Hg君やHr君と食事をした日、待ち合わせ場所に先に来ていたHg君の奥さんとの会話。
「暑いねえ。いつになったら涼しくなるのかな」
「お彼岸過ぎてからでしょう」
「暑さ寒さも彼岸までと言うな。彼岸っていつだったかな」
「9月23日ごろ」
「今頃ではなかったかな」
「今はお盆」
「ああ、そうだった」
いい年をして物知らず丸出しのようだったが、我が家は神道で、子どもの頃から盆にはまったく無縁だったから、毎年のことながら盆になると、「盆の帰省ラッシュ」などとよく聞いているのに彼岸と混同して混乱する。迎え火、送り火などという行事は知っているが、我が家ではもちろんしたことがない。中学生の頃滋賀県に住んでいたが、このときには町の地蔵の前に盆提灯を下げ、花を飾り、供え物をする地蔵盆(8月23・24日)というのがあって、その前で近所の子ども達と一緒に徹夜で過ごすのが楽しかったくらいだ。
秋の彼岸は秋分の日を中日にしてその前後の7日間。秋分の日は9月23日頃で、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨とした国民の祝日で、何となく仏教的な感じだが、かつては秋季皇霊祭という歴代の天皇、皇后、皇親の霊を祀る日とされていた旧制の祭日の一つで、神道的なものだった。
本当に信心しているかどうかは別にして、仏教徒が多く、その行事が多い日本では神道の徒は少数派だ。だから盆には関係がないから、帰省ラッシュのニュースなどを見ると、大変だなあ、神道でよかったと思う。寺から僧侶が来ることもないから楽だが、何となく日本らしい情緒に欠けていると思わないでもない。
私はどうもいい加減なところがあるのか、自分に関係がないと、何の日か分からないことがよくある。例えばクリスマスイブなどは、毎年その日になって確かめる。それに今は祝祭日にかかわらず、年中休日のようなものだから、今日は祝日と言われても、それが何の日か分からないことが多く、メリハリの乏しい生活をしていると言われそうだ。