中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

消費期限・賞味期限

2007-01-19 09:17:27 | 身辺雑記
 創業100年の老舗の洋菓子メーカーが、消費期限が1日過ぎた牛乳をシュークリームの材料に使ったということで騒ぎになっている。いったん事が表に出るとその後も使用期限を過ぎた材料を使ったとか、ある製品では規定の100倍かの細菌が検出されたとか、工場内に大量のネズミがいたとか、12年前に起こった製品による食中毒発生の事実を隠蔽していたとか、次から次へといい加減な企業体質が明るみになってきた。この企業は潰れるのではないかとまで言われているようだ。今の世の中はいったん企業の不祥事が明るみに出るとマスコミを中心に激しい「水に落ちた犬叩き」が行われ、時には倒産の危機にまで追いやられることもある。この企業もそれを恐れて、事実が分っていたのに隠蔽するという姑息なことして、その企業倫理の乏しさが非難をさらに増大させる結果になった。自業自得と言うものだろう。

 小さな店で商売をしているある卒業生は、かねがね今の大企業には企業倫理を重視するという姿勢が乏しく金儲けばかりを考えていると言っているが、いっこうに景気のよさが実感されないで、日々ささやかな商いをしている者の言うことは、当たらずとも遠からずではないかという気はする。

 それにしても一流の食品のメーカーが材料の使用期限について鈍感だったと言うことは理解に苦しむ。このメーカーの責任者は、ベテランの職人が匂いと味で材料の品質を判断していたからと言い訳のような説明をしていたが、そのような前近代的な方法を続けていたことの反省が乏しい。私は独居生活だから買った食品が余ってしまうことはよくある。そのような時には、期限切れの牛乳などは嗅いだり味見をし、卵などは割ってみて形を確かめてから使っているが、そんなことを企業でやっていたのかと思うと、笑い事ではないのだろうが滑稽な感じもした。私の場合にはそれで体調を崩してもどこにも文句を持って行けず、それ見たことかと言われるのが落ちだが、企業には社会責任というものがある。その意識が鈍感になっているのだろう。食品メーカーに限らず他の企業も他山の石として自戒を怠らないことだ。

 最近の消費者、とりわけ若い人たちは、消費期限はもちろん賞味期限にも敏感で、期限を過ぎると捨ててしまうことが多いと言うことだ。最近私が入会している会のバザーに、家にあった蜂蜜を出したが、1人の女性が手に取り「賞味期限は?」と言いながらラベルを見てから納得したのか買っていった。蜂蜜は半永久的に持つもので、食品だから一応賞味期限の表示はあるが、そこまで気になるのかなと思った。おそらくあの蜂蜜は、期限までに使い切れなかったら捨てられるのだろう。
 この2種類の期限は次のようになっている。これを機会に改めて勉強した。

  賞味期限(しょうみきげん)とは、加工食品を包装状態のまま所定の環境に置いた状態で、製造者が安全性や味・風味等の品質が維持されると保証する期限を示す日時である。この表現の期限は、衛生面による問題よりも品質を問う部分に依存するため、主に長期間衛生的に保存できる加工食品に用いられる。
  類似した表現では消費期限があるが、これは特に生鮮食品や細菌の働きによって変質しやすい生の加工食品(例としてはコンビニエンスストアの弁当や惣菜など)に対して使用される。これは、期限を過ぎると、風味以前に食品としての安全性が確保できない事から、消費に適するか適さないかという意味での区切りである。この差は製造日を含めて概ね5日以内に急速な品質の低下が認められる食料品については、この消費期限で表現される。(Wikipedia)
  
 こういう規則があって管理されているから、食中毒の類は少なくなってきたのだろうが、昔はおそらくいろいろなことがあっても、企業の責任が問われることなどは少なかっただろう。そういうことでは衛生観念や健康についての関心が高まってきたのは良いことだが、あまり行き過ぎては、過ぎたるは及ばざるが如しということにもなるだろう。しかし、企業では行き過ぎるほどの十分な注意をしてほしいし、ましてや法律を軽視したり無視したりすることなどは論外だ。