MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

本とラン

2018-08-05 | 走らずに考えたこと
本とラン。近況。

 本---とりわけ文学作品や文芸書---を読む時間がめっきり減って久しい。いろんな理由が複雑に絡まっていて、簡単にその理由を語るのは難しい。
 ランの方は、7月に入って週に1,2度、5,6kmしか走れない日が続いたいたのが、先週少し涼しかった(といっても夜でも30℃前後ではあったが)せいもあり今年初めて5日連続で走り、距離もノンストップで12kmまで伸びた。

久しぶりのブックオフ

 この週末数ヶ月ぶりにブックオフを覗いた。塩沼亮潤さんの本があったら欲しいと思ってはいたが、それほど強い思いがあったわけでもなく、いつものように、CDのコーナーから見て本の棚もほぼすべてさらっていった。

 そんな風に見てると何冊か欲しい本は必ず見つかる。108円より高い本は余程のことがない限り買わない。今回買った唯一それに当たるのは大型本の「波の絵、波の話」(稲越公功一・村上春樹)だ。やはり写真集は大きな本がいい。1984年出版。34年もたったのか。村上春樹は世界的大作家になってしまったが、この頃のエッセイはとてもいい。若くて、成功を手にしたものの、創作上も大きな悩みはまだ彼に覆い被さってはいなかった(ような気がする)、人生における一瞬の休息。輝かしい青春の季節。村上もまだ35歳ほどだった。やりたいことをやっていれば良かった(たぶん)。
 読んでいるこちらも、ずいぶんな時を経たにもかかわらず幸せな気分になる。
波の絵、波の話
稲越 功一
文藝春秋


 大型本をもう一冊買った。「クジラが見る夢」。著者は池澤夏樹ジャック・マイヨールを追いかけた写真集でもある。こちらは1994年の出版。奇しくも「波の絵、波の話」から10年の時を隔てている。私も一時ジャック・マイヨールに夢中だった。私の腕時計には彼の名が刻まれている。ただ、これも文庫本をおそらく持っている気がする。
クジラが見る夢 (impala e-books)
高砂淳二,垂見健吾
株式会社ボイジャー


 前置きが長くなった。今回書こうとしている「本」はこのとき購入した10冊余りの本とは直接関係ない。ただ、ブックオフで本を買ったという行為が呼び水になったのは間違いないと思う。ここに上げた以外の本たち。

三田誠広「父親が教えるツルカメ算」
父親が教えるツルカメ算 (新潮新書)
三田 誠広
新潮社

・三田誠広は昔は好きな作家でずいぶん読んだ。こういう小説や文芸以外の本も沢山書いていて、しぶとく生き抜く作家の生き方のある種の典型を示しているようにも思える。

遠藤周作「人生には何ひとつ無駄なものはない」
人生には何ひとつ無駄なものはない (朝日文庫)
鈴木 秀子
朝日新聞社

・私の親友が遠藤周作のことをよく話していた。キリスト教徒でもないしなぜなのかはわからない。当時の偉大な作家の一人だったからだろう。

黒田恭一「オペラへの招待」
オペラへの招待 (朝日文庫)
黒田 恭一
朝日新聞

・家に戻ってからよく見たら、間違いなく以前にも買っていたと確信した。ただ、どこにあるかはわからない。オペラを楽しめるような深い教養を身につけられたら人生は深みを増すだろうと思っていた。吉田秀和先生のように。だが、私にはいささか難しい挑戦だった。。でもまだあきらめていないのでこういう本に手を出してしまう。

柴田元幸編訳「夜の姉妹団」
夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)
柴田 元幸
朝日新聞社

・これもひょっとしたら持ってるかもしれない。装丁が違う気がするが。あるいは単行本だったか? 柴田元幸にも一時入れ込んでいた。いつの間にか冷めてしまったけど。彼の翻訳する小説はどれも素晴らしい気がしていたが、ちゃんと読み切ったものは意外と少なかった。

シェイクスピア(小田島雄治志訳)「ヴェローナの二紳士」
ヴェローナの二紳士 (白水Uブックス (8))
小田島 雄志
白水社

・小田島訳のシェイクスピア。108円ならどれだって何だって買うべきだ。題名さえよく知らなかったが、なってったってシェイクスピアなのである。

ダーウィン「人類の起源」(世界の名著39)
世界の名著 39 ダーウィン (中公バックス)
池田 次郎,伊谷 純一
中央公論新社

・ダーウィンといえば誰もが思い浮かべるのは「種の起源」であって「人類の起源」なんて本があることも知らなかった。挟み込まれた小冊子に、「だからあえて」この本をこの全集に入れたというやりとりが書かれていて面白いと思った。ほかになかなかないんじゃないかと思って買ってみることにした。楽しみ。

