天と地の間

クライミングに関する記録です。

2018年末年始 八ヶ岳「阿弥陀北西稜、大同心大滝登攀」

2018年01月03日 | 冬山

年末年始は久しぶりに滝谷を考えていたが、体調不良、トレーニング不足を理由に今年も八ヶ岳となった。
メンバーは上野さん、古君、堤君。上野さん以外はともに冬山に入るのは初めてのメンバー。計画は、摩利支天大滝から阿弥陀岳北西稜の継続登攀である。
4人も集まるのはめったにないことだ。これだけいれば陸走も可能だろうと車で行くことにした。
12月29日、堤君の勤務明けを待って、大分を朝9時に出発。11時半に小倉で二人をピックアップ。長い陸走が始まった。
深夜の11時半、やっと今夜の素泊まり先である八ヶ岳山荘に到着。すでに明かりは消えている。他のお客さんの手前、車の中で酒を飲み、人心地着いたところで山荘に入る。
明けて7時過ぎに山荘出発。美濃戸口山荘を過ぎた辺りで、下山してくる2人パーティーをすれ違いざま見ると、なんと。かつて所属していたクラブの先輩、K藤さんだ。まさかこんなところで会おうとは。ひとしきり近況を話した後、別れたが、まだまだ現役で登っているようでなによりだ。こちらが元気をもらえる。
10時、行者小屋に到着。テントを立てて、摩利支天大滝の偵察に行くことにした。途中、阿弥陀岳北西稜から引き返してきたというパーティーに出会った。聞くと、ラッセルがひどくて時間がかかり引き返りたとのこと。摩利支天大滝も左右がつながってなかったという。
状況は良くないことばかりだが、行って見ての判断だ。
摩利支天大滝が見えるところまで行くと、確かに中央部分しかつながっていない。まだ発達していない。

つながっているのは真ん中のみ。しかも状態はよろしくない。


その中央部分でも登られればいいのだが。
直下に行って見上げると、状態が悪い。左右には水も流れ落ちている。
登れなくもなさそうだが、ここで時間を取られればその上の北西稜の継続が難しくなる。そう判断して、明日は北西稜を下部からつめること決め、北西稜の取付きへと偵察に向かった。
末端からトレースがついている。途中で出会ったパーティーが付けたものだろう。10分ほど上がって、問題はないだろうと引き返す。
行者小屋に帰るとまだたんまりと時間がある。当然、飲むしかない。

行者小屋ベースにて

 

31日、4時に起きる予定が4時45分に。継続を止めたとあって、緩んだようだ。
7時前に出発。ロープを出すところまで来ると先行2人パーティーが見えた。


追いついたところで話を聞くと、福岡から来たとのこと。ありがたいことに譲ってくれた。
11時、登攀終了。

 

阿弥陀岳ピークにて

1日、撤収して、大同心大滝に行くことにした。
赤岳鉱泉にデポして、沢をつめること25分。基部に到着。標高が高いだけにここは繋がっている。
不思議なことに、これだけのスケールにもかかわらず先行者はいない。幸運だ。

下部をリードする堤君


2段目から始まるメインの部分は傾斜が強く。意外に手ごわい。シーズン初のアイスとあって、動きがぎこちないのが分かる。
加えて、今回は登攀をメインにすえてセミタッチの横歯できた。やはり、縦歯と勝手が違う。 スクリューを2本セットして2mほど上ったところで不覚にもフォールした。スクリューは止めてくれた。怪我もない。落ちた悔しさよりも無事に落ちたことにほっとする。 アルパインクライミングは落ちないのが基本。今回のフォールでセッティング技術とギアの確かさを再確認したのは良い 経験にはなった。 フリーで越えたかったが一度フォールすると、テンションを入れることに躊躇がなくなる。休み休みで上部へ抜けて、二人が上がってくるのを待つ。

上部をリードする私。今期初の氷。必要以上に力がはいる。

 

終了点まじかの堤君。

 

上り終える頃、4人パーティーが上ってきた。いいタイミングだ。 左上部に小さく見えるのが後続パーティー

 

懸垂するk賀君


赤岳鉱泉名物のアイスキャンデーと大同心心をバックに撮影。今後が楽しみな2人だ。

今回は2日のみの行程であったが、ドライツール、アイスと2日なりに楽しめた。
八ヶ岳は入りやすい。通年小屋も多い。人も。逆に言えば、緊張感が落ちる。
しかし、冬期登攀からアイスクライミングまで手軽に楽しめる。もう、体力も落ちてきた昨今、機会があれば、また訪れるだろう。

 


 


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