氏、装画は望月通陽氏。(2012)


絵には薄く影がつき、立体感を出している






光文社古典新約文庫は言語により色分けされている。
緑 英語   青 フランス語   茶 ドイツ語






 映画『LIFE!』と原作『虹をつかむ男』で同じなのは、空想好きな主人公の名前くらいなもの。
 原作は、半径3メートル程度の世界から抜け出すことはないが、空想で地球を飛び出すこともある。
 ベン・スティラーの生活も似たようものなのだが、徐々に現実が空想を超えていく。

 空想しているとぼんやりするので、よくないこととして描かれているように見えるが、空想することで、大きな一歩を踏み出すことができたでしょうと、空想を奨励しているようでもある。
 映画そのものが、空想の塊なのだし。(2014)

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