中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

ひとり料理

2012-05-07 10:37:49 | 身辺雑記

 私はもともと料理が好きでした。「でした」と過去形になるのは、今ではさっぱりだからです。母は料理上手でしたが、特に教えてもらったことはありません。それでも中高生の頃は琵琶湖で捕れた鯉を三枚に下ろして、洗いにする下ごしらえを手伝ったりしていました。

 

 妻も料理教室に通ったわけではないのですが料理が好きで、器用でした。しかし毎日のことですから手の混んだ料理はオーブンを使うくらいで、それほど食卓を豪華で華やかにしたわけではなかったのですが、味付けはうまかったですね。料理以上に、妻が打ち込んでいたのはパンつくりで、とりわけ食パンは死ぬ少し前まで続けていましたが、今思い出しても抜群の味でした。ですから今でも、どんな食パンでも美味しいとは思えない、これはちょっと不幸です。

 

 そのような妻のそばで、私は休みの日などに、妻が作れないような本格的なカレーを作りました。各種の香料を買い集め、下ろした玉ねぎを時間をかけて炒めてルーを作り、それに香料を加え、スープや肉をじっくり煮込んだものです。これは我ながらよい出来で、妻も「おいしい」と言ってくれました。妻のパンに対抗したわけではありませんが、ケーキも何種類か焼き、とくにチーズケーキは得意でした。

 

 それも今は兵(つわもの)の夢。独りになった今ではカレーもケーキも作る気すら起こりません。それどころか簡単な料理さえ作るのが煩わしく思うようになっています。食材を揃えるだけでも手間ですし、何よりも一人分の材料となると難しい。先日も前の晩に頭に浮かんだ肉蕎麦を作ろうと考えました。これは簡単で、ゆでた蕎麦と出来合いの蕎麦つゆ(これは結構味がよい)を買い、小鍋で肉を少し炒りつけて蕎麦つゆを加えて温め、湯を通した蕎麦にかけるだけです。そこにネギを切って加えたかったのですが、少ししか要らないのに、売っているのは2本か本まとめていて、これでは無駄だと思ってやめにしました。

 

 このように一人分作ろうとするとどうも材料に無駄が出るので、つい億劫になります。前にも野菜を摂る必要もあるなと考え、野菜炒めを作ろうとしたのですが、材料はあれもこれもと考えたので、大量に作ってしまい、3日間食べなくてはならなくなり閉口しました。それに使い切れなかった野菜もずいぶん無駄にしました。そんなこともあって、だんだん作るのが億劫になってしまいました。年のせいか食欲も以前ほどではなくなったのでなおさらです。

 

 もし私が先に死んで妻が独りになったら、どうするだろうとふと思いました。妻のことだから独りになってもこまめに作るかも知れません。ブログで知った千葉のCさんのブログを見ると、独り住まいでも身の回りのことは小奇麗にしておられるようだし、添えられている写真を見ると、ちょっとした昼食にも女性らしい繊細さがあって、さすがだと思います。妻もCさんのようにするかも知れませんが、案外雑になっているかもとも思います。

 

 あれこれ考えても詮無いことですが、やはり妻にはもっと長生きしてほしかった。そうであれば私の食生活も今とはかなり違ったものになっているでしょう。少し俯き加減になって、小首をかしげながら包丁を使っていた妻の姿を懐かしく思い出します。

 

 

(朝の散歩から)

 ハナズオウ(花蘇芳)。少し前に撮ったものです。マメ科の植物です。蘇芳は黒味を帯びた紅色です。

 

 

 

 

 

 花はマメ科の特徴の蝶形花冠です。花が終わるとマメのような莢ができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


高所恐怖症

2012-05-05 13:46:18 | 身辺雑記

 東京都墨田区に建設された「東京スカイツリー」は建設中から見物人が押し掛け、今年2月29日に完成した後の展望台公開は希望者が殺到したようだ。

 

                                            インタネットより

 東京スカイツリーは高さ634メートル、人工建築物の高さではアラブ首長国連邦ドバイにある超高層ビルであるブルジュ・ハリファの828メートルに次いで世界第2位だそうだ。第1展望台の上の450メートルの所に第2展望台があり、窓ガラスで覆われた空中回廊を歩くと、まるで空中散歩をしているようだと言う。今月22日に開業する。展望台の入場料金は2,500円、第2展望台に行くにはさらに1,000円が要る。こんな高い料金を払って高い所で怖い思いをすることなどごめんだ。人によっては高所など意に介さない人がいるが、この方が普通で、私のような者は少数派なのだろう。だから「高所恐怖症」などと精神医学の領域に組み込まれているのだろう。

