本日・5月1日、艇界は「期替わり」を迎えた。
前期は5月1日~10月31日。
後期が11月1日~4月30日。
期間内における勝率、複勝率、事故率などを基準にレーサーの「級」が決まる。
ランクはトップのA1から→A2→B1→B2と4つ。
上に行くほど、出走日数や格の高いレースへの出場機会がアップ。
つまり賞金を稼げるチャンスが増えるのだ。
また期替わりは、事故点数が一旦リセットされ、
キレイな身体になって出直すタイミングでもある。
心機一転。
新学期みたいなものなのだが、今年は沢山の「停学」がいる。
ご存じの方も少なくないと思う。
持続化給付金の大量不正受給が判明した。
不正受給者数:215名。
不正受給総額:2億1,473万円。(全て返還)
不正者の級別:A1級43名、A2級39名、B1級110名、B2級23名。
持続化給付金は、新型コロナにより事業の持続が困難になった事業主に対する制度。
確かにレーサーは賞金で生計を立てる「個人事業主」だが、
新型コロナにより艇界の事業(レース開催)数が、減少しているわけではない。
売り上げは、巣ごもり需要とネット投票のお陰で過去最高に迫る勢い。
稼げていないのは、本人の技量不足などコロナ以外の理由である。
不幸にも感染、または濃厚接触してしまったケースを除き、
対象にならないことは子供でも分かる道理だ。
それなのに。
まったく、バカなことをしたものだ。

(※上掲画像に写る選手は、不正受給は認められていません)
実名は公表されていないが、上のクラスになるほどバレる。
今月末のSG「オールスター」に選出されていたうち2名が、出場取り消し。
トップの中のトップ、人気も成績も上位のレーサーが。
ファンの期待や応援だけじゃなく、銭もかかる立場のレーサーが。
一端(いっぱし)の大人が。
情けない限りだ。
もちろん、彼らは重い十字架を背負う。
新型コロナの影響がないのに受給した67名が、1~4ヶ月の「出場停止」。
新型コロナによってレース中止なった等、
一時的な影響を被り受給した148名が「戒告」。
当事者個々人が臍(ほぞ)を噛むだけでは済まない。
仲間、関係者、ファンへ多大な迷惑をかけたのだ。
これを機に引退してしまう選手もいるだろう。
それにしても数が多い。
もしも、不正受給する方法がマニュアル化されて広がったのだとしたら、
騒動はまだ拡大する可能性がある。
そして、日本モーターボート選手会は割と早い段階で不正の動きをかぎつけ、
注意喚起はしたが調査はしていなかった。
これも問題である。
業界の信頼回復は、茨(いばら)の道だ。