中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

呆れ返ったアカハラ

2011-08-05 10:20:20 | 身辺雑記

 アカハラ(アカデミック・ハラスメント)とは、「大学などの学内で、教授や教職員がその権力を濫用して学生や配下の教員に対して行う、数々の嫌がらせ行為」を言う。これまでにも時折事件が報じられていたが、大学の研究室というある意味では密室の中で起こることで、その陰湿さや教授たちの横暴さには顔を顰める思いがしたものだ。最近報じられた事件は顔を顰めるどころか、激怒したくなるようなものだった。

 

 先月29日に、横浜市立大学の50代の教授が停職3ヶ月の懲戒処分になった。この男は女子学生からストーカー被害の悩みを相談され、2月下旬、学期末試験会場で、面識のない医学部医学科の男子学生(当時2年)に、思いこみから証拠もないのに他の学生がいる前で「おまえはストーカー行為をしている犯罪者だ」などと発言し、試験終了後、理由を聞くために教授の部屋を訪れた学生を叱責して土下座をさせ、サンダルをはいた足で頭を踏み、翌日までに頭を丸めて反省文を提出するよう要求した。教授は翌日、事実誤認を認め、学生に謝罪したが、学生は精神的苦痛を受けたとして3月に大学のハラスメント防止委員会に被害を申し出て、4月には教授に慰謝料など330万円の支払いを求めて横浜地裁に提訴した。

 

 何とも異常な暴力行為で、その光景を想像すると吐き気を催すほどだが、この男は異常性格者ではないかとさえ思ってしまう。サディスト的な傾向があるのではないか。試験前に他の学生の前で身に覚えがないことで言いがかりをつけられただけでも精神的なショックを受けただろうが、その後で教授の部屋で土下座させられ、土足で頭を踏まれた屈辱はいかばかりだったろうと思う。土下座さを強要するということは私の最も嫌うことであるし、土足で頭を踏みつけるなどとは論外で、学生が法に訴えたのも当然だ。

 

 私はこのような異常な行為をする男を、夏休みを挟んだ停職3ヶ月程度の処分で済ませることは納得できない。このような事案についての大学の内規はどうなっているのかは分からないが、免職にしてもよいと思うし、少なくとも平の教員に降格させるべきだろう。大学には身内に対する甘さがあるように思うし、アカハラと言うものが 陰湿で、大学の品位を落とすものという認識が乏しいのではないか。この程度の処分ではこれからもアカハラはなくならないだろう。医学部というところはとかく閉鎖的で、教授たちの権力乱用ぶりが話題になるが、今でもそのような風潮が強いのだろうか。

 

 「象牙の塔」と言うのは、学者などの現実社会と没交渉の研究生活も言うが、古い時代ならいざ知らず、今では研究者と言えども社会的な常識を持たなければならない。まして己が権力を持つと錯覚して下僚や学生に横暴であることなどは許されない。人間性の問題だ。