中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

米国大統領選挙(2)

2008-11-09 08:30:05 | 身辺雑記
 話は変わるが、米国の大統領選挙の仕組みはどうもよく分からないところがある。国民が選ぶのは大統領でなく、各州ごとに大統領選挙人というものを選ぶ間接選挙だ。この選挙人の総計は538人で、その過半数を獲得したほうが大統領に当選することになる。もっとも選挙人が大統領を選ぶと言うのは形式的なことで、実際には一般選挙で決まってしまう。これはかつて広大な国土で交通通信手段が発達していなかった頃の名残りかと思ったが、そうではなく、この制度の根底には愚民思想があるとの指摘もあるようだ。確かにこの制度ができたのは220年以上前の建国当時のようだが、一般国民に直接選挙権を与えるとどんな結果になるか分からないから、分別のある選挙人に選ばせるという考えがあったらしい。だが、それにしても選挙人を選ぶ分別は国民にあるというのだろうか。いずれにしても今の世の中、民度も高くなっているのだから直接選挙にした方が簡単だろうし、民主、共和党以外の第3の候補者も票を獲得できて、民意が分かるのではないかと思うが、米国という国は意外に保守的なのかも知れない。

 もっと分からないのは、2つの州を除いた州で採用されている「勝者独占方式」というものだ。その州で選挙人を多く獲得した候補者が州内の選挙人のすべてを独占できるというもので、例えば選挙人の定員50人の州でA候補が26人、B候補が24人の選挙人を獲得したら、A候補が50人全員を獲得することになる。どうしてこのような奇妙なことになるか、説明を聞いたことがないから分からない。2000年の大統領選挙では、民主党のゴア候補が得票率では共和党のブッシュ候補に勝っていたが、選挙人の数で下回り敗北した。しかも最後のフロリダ州の開票結果が36日間も確定せず、共和党寄りの作為もあったなどの噂も乱れ飛んで、ブッシュ大統領の「正統性」への疑問が後にまで言われる原因となった。