癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

ライフ仲間からも激励

2014年03月27日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

斉藤さんの件で説明とお礼を述べる私

 昨夜は、中高年のスキーを中心としたスポーツクラブ「函館ライフスポーツ」(会員100名)の納会だった。75名もの参加で大盛会だった。

 このクラブのメンバーのほとんどは、このブログの熱心な愛読者であり、登山愛好者も多い。20名ほどのコーチスタッフは斉藤さんと同じスキー指導員仲間であり、斉藤さんもこのクラブの発足年度にはコーチスタッフとして名を連ねていたこともある。また、毛無山は、4年前にこのクラブの夏の登山会で登った山でもある。

 そんなこともあり、会場へ着くなり、みなさんから「毎日ブログ見ています。大変でしょうが、がんばってください。1日も早い発見を願っています」と温かい声をかけられた。さらに、会長挨拶の中でも、斉藤さんのことに触れられ、私たちの捜索活動への労いと激励をいただいた。

 さらに、テーブルごとの個々のスピーチでも、「ぜひ斉藤さんのことに触れてください」と言われた。参加者の中に第1回目の捜索に参加してくれた方や、激励の差し入れを届けてくれた方々もいて、みなさんにご心配やご協力をいただいていることへのお礼を述べさせていただいた。

 このような多くの方々の想いに応えて、斉藤さんが一日も早く姿を現してくれることを願っている。

設計山入山口除雪など多くの協力

2014年03月26日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

設計山入山口の除雪・・・鎌鹿さん提供

 次回の捜索には設計山からのアプローチを考えている。この入山口は国道227号線の中山トンネル手前の戸切地中山線林道のゲートだが、この時期国道の除雪の壁が高くて登るのに大変である。

 昨日、捜索事務局を担当されている鎌鹿さんが、仕事が終わってからわざわざ出かけて行って、その部分を崩して来てくださった。
http://blogs.yahoo.co.jp/kamaka_ryu/35024880.html

 捜索やルート工作に協力をいただいているスノーモービルの団体も、今週末あたりに林道のトレース造りをしてくれることになっているらしい。鎌鹿さんはスノーモービルが入りやすいようにと早めに作業に取り組んだらしい。

 このように、今回の捜索活動は、多くの自主的な協力によって成り立っている。大々的な次回の捜索活動は1週延びたが、先日のキレット下の偵察をしたメンバーからの申し出で、今週末も稜線上の積雪状態や融雪状態のチェックを兼ねた活動を計画中である。このような多くの方々の想いが実を結び、1日も早い発見に結びつくことを願ってやまない。

 なお、このたびの事件に心痛めていて、直接的には捜索のお手伝いはできないが・・・と、これまでの経過や我々の活動状況を自分のブログで発信してくださっている方もいる。
 それは、この毛無山を自分の故郷の山としてこよなく愛している吉田幸二さんの「田舎都会からの便り」である。

その中から関係記事をいくつか紹介したい
http://blog.goo.ne.jp/inaka4848/e/fb82cb5d0a7ba200b4bf13716e9da8d0
手掛かりを求めての夫婦での毛無山登山
http://blog.goo.ne.jp/inaka4848/e/79ff6132a597ffe1abeff4460ffe2d2f
3/15,16の第1回捜索活動の様子

次回の捜索活動を4/5~6に延期

2014年03月24日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連
 昨日の稜線上やキレット下の積雪状態だが、3/21のドカ雪で新雪が30~40cmほど増えていた。その下の融雪もほとんど進んでいなかった。

 今後の斉藤さんの捜索範囲だが、毛無山山道入口~設計山入山口の17kmにわたる稜線上と滑落の可能性のある設計山直下のキレット下の谷と非常に広範囲である。手掛かりだった1週間通じていたという携帯電話の電波状態はどこでもほぼ3本立つ状態だったために、範囲を絞ることができなかった。

 そのために、捜索方法は、解けた雪面に現した姿や装備を捜す以外にない。これまで観察を続けてきた積雪状態からしても、上の雪が少なくともあと50~60cmほど解けないとなかなか発見は難しいだろう。

