元長野県知事の作家・田中康夫氏(65)が横浜市長選(8月8日告示、22日投票)に出馬する意向を固めていることが5日、分かった。今週中にも会見し、正式に表明する見通しだ。IR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致の是非が最大の争点になっている横浜市長選は、現職閣僚だった小此木八郎衆院議員(56)が誘致取りやめを掲げて出馬を表明するなど名乗りが相次いでおり、大乱戦となってきた。
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2015年からFMヨコハマで番組を持つ田中氏は、横浜に通い、地元の人たちと会話を重ねるうちに、魅力的で住みたい街として常に上位にランクされる市のイメージと、実際に暮らしている人たちが感じている実像とのギャップに気付き、カジノ誘致だけでなく「変だな」と思うことを語り合ってきた。
「20ある政令市で唯一、中学校の給食がなくて、代わりに『ハマ弁』という弁当を売っていたり、『保留児童』という独自の定義をつくって、保育施設に子どもが入ることができず育児休暇を延長した母親や自宅で求職中の母親の子どもは待機児童ではないとしたり。待機児童数は16人と発表していますが、保留児童は2842人います」(田中氏)。
問題はいくつもあった。政令市最大の378万の人口にもかかわらず、保健所は統廃合されて1カ所。65歳以上の高齢者97万人のうち半数以上の51万人が1人暮らしだった。空き家は20%近い18万戸に達し、土砂災害危険区域に指定されている土地に7万3479戸もの家があった。田中氏は「カジノ問題を契機に、みんなでディスカッションしているうちに、この街のあり方を変えていかなくてはいけないと、分かってきたんです」と話す。
長野県知事時代、田中氏は空き家を改修し、介護士と保育士を配置して高齢者のデイサービスと乳幼児保育を一体化して行う「宅幼老所」を県内350カ所に開設している。「みんなの知恵を使うことで、できることはあるはずです」。
IR誘致を推進する菅義偉首相のお膝元の市長選は、反旗を翻すような形での出馬となる小此木氏や、新型コロナで名をはせた元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)らの出馬表明で、IR一色になっている。田中氏は「カジノの問題だけでなく、福祉や教育や医療や財政を目に見える形でどう変えるのか。次の指針を示す選挙にしなければと思っています」と話している。
◆田中康夫(たなか・やすお)1956年(昭31)4月12日、東京生まれ。一橋大在学中の80年、「なんとなく、クリスタル」で文芸賞受賞。2000年、長野県知事。02年、県議会の不信任決議で失職するが、出直し選で圧勝。再選した。07年、参院比例区で初当選。09年、衆院に鞍替えし、兵庫2区から当選した。現在、FMヨコハマ「たまらなく、AOR」(木曜深夜0時)パーソナリティー。「なんとなく、クリスタル」ではミハマの靴、フクゾーの服、キタムラのバッグなど70~80年代に大流行した横浜・元町生まれの“ハマトラ”も描かれた。
◆IR誘致と横浜市長選 林文子市長(75)は2期目の14年、IRに対して前向きな考えを示していたが、17年、市長選を前に「白紙」に転じて3選を果たした。しかし、19年8月22日、突然、首都圏初の誘致を表明。市民団体は住民投票実施を求めて署名運動を展開し、19万3193筆を集めたが、条例案は誘致を容認する市議会与党の反対で否決された。一方、トランプ米大統領の後押しを受け、横浜進出を目指していたカジノ大手ラスベガス・サンズは新型コロナの感染拡大で撤退を表明。香港のギャラクシー・エンターテインメントも進出を断念した。くしくも誘致を表明した8月22日に行われる市長選について林氏は意向を明らかにしていないが、意欲的とされる。ただ、自民党横浜市連は高齢、多選などを理由に支援しない方針を伝えている。市長選にはこのほかDeNAの初代球団社長・池田純氏(45)らの名前も取り沙汰されている。
◆(2021.07.04)投開票の東京都議会選挙でもしも『共産』『立憲』『れいわ』が『五輪反対』を最大の争点にして『純粋野党連合』を結成して『完全な選挙協力』をしていれば『勝利』しただろう!(No1)
野党の共闘は東京都議選で大きな成果を上げました。日本共産党が立憲民主党や無党派の幅広い市民などから支援を受けて5選挙区(文京区、豊島区、北区、日野市、北多摩4区)で勝利しました。一方、7選挙区(渋谷区、中野区、立川市、武蔵野市、小金井市、小平市、北多摩2区)では、日本共産党が支援・推薦した立憲民主党などの候補が当選しました。
日野市(定数2)では、市民と野党の共同候補としてたたかった日本共産党の清水登志子氏が当選。前回(2017年)から得票数を4925票、得票率を12・65ポイント増やし、自民党の現職に競り勝ちました。文京区(定数2)では、前回215票差で惜敗した福手裕子氏が共闘の輪を広げ、得票数4033票増、得票率7・93ポイント増となり、自民の現職に勝利しました。北多摩4区(定数2)の原紀子氏も他党の議員や幅広い市民からの支援を受け、2265票増、10・43ポイント増でトップ当選を果たしました。
日本共産党の米倉春奈氏(豊島区・定数3)、曽根肇氏(北区・定数3)も、市民と野党の共同代表として現有議席を守り抜きました。
1人区でも共闘の力で議席を勝ち取りました。武蔵野市では、日本共産党の小池晃書記局長が応援に入った立憲民主党の五十嵐衣里氏が初当選。19年の参院比例票と比べると得票数は1万207票増、得票率は22・51ポイント上回りました。小金井市では共産・立民などが推薦する無所属の漢人(かんど)明子氏が、得票数1万8789票、得票率45・40%を獲得し、都民ファーストの会の現職を破りました。
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