天と地の間

クライミングに関する記録です。

比叡Ⅱ峰下部、整備終了

2023年04月17日 | ルート整備
比叡Ⅱ峰下部、整備完了。
日曜日、整備最後の「国民のフェース」のリボルトに行って来た。これで目標とした整備はすべて完了。
昨年は怪我などで一度も入れず、長くかかった。
Ⅱ峰下部のエリアのハンガー、ボルトは40年ほど経っても、輝いていた。しかし、ボルトを外すとアンカーはイオン化で、完全腐食の
箇所がほとんど。しかもボルトはすべて8㎜。
経験則で何とか持つだろうと、ソロで終了点まで上がって作業してきたが、怪我なく終えたことは幸いなこと。


ロープが掛かった箇所が「国民のフェース」
右の凹を上がるのが「日向(ひむか)の黒馬」
苔が年月の長さを物語る。


焼けて刃先が丸くなったビット。
花崗岩は風化しやすいが固い。
一見、相反するように思えるが、造岩鉱物の多さゆえの特性。
五穀米のおにぎりのようなもの。
花崗岩を扱う折には、ビットは最低2本は必携。

整備は開拓と違い、何の面白みも達成感もない。それでもやってきたのは、今でも十分に通用するルートが埋没したままというのがも
ったいないという思い。触ってみればその質を実感するでしょう。ここが登られていた当時は、ジムもなく、シューズもそれなりの時代。
当時の初登者、クライマーのレベルの高さも窺い知ることができるでしょう。
今回整備した「国民のフェース」は何十年と登られていないルート、よって苔が多い。
この日は、体力的に掃除は出来なかったので、取り付く際はワイヤーブラシ必携です。


ダニにたかられそうな「女は世界の奴隷か」の取り付き。


しっかりとスプレーを振りかけて、取り付きに立てる様、
「女は世界の奴隷か」の取り付きを下刈り。

今回で「整備完了」としますが、オールアンカーのルートが5本あります。何れも10㎜ステンレスです。取り付きは自己の判断で行ってく
ださい。
なお、該当のルートは以下の通り。
・「五右衛門ぐんまちゃん」先の丸太階段正面のアップルート(無名)
・「マイフレンド」マザーカンテの右
・「ハネムーン」から左の3本
(注)エリアの左端「女は世界の奴隷か」(国民のフェースの左横)は未整備。
Ⅱ峰下部の整備の主要メンバーは、私の他は陣内、兵頭(両氏ともに当時の開拓者)。
他に、伐採、階段作り等の力のいる工程時に戸高氏、その他数人の方に協力いただいた。おかげで、昔よりも格段にアプローチしやすく、
見栄えも良くなった。
皆さん、お疲れ様でした。
ルート図は近いうちに作成予定です。


「女は世界の奴隷か」の取り付き。
手の届く範囲はザっと掃除したが、生き生きとした苔が上まで続く。
日常的にクラックを伝って染み出しが伝っているようだ。


国民のフェース」と「日向(ひむか)の黒馬」がある壁。写真では
寝て見えるが、実際は結構立っている。

最後に
比叡では、今月8,9日にⅢ峰のクラックエリアが公開されました。試登会に参加しましたが九州最大級のクラックエリアです。内容も充実
しています。
おりしも、同日に新ボルダーエリアの公開イベントも行われました。
矢筈では整備、開拓も行われています。
いまや、比叡周辺はマルチ、ショートルート、ボルダー、クラック、そして冬には氷瀑と、あらゆるジャンルのクライミングを行える魅力的
なエリアとなっています。
皆さん、怪我のないよう、そして地元に迷惑のかからない範囲で楽しみましょう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 比叡Ⅱ峰下部「翼をください」... | トップ | 祖母・傾 馬蹄形縦走  1day »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ルート整備」カテゴリの最新記事