M子さん、ことしもナニワイバラが咲きましたよ。
アーチにそってひらひらの白いドレスがせいぞろいです。あなたが見たときよりは、まだ花数は少な目ですが、お好きだったあの白い薔薇です。
今月半ばの枕草子教室の日には、ランチの時に F さんが、
「ほら、これ、M子さんの」
と言って、ナニワイバラのシールを見せてくれました。
M子さんから、シールをもらった人が、何人もいました。私も、
残りわずかですが、残してあります。
「さくら公園へ、ナニワイバラを見にいったのよね。あのときは、タイミングを合わせたように満開で、きれいだったわね」
感動した美しい物は、みんなにお福分けしてくれました。
北欧紅茶、コンサート、ポストカードやたくさんの思い出。
病院にお見舞いに行くと、先生の著書を枕元において、
「私、清川教室の生徒で、本当に良かったと思うの」
と言って、ことばに迷う私たちを、かえって励ましました。
あなたが旅立ってしまっても、仲間の集まりには、いつも出席でしたね。
いつも、そっとあなたの写真を忍ばせて来てくれる友がいます。
先生の「枕」の講義で、「ありがたきもの」(めったにない・希有のもの)の段で、
・・・女どちも・・・末まで仲よきこと、かたし。
=女同士も長く仲よくと約束していても、その通り
終わりまで仲のよいことは、めったにない=
を学びましたが、あなたのおかげで、私たちは、
「ありがたきもの」を今も持っているような気がします。