
日本が予選リーグで早々に敗れ、「だからもうワールドカップに興味がない」というわけではないが、現実的な反応として、日本がいないワールドカップは、日本人にとって、あるいはわたしにとって、日本がいたワールドカップとは決定的に変質してしまっている。どうしようもない。
メッシやネイマールやロドリゲスのプレーを始め、たとえば今日のギリシャ-コスタリカ戦の激闘だって面白いと思うし、それなりに熱くなるけれど、日本戦とは受容の仕方が異なるのはやむを得ない。
それはナショナリストかどうかと関係はゼロではないかもしれないが、つまりは彼らをよく知っているとか、何がしかのつながりがあるとか、そういうたぐいの問題なのだろう。メッシと親友だったり、ロドリゲスの恋人だったりすれば(彼にはすでに美人の奥さんがいるそうだが)、やはり熱く応援するにちがいない。

今年の錦織の試合を、(さすがに録画を飛ばしながらだが)それなりにしっかりと見ている。1,2回戦はまったく危なげがなかった。完全に試合をコントロールし、必要な場面ではペースアップするだけで簡単に勝利をモノにした。
右足首に黒いサポーターをつけてプレーしているが、身体の調子は良さそうだ。ここまで3セットで決着させていることも体力的にはかなり大きい。
3回戦は日没サスペンデッド。伊達さんの嫌な思い出がよみがえる。相手は故障で132位まで落ちているが、最高位36位まで上がった経験もあるイタリアのシモーネ・ボレリ。しかも別の選手が棄権したため?繰り上がりで出てきたラッキーボーイらしい。
元々男子選手の場合は、100位の選手とトップ選手の差など本当に細かなコントロールの力だとか、決定的な場面での集中\力や気持ちの強さ、冷静さなどにすぎない(と思う)。だから逆に言えばほんの少しの何かで結果も大きく変わってしまうことはある。彼には失うものがない。ノープレッシャー。
だが錦織は違う。そしてこの試合(雨天中断などがあり途中までしか録画されてなかった)常に先手を取られながらも、セットカウント2-2に追いついて第5セット第4ゲーム、3-3でサスペンデッドになったようだ。翌日は大会休養日(!)で本日これから続きがある!
これは見逃すわけにはいかない。
ここを抜ければ、ベスト8を賭けて、第8シードのカナダのラオニッチ(残念ながら知らない)と闘うことが決まっている。準々決勝はナダルが相手だろう。
そのナダルが2年前に敗れたロソルと戦った2回戦を見たけど、今回も薄氷の勝利だった。第2セットのタイブレークを落としていたら--落としそうな場面は何度もあった--負けていたかもしれない。しかし、ナダルほどあきらめの悪い男はいない。筋がねどころか筋ダイヤ入りのハートを持っている。相手が強いほど面白いけど、そうじゃなくてもナダルの試合は、いつ、どんな相手だろうが見る価値がある。いつも見るものを熱くさせる。テクニックだけならフェデラーのほうが多彩だし美しいし正確だろうが(その点ではフェデラーはテニス史上最高の選手じゃないかと思う)、ナダルは「そんなのカンケエねえ」。しかしフェデラーとは違う強さ、美しさをやはりそのプレー自体に感じるし、コートでの振る舞いにはナダルという人間の謙虚さ、やさしさが伝わってくる。
このところ錦織はナダルと相性がいい。この3回戦第5セットをなんとかモノにしてナダルとの好勝負がみたいし、できたらなんとか破って準決勝に駒を進めてほしい。準決勝の相手はスイス勢、フェデラーかワウリンカのどちらかだろう。

錦織、勝ちました! ベスト16。故障とかしてないだろうな。頼むぜ!
※昨年のウインブルドンについてのブログ(昨年も似たようなことを書いていた。ただし、波乱はあまりなし。セリーナが早々に負けたくらいか)
錦織にチャンス? 波乱続きのウィンブルドン2013■今年もウインブルドンが始まった 日本勢は総じて調子がよさそうだ。 まずは何と言っても錦織圭。シードとはいえ、緊張感のある1回戦を楽に突破したのは大きい。伊達さんも簡単に2回...