厚生労働省によると、去年の日本人の日本人の平均寿命は、女性が86.39歳で26年連続で世界一、男性は79.64歳で香港、スイス、イスラエルに次いで世界4位だったそうだ。世界でもトップクラスの長寿国だと言う。
女性の平均寿命は前の年を0.05歳下回った。去年の夏の猛暑で、熱中症で死亡した高齢者がこれまでで最も多くなったことが影響しているのではないかと分析されている。男性は0.05歳延び、これまでで最も長くなったそうだ。女性と男性の平均寿命の差は前の年よりも0.1歳縮まった。0.05歳とか0.1歳などの数字は統計上のもので現実的にはごく僅かなものだ。要するに女性は86歳、男性は80歳ということだ。この数字を見ると私はまだ平均寿命に達していないことになる。喜寿を過ぎた後の目標はとりあえず傘寿の80歳だから、せめて平均寿命までは行きたいものだが,あと2年、さてどうなるか。
別の統計、世界保健機構(WHO)のものによると、2009年時点でWHO加盟193カ国のうち、日本の男女は83歳で第1位、男性は80歳で2位、女性は86歳で1位となっている。世界平均は男女平均が68歳 、男性は66歳、女性は71歳だ。最低はアフリカの小国マラウイの47歳、男性もマラウイで44歳、女性は同じくアフリカのチャドの48歳(マラウイは51歳)。平均寿命が低いのはアフリカの国に多いが、貧困、飢餓、疾病が多いことによるのではないか。それに子どもの死亡率も平均寿命に影響する。出産1000人あたりの新生児(生後1ヶ月未満)の死亡率はアフガニスタンが最高で53人(日本は1人)、生後1年未満の乳児では同じくアフガニスタンの134人(日本は2人)となっている。
専門家によると、日本は食生活や住環境の改善によって急速に長寿国になったが、今後の医療のさらなる進歩も予想され長寿の傾向はこのまま続く可能性が高いと予想されている。
長生きすることは結構なことではあるが、どのような状態で生きるかが問題だ。最近、100歳直前に亡くなった母と双子の伯母は寝たきりで意識もはっきりしていなかったし、時々わけの分からないことを言っていたようだ。先だって連れ合いを亡くした母の末の妹である叔母は、認知症で入院していたが、葬儀の最後の別れのときに、夫をずいぶん前に亡くなった兄と間違えたらしい。母の家系は長寿で、私もいろいろな点で母に似ているから長寿なのかもしれない。現に予想もしなかったことだが、こうやって80歳近くまで生きている。しかしいくら長生きしても寝たきりでボケてしまうのは嫌だ。ボケれば煩わしいことは考えなくなるからいいという人もいるが、やはり元気で年をとりたい。PPK(ピンピンコロリ)といきたいものだ。
能面の「翁」
能面の「老女」(老いた小野小町)