MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

猫ちゃんのカンボジア代表について

2016-08-24 | レース観戦・応援
【NHKリオ】完走だニャー!レース後も盛り上げた! 猫ひろし(クニアキ・タキザキ)選手 男子マラソン


 猫ひろしの139位でのゴールは、正直に言うとLIVEでは見ていなかった。実力から言って、完走、もしくは自己ベスト以外に目標設定しようもないし、後はカンボジア代表として走る以上カンボジア国民が恥ずかしいと思わないような走りをしてもらいたい、と思っていた。そして、全体がスロースタートで始まったが、スタート直後からすでに一人遅れていた。

 私は彼の芸は面白いと思ったことはほぼないが、ブログなどの言葉や題材を選ぶセンスには感心していて、楽しく読ませてもらっていた(最近はあまり見てなかったけど)。私が出るようなマラソン大会でゲストとして参加されていて、何度も出会って元気をもらったりもした。市民ランナーとしては日本でも相当速いレベルに違いなく、始めた時期や今の37歳という年齢を考えれば、普通の市民ランナーではとうていできない練習を重ねたことは容易に想像できる。まじめな努力家。そういう意味で敬意を払ってもいる。

 本人が国籍を変更してまでカンボジアの代表になってオリンピックに出たいと意思表示し、カンボジア国民(のどれくらいの数かはわからないが)あるいはその代表であろうカンボジア陸連が代表に選んだのだから、端からそのことについてどうこういう意味はない。実際、カンボジア代表として、子供たちにランニング用品を贈ったり、大会にも積極的に参加して盛り上げたり、その立場にふさわしい活動を何年も続けてきたと聞く。

 そうした前提ではあるけど、今回猫ちゃんの139位でのゴールという結果について改めて感じてしまったことがあった。オリンピックのマラソン代表は、標準記録(2時間17分)に達していなくても(猫ひろしのベストは2時間27分)、1国から1人は参加資格を得られるわけだ。その意味は何かと言えば、「カンボジア人にもマラソン競技に参加する権利があるよ」ということだと思う。「記録がまだまだ遅いけど参加してこれから練習して、いつか標準記録を突破してよ」ってことではないか。「記録は遅いけどカンボジア人が1人だけ走っていいよ」という権利を、日本人が国籍変更して走っているというのは、やっぱりあんまり好ましいこととは思えなかった。たとえ、どんなにカンボジアマラソン界に貢献していようとも。カンボジアマラソン界への貢献が目的なら、猫ひろしは、自分が出場するのではなく、彼がサポートしたカンボジア人に出場してもらうべきだ。

 まあでも、カンボジア人の権利はカンボジア人のものだから、国民が猫ひろしのオリンピック参加に賛成ならもちろん問題はない。カンボジアにはカンボジアの事情や戦略があるのだろう。
 ゴール後ユニフォームのカンボジア国旗やロゴを指して持ち前の芸人魂で会場を盛り上げていた。カンボジアという国や人々への感謝の表現だったろうし、実際、カンボジアの名を世界にアピールしたことは間違いない。
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リオ・オリンピック男子マラソン、日本あまりにも予想通りの結果。

2016-08-23 | レース観戦・応援
 リオ・オリンピックが無事終了した。細かなところは(そしてそれは当事者にはつらいことだったに違いないから軽々には良かったなんて言えないけど)ともかく、テロや殺人事件なんてのもなく、全体としてはとてもうまく進行しフィナーレを迎えた。情熱的で、はつらつとして、多少はしゃぎすぎの感もあったけど、南米の開放的な雰囲気からか選手たちも生き生きとプレーしていたように見えた。北半球にはない素晴らしさを感じた。
 日本は連日のメダルラッシュで、日本初とか五輪史上初とか、何十年ぶりとか、連覇とか内容的にも充実した大会だった。選手・関係者の皆さんお疲れ様でした。

置いてきぼりを食らったマラソン界

 そんな中、日本のマラソンチームは男女ともに(あまり使いたくない言葉だが)惨敗だった。誰がどう見ても。もちろん、選手たちはスタートまでできる限りの練習とコンディショニングを積んだであろうことはまったく疑っていない。にもかかわらずこの結果。ほぼ予想通りのこの結果は何だったのか?