 以前中国湖南省の武陵源という名勝地に行ったが、そこは独特の石の柱が多数立ち並んでいる景観で知られる。石柱のほとんどは200メートル以上あり、中には300メートル以上のものもあるそうだ。その石柱の一つに柵を張りまぐらした展望台が作ってあったが、そこから下を見ると切り込んだような深い谷になっていて、みっともない格好だが、這うようにして柵のそばに行き写真を撮った。私のそばでは中国人の娘たちが2,3人、柵の鎖に凭れかかって、笑顔でピースをしていたが、それを見ているだけで脚がもぞもぞと震えるようだった。武陵源は、私が見た中国の景観の中でも第1と言っていいほどだったが、同時にあの時の怖さも忘れられない。

 

                                              インタネットより 

  東京スカイツリーは開業したら大混雑だろう。多くの人はなぜ高い所に登りたがるのだろうか。高所恐怖症でなければ高所からの東京の景観を楽しめるのだろうが、どうせ大したことはないだろうなどと言うのは「酸っぱいブドウ」の類の負け惜しみだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 


ブログへのコメント

2012-05-04 08:39:59 | 身辺雑記

  先日「知事の仕事」という文章を書いてアップした。私のブログにはコメントは少ないのだが、この時は4つあり、どれも私に対する批判、非難だった、私のブログの内容は『朝日』新聞の夕刊に載った、石原東京都知事の近況に関するもので、もともと私はこの知事の言動には批判を持っていたのでかなり強い調子になった。 

 私への批判のコメントはどれも石原氏の名前に触れているものはなかったが、多分彼の支持者かシンパではないかと思われるものだった。初めはそれぞれのコメントに対してコメントを出そうと思ったが、前にそれをして不愉快なことがあったので、それは止めにした。「そんなものにいちいち答える必要はないですよ」とか[無視したらいい]という忠告もあったが、私の性分もあるので、この4つのコメントを紹介して、感想を述べてみようと思う。それぞれのコメントの前にある(  )内はコメントの投稿者名だ。 投稿者はいずれもハンドル名は示していない。ブログを持っていないのか、隠しているのかは不明だ。

1.(真ん中)「なんと言うか、こういう三文週刊誌的な個人攻撃には、皆んなあきあきしてるんだな。もうそんな時じゃ無い、教師の経験者なら、もっとポジティブに語れ。それと明らかに認識レベルが低い。」 

 私は週刊誌をほとんど読んだことがないので、どんなものが「三文週刊誌」の範疇に入り、それの論調がどんなものなのかはよく知らないのだが、投稿者はよく読んでいて、私の文章はそんな程度だと評したのだろう。それはそれで自由だが、私の気に障ったのは「教師の経験者なら、もっとポジティブに語れ」という言い方だ。最近は「上から目線」で言う者が多いと聞いているが、これは典型だろう。多分若者だろうが非常に傲慢だ。この投稿者は初めてだが、初対面ならもう少し物の言い方があると思う。批判をするのはいいが、その場合にも一定の礼儀やマナーは必要だろう。この投稿者は普段から他人に対してこういう態度なのか。それなら親の、とりわけ父親の教育が甘かったのだと思う。 

2.(みちなか)「まあ何を書こうと自分の意見だから勝手だけ「木を見て林を見ず」、みたいな感じですね。けっこう政治音痴ですね。「理想の上司」もそんな狭い感じがありました」。 

 私の情報源は知れたもので新聞(『朝日』だけ)、書籍、ネットくらいだ。テレビはないので知らない。だから「一部の事実とか報道だけで判断する」と言うことは当たっているかも知れないが、それ以外に手段がない。しかし「政治音痴」は少し言い過ぎではないか、「音痴」には文字通り正しい音の認識ができないこと、正しい音程で歌えないことを言うが、そこから「ある方面に感覚が鈍いこと」も言う。私ぐらいのものでも政治には関心を持っている。知人との日常の会話でも政治について言うことは多く、決して「政治音痴」と言うほどひどいとは思ってはいない。しかし、このように決めつける投稿者は、おそらく政治に深い関心があり、情報も豊富な政治通であり、政治についての教育も受けているのかも知れない。もしそういう人ならもっと謙虚に説得的に語ってほしい。 

3.(紫)という投稿者だが、原文を抹消してしまったのでここに無いのだが、要するに私の文は「トイレの落書き」程度のものだと言うのがあった。 

 私は長い間トイレの落書きというものを見たことがないが、ずいぶん昔、中高生の頃に見たものは 極めて猥褻なものだった。この投稿者は知っているようだが、今のものはもっと「洗練」されているのか。要するに程度の低い猥雑な文章だと言いたかったのかも知れないが、私にはこんな場合に「トイレの落書き」という言葉が出てくる感覚が分からない。電話で次男と話した時にこの投稿文を読むと「それもトイレの落書きみたいなものじゃないか」と笑った。要するにトイレならぬネットの中に閉じこもって自分の思いをしこしこ書いている姿がそう連想させたのかも知れない。 