 そこで、関係者と相談の上、一日も早く見つけてあげたい気持ちは山々だが、今週末の3/29(土)~30(日)に予定していた第2回捜索活動は、4/5(土)~6(日)に延期することにした。

 その間の融雪状況の観察は続けた上で、詳しい実施計画は、来週早々にこのブログにア掲載しますので、多くの方々のご協力をお願いいたします
 

キレット下の偵察

2014年03月23日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

キレット下から続く谷と先日の雪庇踏み抜き滑落斜面との合流地点
キレットからの標高差70mのやや平坦な地点

 先週の設計山からの偵察時にアップした写真を見た沢や岩のエキスパートである長谷川SHOさんと鈴木myuさんから、「立木を利用してあのキレットの下に下りて見たい」という申し出があった。

 そこで、沢のエキスパートでもある瀬川さんにも加わってもらって、土佐さん、高橋さん、私の6名で、今後の捜索のための偵察と下へ降りるルート工作を兼ねて決行した。キレットまでのルートは、第1回捜索の2日目(3/16)と同じ中山橋からのルートである。

 入山口の中山橋へ着いて愕然とした。一昨日のドカ雪が新たに40cmも積もっていて、トレースが消えていた。融雪もほとんど進んでいない状況だった。改めてラッセルで急な尾根を登り、稜線上をキレットまで進んで上から観察。少し戻って、ロープを使わなくても登り下りできそうな支尾根を下った。標高差120mほど下って谷底へ下り立った。そこから、谷の中を標高差90mほど登り返して、c590の平らな地点へ到着。もし滑落してくるとしたら、そこで止まる地点である。右上斜面の口を開けてうねっている雪崩斜面を気にしながら、積雪を測ったり、積雪状況を観察した。なお、ドコモの携帯の電波状態は3本立っていた。

 ゾンデ棒で計った積雪は300cm、斉藤さんが行方を絶ったころのザラメ層の上に一昨日の新雪も含めて90cmほども積もっている。この上の雪が融けなくては、とても手掛かりなど見つかる状態ではない。

 稜線に登り返して、今度は、立木に45mのシングルロープを掛けて、キレットの上から、少し斜度の緩む標高差にして30mくらいを精鋭部隊3名が下りて見た。今日の雪の状態なら滑落してもそこで止まるかもしれないが、2/24のころは雪が堅く締まっていたので、下まで落ちちゃうだろうとのことだった。そこでは、ざっくりとゾンデリングをしてみたが手掛かりはなかった。


GPSトラックログをもとにした、今日のキレット周辺の行動ルート

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キレットから続く深い谷の東側の急な支尾根を下る


今にも崩れそうな感じの設計山北尾根下の雪崩斜面・・・すぐ左が先週の雪庇踏み抜き滑落の痕跡
支尾根を下ってからこの下の谷を登り返したが怖かった。
この谷中の捜索と通過はこれが落ちてしまってからでないと危なくてしようがない。


谷の中を上の平坦な地点までも登り返す


積雪状態~上40cmの新雪の下にザラメ層、さらにその下50cmほどに厚いザラメ層
(この下のザラメ層が斉藤さんが行方を絶ったころの層)


稜線まで戻って、キレットの手前の立木にロープを掛けてキレットの下へ


ロープを頼りにキレット下の急斜面を下る


少し斜度が緩んだ地点でざっとゾンデリングをしてみるが手掛かりなし


キレット手前にて・・・偵察と捜索を終えて下山開始(私以外の5名)


中山橋の入山口で待機して食べ物や温かい飲み物を用意してくれていた
ブリガンズ山岳会の遠藤さんと寺崎さん、HYMLの乳井さん


○今回参加したメンバーの一致した見解
 今日の偵察のおかげで、このキレット下の地形の把握と捜索に必要なルート工作ができた。しかし、積雪が多く、北斜面ゆえに雪解けがかなり遅れるので、発見も遅れるだろう。