 問題は間違いなく「選考前」にあるし、「選考方法」にもあると私は思う。

■ 選考前

 今回マラソンで画期的な結果を残したと思ったのがアメリカだ。もう10年以上(ロスオリンピック以来)ぱっとした成績はなかったと思う。男子ではフランク・ショーターまでさかのぼらないと名前が浮かばない。女子ではディナ・カスターが頑張ってたけど、今はどうしているかな?
今回もノーチェックだったが、男子ではまさかのゲーレン・ラップの参戦があり、銅メダルを獲得。マラソンは選考レースを1本走っただけらしい。だからベストタイムもこのときの2:11:13。いくら1万メートルが速くても誰もマークはしてなかったろう。ただ、彼のコーチはあのサラザールだったはずで、マラソンに出てくるからにはそれなりの勝算があったのもかもしれない。ジェリード・ワード選手も6着(2:11:30)に入賞している。一発勝負の選考レースでは2:13:00の3位だった。
 ちなみに場所はロサンジェルス。2月14日朝10時過ぎのスタート。この時期のロスは日中20℃くらいになる日本の春くらいの気持ちよく走れる気候らしい。それで、このタイムということは日本のトップ選手より実力は下とみる。少なくとも太刀打ちできないタイムではない。

 にもかかわらず、五輪ではこの結果。一つはよく言われるように、日本選手はスピード変化への対応ができないということだろう。それは、そうした展開のレース経験が少ない。つまり、自分で考えてレースをマネジメントする能力が養われていないということだと思う。たとえば、ラップは5000m、10000mでは大迫でもとうてい太刀打ちできないレベルにある。彼のレベルのレースでは常に激しいスピード変化にさらされており、その経験はマラソンでの揺さぶりにも生きたに違いない。昨今のマラソンレースの展開からすると、平坦なコースでペースメーカーがついてラスト10km、20kmだけの勝負でタイムが良くても、レースでは勝てない。昔とは違うのだ。

 日本も、まずは10000mで世界のファイナリストになれるようなスピードランナーを育てないとマラソンでのメダルは難しい。高岡だって元々長距離のトップ選手だった。残念ながら日本には今そういうランナーは1人もいない。最も可能性がある大迫はトラックで勝負すると言っていてマラソンには興味がないらしい。

■ 選考方法

 オリンピックのマラソンが「夏の暑い時期に行われる」こと、「ペースメーカーがいない」ことは周知の事実なのに、なぜ「夏のマラソン・ペースメーカーなし」の大会結果で選考しないのか不思議で仕方がない。
 どんな好環境でも2時間9分台で走るのは簡単ではないから、9分台と言うだけで評価されるのもわからなくはない。でも絶好の環境下なら世界と戦うには2時間4分台が少なくとも必要だ。日本には今6分台もいない。日本で認められるために選手はまず9分台を目指すのだろう。だから、9分台が出やすいレースに出るに違いない。そのレースはおそらく冬の寒い時期に行われ、ペースメーカーが20km、30km記録会のようにイーブンペースで引っ張ってくれる。でも、本当に必要なのは、強豪が集まるような大会でのレース経験だったり、計画的に打ち込める練習環境だったり(もちろん社会人ランナーには所属会社選手として相応の義務が生じるのはやむを得ない)するのではないか。
 現在夏のメジャーなマラソンは国内では8月の北海道マラソンくらいしかない。陸連は夏マラソンをもっと多く開催するべきだ。そして、選考レースには冬マラソンではなく夏マラソンを選ぶべきで、しかも、ペースメーカーはつけずに行うべきだろう。選考レースを複数にするのはスポンサーなどの関係からやむを得ないのだろうけど、夏マラソンと冬マラソンの結果を並べてタイムが速いとか言う感覚は我々アマチュアランナーからしても感覚がおかしいとしか思えない

 閉会式でも、男子マラソンだけが表彰式が組み込まれ、夏のオリンピックの競技の中でも特別なポジションを与えられていることを改めて感じた。オリンピック全体を象徴する競技がマラソンなのだ。近代オリンピックから始まった「新」種目にもかかわらずなぜそうなったのかは
知らない。ただ、名前の由来とされる紀元前450年のマラトンの戦いの故事の通り、走りきった伝令が死んでしまうほどの過酷さ、文字通り命がけの競技(少なくとも昔は)であるとの認識がそうさせたのかもしれない。事実、以前は過酷さ故に「女子には無理」とされていたくらいなのだ。
 東京オリンピックでは、少なくとも終盤まで優勝の期待をつなげるランナーが出てきてほしいものだ。
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リオ・オリンピック、男子400mリレー銀メダル! ここまでで一番感動した。燃えた

2016-08-20 | ランニング以外のスポーツ
【NHKリオ 8/20昼パック】400mリレーで銀メダル 歴史的な快挙!


