水無月の水色匂ふ
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アガパンサスは、初夏から夏を彩る清涼感のある花。スラーッと伸びた花茎の先に淡紫、青紫、白の花をつけます。
ムラサキ君子蘭ともよばれる、南アフリカ原産のユリ科の植物です。ギリシャ語では「愛の花」の意も。
数年前に友人からもらった株は毎年五、六本の花をつけます。百本も植わっていたという友人の庭は、今は駐車場になりました。いまごろの季節に手紙を書くと、マンション暮らしの友人から、「子供の、元気な消息を聞くようで嬉しい」と返事がきました。
今ではすっかりベランダの住人となった花。鉢いっぱいに殖えて盛り上がり、ついにはその根で、プラスチックの鉢を割ってしまいました。
すごいですね、生長のパワー。やっと株分けをして、植え替えました。
街のあちこちで、スックと天を指していた花茎のとんがり坊主が弾けだしました。
つぼみの苞が”さあ、弾けるぞ”というときの、淡いベージュに黄緑と紫をさっと刷いたような、あの淡い淡い色相も好きです。