 たとえ多人数でゾンデリングするにしても右斜面(設計山北尾根の下)の雪崩が怖い。この谷の捜索は雪崩が落ちてからになるだろう。基本的に稜線上の捜索を徹底的にして、どうしても見つからないときに、雪解けが遅くなるこの場所に絞るということも考えなくてはならないようだ。

 ただし、この谷へ下りるのは、雪崩の危険性を避けるためにも、今回のルートではなく、設計山山頂から下って、先週の雪庇踏み抜き滑落事件パーティが上り下りに利用した尾根から下った方が安全だろう。

 稜線上の捜索も、今回の新雪で、先週より積雪が増えて厳しい状態になっている。今週中に雪解けが進んでも、この新雪部分が融けるくらいだろう。来週末に予定していた第2回目の捜索活動は、1週延期して4/5(土)~6(日)にせざるを得ない状況だ・・・。

スキー指導員仲間への報告&貴重な情報

2014年03月21日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

「第44回指導員スキー・スノーボード大会」開会式挨拶の中で斉藤さんの経過報告をする私(前列無帽)

 例年、春分の日の今日は、斉藤さんも会員であり、不肖私が会長を仰せつかっている函館スキー指導員会(会員数516名)の「指導員スキー・スノーボード大会」である。今年で第44回を数える。

 朝会場へ着いたら、斉藤さんのことが話題になっていて、ねぎらいの言葉や経過の問い合わせなどが殺到した。そこで、開会式の中でこれまでの簡単な経過報告をさせていただいた。みなさん、とても心配していて、早く見つかることを願っていた。

先日の雪庇踏み抜き崩落事故のSLの方からの貴重な情報
 帰宅したら、3/16に目撃した雪庇踏み抜き崩落事故の尾根を掛け下りた方からお詫びとお礼のメールが入っていた。

 その中に、以下の3点の貴重な情報が入っていた。 
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① 16日の積雪量では、尾根含め沢の上り下りはキックステップで問題ありません。
   ※その後、雪解け進んでブッシュが出てきたら、ロープを張るなどしないと厄介かもしれません。

② 我々はビーコンを付けていたので、下のデブリ2箇所でビーコン捜索はざっくりではありますがしています。 
   ※その際反応はありませんでした。

③ ドコモ携帯通じます。
   ※事故者の無事を稜線で待つ2人に伝える為に、携帯電話も使いましたが、下から問題なく(3本立ってます)通じました。上のもの(au)は、尾根から10m程下りたところにいました。
---------------
 今後、第2回捜索活動の前に、立木にロープを掛けて、ルート工作と電波確認目的で一度下りて見るつもりだが、大変貴重な情報となった。

草刈会長さんからの礼状

2014年03月20日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

 昨日、斉藤さんが所属していた函館ブリガンズ山岳会親睦会からの第1回捜索活動の上掲の礼状が届いた。捜索活動に参加してくださった方々全員に出されたようだ。

 このブリガンズ山岳会は、1959年(昭和34年)に発足している。斉藤さんもその時からのメンバーだ。斉藤さんから聞いたことだが、昔はかなりハードな活動をしていたらしい。そのうちに自然消滅の状態が続いていた。最近はみんな高齢化してしまい、山に登ることが少なくなったので、1996年(平成8年)に親睦会として再発足した・・・とのこと。

 そのメンバーは、捜索のときは、捜索前線本部に詰めて、受付や飲み物や食べ物の配布、無線や携帯電話で各班との連絡の任務を担当している。

設計山偵察

2014年03月19日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

本日のGPSトラックログ(赤線)


 天気が良かったので、斉藤さんが下山してくるはずだったコースから設計山に単独でスキーで登り、3/16に撤退したキレット部分や、その北側斜面と南側斜面の偵察に行ってきた。自分の記録を見たら、03,3,22に、この設計山に登り、車で移動して、さらに毛無山にも登っていた。両方の山はこの時が初登頂だった。

