ゆっくりながら少しずつジョグを再開した。左膝の違和感は軽いジョグでもほぼ常にあるけれど、今のところそれ以上悪化することなく1か月乗り切ることができた。
■ ヒールストライクとフラット走法(=ミッドフット走法)
長距離ランナー、特にマラソンの足の置き方といえば、少し前まではヒールストライクが最も理にかなっていて走りやすいというのが一般的だった。小出監督などもそう言っていた。
ヒールストライク、つまり踵が最初に地面に付く走り方は、ランニングシューズの進化によって可能になった走法である。足袋や裸足では踵が壊れてしまう。踵から着地すれば、足を大きく広げなくても、高く跳ばなくても、より大きなストライドが可能で効率がいい。
ただ、ソールがあると言っても何万回もの着地に踵が完全に守られているかと私などは疑っている。そして、何よりもできるだけ自然な形で--ウエアだ時計だ、サプリだ何だとほかにも色々科学の力を利用しているのに今更と言われるかもしれないが--走りたいという気持ちから、走り始めから「
フラット走法」を目指してきた。
そう、ドラマ「陸王」で、竹内涼真扮する茂木が故障しにくいフォームとして取り組んで、なんだか有名になった「
ミッドフット走法」と基本的には同じである。
逆に言えばミッドフット走法だから足袋でも走れる。「Born to Run」で有名になったメキシコのララムリが古タイヤで作った薄くて平板なサンダルで走れるのも同じ事だ。
■ ローリング走法でフォーム改善に取り組む
前置きが長くなったけど、
フラット走法を目指していた私だったが、写真を見ていて、故障前はフラットではなく
フォアフットで走っていたことに気づいた。これはもちろん短距離走向きの走り方であり、長距離ランナーでも高速ランナー--たとえば10000m、マラソンのメダリストであるゲーレン・ラップは踵をつかずに走ると言われている。実際、何年か前の千葉国際駅伝のレースをテレビで注意深く見ていたが本当だった。ちなみにラップは大迫傑が所属するナイキ・オレゴン・プロジェクトの同僚だ。
しかしまあ、コレはどう見ても短距離だから故障なしで走れるのだと思う。複雑な構造の前足部だけに力が加わるわけで、故障が起きて不思議ではない。
私のこのところの故障の原因がすべてフォアフットになっていた走法にある、とは思わないけど、一因ではあったと思う。
で、今はスピードも出せない(出ない)ことだし、フォームを十分意識しながら走っている。その際役に立っているのがラン×スマで谷川真理さんが解説していた「
ローリング走法」だ。細かいことはともかく、「みぞおちから脚が生えてる意識で」というのが頭に残っていて、やってみると、どうやっても「みぞおちから」というのは無理なのだけれど、そう思ってると辛うじてへそ下の「丹田」当たりから脚が生えてる意識で走ることが可能で、大いに役立っている。そうすると骨盤の動きがよくなる。