中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

「ガスパン遊び」の果て

2011-08-23 20:58:40 | 身辺雑記

 今年の1月のことだが、ガスボンベを吸引することで室内にガスを充満させたうえ、たばこに火を付け爆発を引き起こしたとして、17歳の通信高校生ら2人が今月になって逮捕された。

 

 少年達は1月25日午後3時ごろから同日午後3時50分ごろまでの間にマンションの少年の部屋で、ライター用ガスボンベのガスを吸引して酸欠状態になることで気分が高揚するとされる「ガスパン遊び」をしていた。1本40グラムのガスボンベを計23本吸引し、少年が一服しようとたばこに火を付けたところ、室内に充満したガスに引火して爆発し、火災を引き起こした。この火災で、少年の住む約9平方メートルの部屋が焼失。2人は全身やけどの重傷を負った。

 

 以前はシンナーを吸うことが一部の青少年の間で行なわれたことがあって、廃人状態になったり、時には死亡することがあったが、“ガスパン遊び”の語源は、そのシンナーを吸う俗称「アンパン遊び」の「アン」を「ガス」に置き換えたものだそうだ。このことばを私は初めて聞いたが、「毒物及び劇物取締法」による取締りが強化されて、シンナー吸引が下火になった1990年代から10代の若年層を中心に見られるようになったということだ。

 

 使われるガスはライター充填用のブタンガスや各種のスプレーに使われているプロパンガスなどいろいろらしい。吸引自体は「麻薬及び向精神薬取締法や覚せい剤取締法で禁じられていないが、将来的には麻薬常習者に移行しかねないと考えられているようだ。覚せい剤やシンナーと違って習慣性はないが酸欠状態による脳や身体への影響があり、死者も出ている。度重なる酸欠状態で脳の働きに長期的な影響が出る可能性もあると考えられているようだ。それにしても、そのことで気分が高揚するというのはどういう状態になるのか。

 

 この少年達はおそらく日常、通信高校生として目的を持ってまじめに生活をすることなく「閑居して不善を」なしていたのではないか。ガスパン遊びは以前からやっていたとのことだ。喫煙も常習だったのだろう。マンション住まいをしていたということだが、親はどうしていたのだろうか。放任状態だったのか。

 

 前途のある若者に対して冷淡な態度だと謗られるだろうが、どうもこの少年達には同情ができない。自業自得だと突き放したくもなる。全身火傷を負ったのに命が助かっただけでも幸いだった、バカなことをしたと反省して、まともな生活に立ち戻ればよいのだが、さてどんなものだろう。