 さて、今回も中山トンネル手前の駐車場からスタート。向い側の国道の除雪の山の上を進み、戸切地川越林道へ入る。合併して北斗市になる前の旧大野町と旧上磯町の境界尾根から頂上を目指した。このルートが冬も夏の藪こぎ登山も一般ルートである。林道2.5km、西尾根1.3kmで、斉藤さんの4kmとした計画と合っている。

 頂上手前の3/16の雪庇踏み抜き崩落事故の上から谷底を眺め、当日、我々が撤退したキレットの地形とその下に続く急斜面を覗いた。さらに、頂上から稜線尾根をキレットの手前まで下りてみた。3/16には覗けなかったが、キレットの北側斜面はかなり急な沢型になっていて、滑落したら引っかかる木もなく、谷底まで滑落しそうな感じだった。やはり危険で、通過する気にはなれなかった。反対側の南斜面は意外と緩くて、木が生えていて、雪庇と一緒に落ちてもすぐ下で止まりそうな感じだった。

 次に、南斜面を覗きたくて、頂上から南尾根を300m(標高差40m)ほど下ってみた。自分の携帯電話はauだが、頂上では3本立っていたが1本になっていた。南側に滑落したとすると、圏外になるのではないかと思われる。

 なお、雪庇踏み抜き滑落事故の現場とそこまでのトレースだが、その手前までは尾根上を歩いていたと思われるが、その先にブナの木が2本生えていて、その根元の先30cmのところから落ちていた。多分、その木が生えていたので大丈夫だと思って直進して落ちたようだ。上から覗いてみたがかなりの急斜面だった。良く無傷で済んだものだと思わずにはいられなかった。

 登りが1時間50分、頂上付近で休憩も含めて1時間ほど費やし、下りは45分だった。斉藤さんも設計山まで到達していたら、1時間ほどでゴールできたはずなのだが・・・。


3/16の雪庇踏み抜き滑落現場の上からキレット下の斜面と毛無山までの稜線を望む


キレットの北側斜面・・・ここを落ちたら下まで止まらないのでは?


3/16に撤退したキレット部分を反対側から眺める


キレットの少し上から、金山の沢と3/17に毛利さんが登った615峰を眺める


キレット部分から頂上と3/16の雪庇崩落現場(右)を見上げる


頂上から南尾根300mほど下の地点からキレット部分とその東側の雪崩斜面を眺める
キレット部分の下は斜度が緩やかで木が混んでいる。
その奥の雪崩斜面は反対側がトラバースしやすい広い緩斜面なのでこちらへ落ちる可能性は少ない


★リーダーからお詫びとお礼のメールが届く
 3/16の我々が目撃した雪庇踏み抜き滑落事故のを引き起こしたパーティのリーダーからもお詫びとお礼のメールが届いた。
 その中に、現場付近の笹の中に赤いストック2本を残置してきてしまったこと、捜索中に黄色いフリースの帽子をなくしたことが書かれていた。「斎藤さんの捜索を混乱させてはいけないと思い、お伝えさせていただきます」とのことだった。
「斎藤さんが1日でも早く見つかることをお祈りしております。」とも記されたいた。

設計山直下の地形が見通せる615峰(毛利さん提供)

2014年03月18日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連



急増したアクセス数
 昨日のこのブログの訪問者(IP数)がついに1,000件を越えて、過去最高の1,031IPを記録した。IP数とは、IPアドレスの数なので、このブログにアクセスした実人数ということになる。さらに、これも多分最高かもしれない閲覧数も2,859 PV となった。こちらは延べ人数である。

 斉藤さんの捜索関係の記事に特化するまでは、多いときで700IP、2000PVほどだったので、それだけ多くの方々が興味・関心を寄せて、見守ってくださっているということだ。

 昨夕、函館中央署の担当者から、情報を共有したいということで、電話をいただいた。警察の今回の捜索関係者の方々もこのブログを閲覧してくれているということで、話が非常にスムーズに進んだ。うれしいことである。

貴重な昨日のも~さん情報
 さて、そんな中、も~さんこと毛利さん(3/11のルート工作と3/15の捜索に参加)から貴重な情報と画像が届いた。それは、昨日、国道を挟んて設計山と対峙する615峰に登って来たという。