 土曜の朝の陸上男子400mリレー決勝。燃えたなあ。銅メダルの可能性は想定してたけど、まさか銀メダルとは! 銀メダルってことはボルト、ブレイク擁するジャマイカか、ガトリン率いる陸上王国、いやスポーツ大国であるアメリカのどちらかに勝たなくてはならないわけだから。バトン落として失格にでもならない限りありえない。アメリカは結局失格になったし、どうやらバトンのルール違反のようだが、レースを見てる限り内容でも負けていなかったと思う。
 山県亮太、飯塚翔太、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥。4人ともそれぞれの持ち味と役割をきっちり果たした。ロケットスタートの山県はこのレースでも1走を完璧にスタートさせた1。2走飯塚は唯一200mを主戦とするが、大きく落とさずに頑張った。3走桐生。解説の方も言ってたけど、ノープレッシャーで桐を走らせたらこのスピードだ。恐ろしく速かった。そしてアンカーのケンブリッジ。ボルトの隣、100m銀メダルのドグラスなど、100m9秒台の凄いメンバーを物ともせず、得意の後半の伸びのある走りを最初からやってくれた。並ばれそうになったが一歩も引かず走りきった。途中一瞬ボルトに並んだかにも見えた。リレーってのは、このバトン技術と高いチームワークはまさに日本にしかできないレベルの高さだと思った。ボルトもびっくりしてたらしいけど。そりゃそうだ、100mのファイナリストが1人もいない(二人は準決にも進めなかった)のに、オリンピックの決勝で9秒台が何人もいる国に勝ってしまうのだから。魔法みたいに思ったに違いない。
 素晴らしかった。想定外だった。37秒60。日本新でアジア新。2008年北京の銅も感動したけど、あのときとは内容もメダルの価値も数段高いレベルの2着だ。4人ともおめでとうございます。この大会を通して、あえて言うなら日本がこの五輪で成し遂げた最も困難なことといってもいいと思う。何てったって、国別対抗レースではオリンピックの最高の華である種目での銀メダルなのだから。
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上原美幸、覚えておかなきゃ。リオ五輪女子5000m予選1組。

2016-08-16 | レース観戦・応援
【NHKリオ】安心してください 決勝進出ですよ!上原美幸 陸上女子5000m予選


 女子の長距離に面白い子が出てきた。上原美幸。2組を走った尾西、鈴木亜由子に比べたらあまり聞き覚えもない名前だ。
 ところが何の、出だしから前に出てあっという間に50m以上後続を離して3000m以上独走した。こういうパターンだと集団に吸収されて、あっという間に置き去りにされるのが普通なのだが、彼女は違った。先頭集団について、決勝に残れる5着、だめでもタイムで5番以内に入って決勝に残るんだという強い意欲を感じた。引き離されそうになっても、我慢して大きなストライドでの走りを続けた。
 最後まで粘って粘って、最後の直線でも1人抜いて7位でゴール。自己ベストに迫るタイムだそうだ。
 解説の増田明美さんの例のごとき細かな取材情報の中に、「東京オリンピックでマラソンでメダルを取ると言っていました」という話があって、これは応援しないわけに行かない。
 近年、元気のいい若い有望な女子選手が長距離にも何人もいたけれど、よく理由もわからないまま引退してしまったり、後でレースに復帰したと思ったら病気や怪我などで走れなかったのだということも多くて残念な話が多かった。彼女にはそんなふうにならないように周りもしっかりサポートしてあげて欲しいと強く思った。

 タイムで拾われ、ただ一人2日後の決勝に進出した。決勝は2組を圧勝した1万メートルの金メダリスト、エチオピアのアヤナと走ることになる。ここでもぜひ先頭を切って走ってもらいたい。できるだけ長く。

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シェリー=アン・フレーザー=プライスのピッチ

2016-08-14 | 走らずに考えたこと
 陸上女子100m史上初のオリンピック三連覇に臨んだシェリー=アン・フレーザー=プライスだったけど、まさかの3位に終わった。とはいえ同じジャマイカのエレン・トンプソンが金メダルだったし、ほかの選手たちともレース後にこやかに健闘をたたえ合う姿が印象的だった。

 今回改めて彼女の走りを見て驚いたのはそのピッチのものすごい速さだった。何のデータも持ち合わせていないのでどれほどのピッチなのか具体的な数値はわからないが、一例としてこんな研究を見つけた。

スプリント走におけるピッチとストライドに関係する要因 (筑波大学 陸上競技研究室)

 シェリー=アンの身長は152cmしかないのでこの表に当てはまる数値はないが、彼女のベストタイムは10秒70なので身長160cmで見ると1秒間に5.24。これを1分間に換算すると314.4となる! 短距離と長距離とは全く別の競技で単純な比較に意味がないとしても、Qちゃんのピッチが210/分前後でおそらく(少なくとも女子では)トップクラスのピッチ数だったはずで、314は想像もつかない速さにはちがいない。しかも、152cmという身長から考えればさらに高いピッチであることは間違いない。
 体幹の強さもすごい。あのスピードで走りながら、起き上がって以降は身体の高さ・姿勢・向き、どれもほとんど動いていないように見える(逆に言えばだからこそ速いということだけど)。ほかの選手とは全く違う走り。ウサイン・ボルトと同じように。

 今度時間があるときに、思い出すような幸運があれば、スタートからゴールまでの映像をスロー再生してピッチを数えてみようと思う。

【2016リオ・オリンピック】女子100m決勝 E.トンプソン 10.71 初優勝!!
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