最近、女性の飲酒率が増加しているそうだ。厚生労働省の調査によると、女性の飲酒率は40年前の4倍に上り、20代前半では男性を上回る逆転現象も起きているという。
女性が飲酒すること自体には何も問題はない。確かに昔は飲酒に関わる職業の女性はともかくとして、一般家庭の女性や、会社勤めの若い女性が酒を飲むことは少なかったと思う。巷で男のトラはしょっちゅう見かけたが、女のトラなど見たことはない。今でもさすがに泥酔している女性は見ないが、夜遅い電車の中ではかなり顔が赤くなっていて、立っているのが辛そうな姿も見かける。会社などの飲み会の帰りだろうし、中には誘われて飲食街に立ち寄ったのかもしれない。女性の飲酒の機会が増えたのだろうが、度が過ぎなければ、殊更に女性の飲酒をとやかく言うことはない。
女性のアルコール依存症も増えているらしい。平成20年の厚労省の調査によると、20~24歳の飲酒率は男性が83.5%、女性が90.4%で、女性の方が多くなっていて、この年代ではアルコール依存症につながるとされる「多量飲酒者」も増加傾向にあるそうだ。女性は男性よりもアルコール依存症になりやすいようだが、女性の肝臓の容積が小さいことやホルモンの影響から、アルコールの分解能力が低いことが理由らしい。以前家庭の主婦が料理の合間に料理用の酒を口にし、それが嵩じて依存症になったということを聞いたことがある。男性の依存症は飲酒歴10~20年頃に発症するが、女性は5~6年で症状が始まるという統計もあり、若年層の発症が目立つ原因ともなっていると言う。一般的にアルコール依存症は本人が認めたがらない疾患で、特に「大酒飲みだと思われたくない」という女性にその傾向が強いと言う。
喫煙もそうだが、女性は男性と違って、結婚して母親になるという大きなことがある。過度の飲酒や習慣的な飲酒は不妊や自然流産の危険性が高まるほか、妊娠中の飲酒は、胎児の脳などに障害が出る胎児性アルコール症候群や、低出生体重児などにつながると専門家は言っている。
何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、最近は「女子会」ブームとやらがあり、かわいいデザインのお酒の登場など、女性が気軽に飲酒できる環境になったことや、一部には女性が酒を飲めることをかっこいいとする風潮もあると言う。女性自身がもちろん心しなければならないが、男性もたとえ下心などはなくても、無理強いしたりしないことだ。何事にもルールとマナーが必要だ。