4.(とりごえ)「あなたのような朝日新聞を好むサヨク爺さんは日本から出て行ってください。」 

 次男は「そんな奴はよくいるんだよ。自分が自由にものが言える社会にいるありがたさが分かっていない」と言った。私もこういう言い方をする輩がいるとは知ってはいたが、自分に投げつけられたのは初めてだ。こういう言い方がいかに思い上がった間なものだということは言うまでもない。私のような古い人間は戦時中の「非国民」という言葉を思い出す。それにしても『朝日』を読むとサヨクとは非常に程度の低い認識で、まだ若いのだろうが哀れになる。『朝日』を敵視し左翼扱いをする右派新聞があるが、その影響を受けているのか。『朝日』はせいぜいリベラル程度で、それも最近は怪しくなっていると思う。この投稿者はおそらくは民主主義と言うことを敵視し、日本が民主国家であることに嫌悪を感じているのかも知れない。では、他人に「日本から出て行け」と言う前に、世界のどこかにまだあるだろう右翼独裁国家を探してそこに出ていけばいい。きっと住みやすい思いをするだろう。 

 私のブログ友の一人が、このコメントに関してこんなメールをくれた。 

 ネットに詳しい人が以前こんなことを云っていました。「ネットの普及によって多くの一般人が自分の思いを『主張・表現』するようになってきた。それに伴って、以前は言論界(人)へ向けられていた攻撃が、最近ではブログなど行う一般人にも攻撃の矛先を向けてきている。新しい「言論封殺」「思想攻撃」として注意しなければならない。」と。 

 上に挙げた投稿者達はおそらく右翼や国粋主義者と呼ぶほどのものではなく、せいぜいその予備軍だろうが、その高圧的な言い方は明らかに「言論封殺」「思想攻撃」の萌芽で、その裾野は意外に広いのではないかと思った。 

 投稿者たちに叩かれるまでもなく、私は文章を作るのは得意ではなく、書いても穴が多い。これは私の能力の問題だ。しかし、下手は下手なりに、誹謗中傷は受けるだろうが、私はこれからも三文週刊誌的、トイレの落書き的な文を書いていこう。しかし右翼少年(青年かも知れないが)に何と言われようと、自分の祖国である日本から出ていく気はない。

 

(朝の散歩から)

ライラック(リラ)

 

 

 

 ベニバナトキワマンサク

 

 

 

 

 


いかがわしい郵便物

2012-05-01 10:36:14 | 海外あれこれ

 先だって続けさまに2通のエア・メールが配達された。一つは中央に物々しく「極秘親展」と印刷され、左上には「科学調査」とあって、ブルネイからのもの。もう一通は、これも物々しく「重大発表」と印刷されていて、オーストラリアの切手が貼ってある。

 

 ブルネイは、東南アジアのボルネオ島の北に位置する小さなイスラム教国家で、なぜブルネイからかと思って開いて見て笑ってしまった。要するに男性用の催淫スプレーの宣伝で、書かれている効能の謳い文句はかなり露骨なので引用できないが、折り込まれているリーフレットを開くと、麗々しく「使用前」、「使用後」の写真や、何人かの使用者の「感激の」感想文、専門家と称する人物の推薦文などが載せられている。申し込み用の小さな封筒も同封されていたが、宛名は大阪市になっている。こういう商品の販売は日本では認められていないので、こういう手段を使うのか。それにしてもなぜブルネイなのだろう。

 

 オーストラリアからのものはさらにいかがわしく、一読して詐欺だと分かるもので、「おめでとうございます。あなたは当社の最も最近の賞金当選者が7日前にいたポジションと全く同じ位置に着いたことが確定しました」という意味不明の文言の後に、「近日中にも私があなたに¥343,256,920の全額の小切手を送りうることを意味することから・・・・」と後にもごたごたと意味不明の文が続くが省略する。要するにオーストラリアのロトゲームに当選したということらしいが、私はもちろんそんなものに手を出したことはない。どうせ他にも同じ文書をばらまいているのだろうが、こんないかがわしいものに引っかかる者がいるのだろうか。それにしても¥343,256,920とは恐れ入った。こんな大きな数字にはあまりお目にかかることがないから、念のために下から一、十、百,千、万と数えて、3億4千万と分かった。こんな巨額の金が何もしないで懐に入るなどと誰が思うのか。何やら手続きをするようになっているが煩わしいので読んでいない。どうせうっかり欲に釣られて手続きをとったら、かなりの金額を詐取されるのだろう。

 

 馬鹿げた国際郵便のおかげで、ほんのひと時楽しむことはできたが、それにしても私の住所氏名などをどうやって知ったのだろう。個人情報保護も何もあったものではない。