ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

エッセー ~紅葉とおしるこ~

2016-11-19 | 日記
去年のちょうど今頃でした。母を連れて福島市郊外にある日本庭園「浄楽園」に行きました。夕方でした。園内の紅葉はそろそろ終わりで、肌寒い時期でした。
母の思いを感じてみたくなり、先日夕方、「浄楽園」に行ってみました。昨年と同じように園内にはモミジなどが色づいていました。











茶屋には石油ストーブがたかれていました。その暖かさを求めて中に入りました。

去年は母に「何か食べるかい」と聞くと、おしるこがいいというので、それを注文したことを思い出しました。ちょっと体が冷えたこともあって、甘いものが大好きな母は温かいおしるこがほしかったのでしょう。紅葉はすっかり忘れて、おしるこをうまそうに食べていました。

その時つくった川柳が、「紅葉より母おしるこに舌鼓」。ちょっと説明調の句になってしまいましたがー。

私もおしるこを注文し、小さな餠をほうばり、あつあつの汁をすすってみました。冷え込む夕方に甘いもの。これはうまい。
今、母はベッドに寝た切り、食事は全介助、しかも流動食。もし目の前におしるこがあったら食べたがることでしょう。
生きることの基本は歩くこと、そして箸やスプーンで自分の口で食べること。つくつくそう思います。これができなくなると、あっというまに足は細ります。生きる意欲も失われてきます。

おいしいよといっては母の口にスプーンを入れるのですが、気に入らなくなると、口を膨らませて拒否。
栄養は大事です。時にはグルメといって、高級なものを味わうこともいいでしょう。でも、好きなものを好きなように食べる喜び。それは何にも代えがたい幸せなのだと思うのです。

「浄楽園」のすぐ近くにあづま運動公園があります。その一角に4百米くらいでしょうか、黄色く色づいた銀杏並木が見事なんです。神宮外苑の絵画館前の銀杏並木は有名ですが、福島の銀杏並木もこれに負けず劣らずたいしたものだと思うんですがー。あまり知られていないのが残念です。









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