中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

哀れな男の子

2011-08-15 08:56:13 | 身辺雑記

 どうして何度もこういう事件が起こるのか、溜息が出る思いだ。千葉県柏市で今年5月、2歳10カ月の男の子が両親からに十分な食事を与えられず餓死し、39歳の無職の父親と、27歳の飲食店アルバイトの母親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。父親は「何もしていなかったわけではない」、「食べ物を与えても受け付けなかった」と否認し、母親は「餓死させたことは間違いない」と話しているという。

 

 この両親は長期にわたって、長男のSちゃんに十分な食事を与えなかったうえ、衰弱しても医師の診察を受けさせずに放置し、栄養失調により死亡させた疑いをもたれている。司法解剖の結果、Sちゃんの体に殴られた形跡はなかったが、相当量のプラスチック製の生活雑貨や紙などで腸がふさがった状態だったという。ネコ用のトイレやおむつに使われる吸水性の繊維が見つかったことも判明した。空腹のあまり、周囲にあった物を口に入れたと見られている。保護された6歳の小学生の長女が事件発覚当時、「Sちゃんはごみを食べちゃう」と話していたことが分かったと言う。

 

 Sちゃんは生後6カ月~7カ月に行う健診を最後に病院を受診しておらず、市職員が家庭を訪れた際、父親が「うちには独自の教育方針がある」などと子どもとの面会を拒否し続けていたという。わが子を飢えさせておいて、何が「独自の教育方針がある」だと、その盗人猛々しい言い分には、程度の低い奴ほど利いた風な口をきくと心底怒りを覚える。母親は病院へ連れて行かなかった理由について、「やせ細った長男を連れていくと、育児放棄が発覚すると思った」と話したそうだ。Sちゃんの死亡時の体重は6キロたらずで標準の2歳児(13キロ)の半分以下だった。

 

 両親から食事を与えられず空腹のあまりゴミを口にしているこの男の子の姿を想像すると何とかわいそうな子だろうと涙を催した。2歳10ヶ月と言うと西安の謝俊麗の息子で、私がとても可愛く思っていて、毎日パソコンに入れた写真を見ている撓撓(ナオナオ)とほとんど同じくらいの年齢だから、Sちゃんに撓撓の面影が重なって、なおさら堪らない気持ちになった。

 

 それに加えて強い憤りを覚えたのは、逮捕後の父親のことばだ。この家にはSちゃんの姉2人がいて、猫も飼っていた。父親は「猫のほうを先に飼っていたので、子どもより猫の方がかわいいと思っていた。猫が一番かわいい。自分たちが逮捕され、自宅に誰もいない今、餌は誰がやるんだと言ったそうだ。私も猫を飼っているし可愛いと思っているが、この男は異常だ。猫にも劣る畜生男と言うと猫が怒るのではないかと思うくらいの最低の人だ。厳罰を与えなくてはならない。

 

謝俊麗は「死刑になる?」と尋ねたが、私は「10年くらいの刑だろう」と言うと「子どもを殺したのに」と驚いていた。殺人には死刑がふつうの中国だからそのように思うのだろうが、幼い男の子の母親としての怒りは理解できる。日本では死刑にはならないが、余計な情状酌量など無用だ。法の許す限りの最高刑を与えたらいいと思う。