日本の少子化 出生数は、第2次ベビーブームだった1973年の約209万人をピークに減少傾向が続き、2022年に初めて80万人を割り込んだ。政府は保育サービスの充実などを盛り込んだ1994年の「エンゼルプラン」以降、さまざまな少子化対策を講じてきたが、歯止めはかかっていない。経済的な理由で結婚や出産を諦めざるを得ない実情や、仕事と子育ての両立の難しさなどが背景にある。
日銀総裁の退任に際して記者会見した黒田東彦氏=7日
◆半世紀前と同水準になっている「円の購買力」
「責任を持って、この2025年大阪・関西万博を最後までやり切りたい」──。そう街頭演説で訴える吉村知事は、カネの話には触れようとしない。9日に投開票を迎える大阪ダブル選。情勢調査では府知事選、市長選はそれぞれ大阪維新の会公認で現職の吉村と新人の横山英幸候補が大きくリードしているが、すでにパビリオンなど万博の建設費は大きく上振れ。資材価格の高騰に加え、独創的なデザインがアダとなり、入札不成立が相次いだ結果、予定価格を最大5割も引き上げているためだ。
再入札で予定価格を引き上げたのは、開会式会場の大催事場や、各界の著名人がプロデューサーとなって建設する8つのテーマ館の一部など。
「大催事場は過去2回の入札で予定価格内の応札者はゼロ。昨年12月の2回目には予定価格を当初の47.6億円から約5割増しの約71.2億円まで引き上げたのに、誰も手を出さなかった。今月28日開札の3回目の入札では基礎工法を簡素化し、資材の使用料を減らすデザインに変えましたが、予定価格は前回より約40万円増えました」(運営主体の日本国際博覧会協会関係者)
■建設費は軒並み億単位で上昇
大催事場と同じ日に開札される映画監督・河瀬直美氏のテーマ館の再入札も、予定価格は約15.7億円で前回より5億円ほど上乗せした。こちらも約5割アップである。
1回目の入札が不成立だった計10施設の予定価格は約23億6000万円上乗せした大催事場を筆頭に、再入札では軒並み億単位で上昇。建設予算額は1850億円で国、大阪府市、経済界が3分の1ずつ負担する。暑さ対策の見直しなどで2020年に当初の1250億円から増額されたが、さらに膨らむのは必至だ。
それでも上振れの可能性について、万博協会は「(他の事業で予定価格より)低いものもあり、問題ない」(藁田博行・整備局長)と説明する。ダブル選を乗り切った途端に増額発表は許されないが、万博跡地のカジノに「税金を使わない」(松井前市長)との公言を覆し、約790億円を投入するなど「後出しジャンケン」が維新政治の歴史である。大阪の有権者はダマされることに慣れたらアカンよ!