古事記(完訳 日本の古典1)
日本の古典―完訳〈1〉古事記
荻原 浅男
小学館

・これはかなりの衝動買い。古事記ももちろんなにがしかもっているのは間違いない。梅原先生の訳は古事記だったか日本書紀だったか?岩波文庫もあると思うが、なかなか読めないままになっている。読みやすそうな文章・構成なので購入。価格シールをはがすときに、こいつは200円だったと気づいた。

そして
ドストエフスキー(原卓也訳)「カラマーゾフの兄弟」(新潮世界文学15)
新潮世界文学 (15) ドストエフスキー (6)カラマーゾフの兄弟
原 卓也
新潮社

・もちろん持っている。1度しか読んでいないけど。その後何度か読み始め、あるいは途中を読んだりとしてきている。「新潮世界文学」は我々の学生時代、おそらく多くの文学青年にとって欲しくて仕方ないあこがれの本だった(はずだ)。何冊か持っているが値段も高くてそう簡単には買えなかった。
 それが108円。ありえない。買うしかない。そしてコレは何かの縁に違いないと思い込み、何十年ぶりかで読み通してみようと思う。

ほかに
川越学「誰でも4時間を切れる!効率的マラソンメソッド」
誰でも4時間を切れる! 効率的マラソンメソッド (Ikeda sports library)
川越 学
池田書店

・以前は(今も?)どこの大会でもTシャツをよく見かけたセカンドウインドACの設立者。日本代表クラスの女子ランナーを何人も育てている。ただ、なかなか1位は取れない印象。その理由はよくわからないが市民も対象にしているクラブ組織と言うところに限界や目標の違いがあるのかもしれない。真鍋さんの師匠でもある。

真鍋未央「週1回のランニングでマラソンは完走できる!」
週1回のランニングでマラソンは完走できる! (Ikeda sports library)
真鍋未央
池田書店

・今でも美しいけど、10年前私が走り始めた頃は圧倒的に日本一美しい長距離ランナー(選手)だった(と確信している)。

本とラン、両方やりたい

 と、書き継ぎながらここまで書いてきたけど、よくあるように、一番書きたかったことがなんだったかぼんやりしてしまった。

 大まかに言うと、本を読む時間を確保するためには走る時間を削らざるを得ない、ということ。そして、あれだけ本を読み、そして何より本を書きながら、並行してずっと走ることを続けている村上春樹はすごいな、と思った。

 走ることは難しくはないけれど、10km以上走るつもりなら、走る前にも、走った後にもそれなりにやることがあり、それなりの時間を費やすことになる。今はどうだか知らないが、村上春樹はほぼ毎日10km走ってたはずだ。今年のような尋常出ない暑さの中を10kmも走ると身体の消耗も半端ない。ましてもう若くもない(さほど年取ったとも思ってないんだけど)。20代はもちろん30代、40代とも(残念ながら)体力差は歴然としており回復力に至っては比べるべくもない。

 このところ、久しぶりにふつふつと湧きだしてきた「本」への意欲というものをなんとかすくい上げながら、走ることも続けるためにどんな工夫が必要か頭を働かせなくてはならない。
 そういうことも走るための楽しみである、いや、楽しもうと思う。楽しければ頑張れるものだから。言葉にすると「頑張る」となるけれど、そういうときは「頑張ってる」という意識はあまりないものだ。「ゾーンに入る」感覚とはそういうものだろう。集中して仕事がはかどるというのも同じようなことだろう。

 ゴルフのイップスなんかがよく知られた例だが「意識」がパフォーマンスを低下させるのは明らかだ。意識しないためにはリラックスが必要だし、どんなことでもリラックスして「平常心」でいられるかどうかが最大のパフォーマンスを引き出すことは身にしみている。
 
 ところで、ここに書いたことは、最初にここに書こうとしたことの1つではあるけれど、やはり核心ではない気がする。このようにして、一番大事なもの、つかみ取ったかと思った真理は掌からいつも逃げてゆく

 
コメント
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