 615峰からは、2日目の我々が行き詰った滑落の一番危険性の高いキレット状のポイント~設計山頂上~雪庇踏み抜き雪崩現場の稜線とその下の深い谷地形が一望できるという。その画像と核心部の拡大画像も送られてきた(トップ画像)。

 それによると、もしあのキレットから滑落したとすれば、雪解けが進み、姿を現わせば双眼鏡で見えるはずだとのこと。さらにその谷底へのアプローチとして、中山橋の架かる金山の沢(昭和40年ごろまでその沢の奥に砂金鉱山があった)を詰めるコースが楽なはずとのこと・・・・さすが、この一帯の古道探査研究家である。地形や地図がすべて頭に入っているのであろう。素早い行動と的確な情報提供に驚いた。

 斉藤さんの遭難の原因が行き倒れや心不全の場合は、稜線全体を探さなくてはならないが、滑落に絞った場合は、ピンポイントで考えられる貴重な場所なだけに、雪解けが進んだら定期的に観察を続けたいと思っている。

多くのコメントに感謝
 昨日から今日にかけて、多くのコメントをいただいている。いずれも非常に貴重な内容ばかりで、今後の捜索活動に大いに参考にさせていただきたいと思っている。
http://blog.goo.ne.jp/sakag8/e/a6cbe387a440f2ee482ebc97f8e0d56e#comment-list

雪庇踏み抜き雪崩事故の当事者からのお詫びとお礼メール 
 今朝メールチェックをしたら、我々が目撃した雪庇踏み抜き滑落事件で流された本人からお詫びとお礼のメールが届いていた。いつもこのブログの親サイト「一人歩きの北海道山紀行」を見ていてくださっているという女性だった。某山岳会の山行で、5人(男性1名、女性4名)パーティでリーダーは女性とのこと。

 それによると、本人が先頭を歩いていて雪庇の崩落を招き、雪庇と一緒に流されたとのこと。流されたのは彼女1人だけで、我々が気付いた時は、すでにリーダーの女性が雪崩の横をダッシュで下った後だったらしい。後から急な尾根を下った男性(K2登頂経験者)もすごいと思ったが、その前にあの雪崩の横をダッシュで下った女性リーダーはもっとすごい・・・・いずれにしても、150mほども流されて怪我すらしていないことも奇跡に近い。良い具合に体が巻き込まれずに雪の上を流されたので助かったとのこと。

 雪山登山でもっとも留意する雪庇の踏み抜きや崩落事故だが、今後より一層慎重に行動しならなければと思わされる生々しい目撃場面だった。

第1回捜索活動を終えて

2014年03月17日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

斉藤さんの家の中に残っていたメモ

 多くの山仲間の熱き想いと天候にも恵まれ、発見には到らなかったが、2日間にわたる第1回捜索活動を終えることができた。関係者のご厚意に心よりお礼申し上げたい。

 今回の目的は、①今後の捜索ポイントを絞るための手掛かりを探すこと、②稜線上へのアプローチのためのルート工作、③地形や積雪状態の把握、④携帯電話の電波確認が重点だった。その点からしても、非常に収穫の多い2日間だった。

 その活動を振り返って、参加してくださった方々のご意見も含めて、とりあえず整理しておきたい。

1、斉藤さんの「毛無山~設計山縦走計画」について
①家の中から見つかったメモによると、2/14と2/22に毛無山までの事前偵察を済ませ、2/24に実行したものと思われる。毛無山山道入口から中山トンネル手前までは17km、さらに、中山トンネルからスタート地点の国道227号線の距離が14km、合計31kmと記されている。帰りは、しんわ交通(タクシー)の電話番号のメモも見つかっているので、中山トンネルからタクシーを呼ぶことも考えていたのかもしれない。

②今回のこの稜線を歩いてみた参加者の大方の意見は、「この計画自体78歳という年齢と、当日は天候は良かったようだが、2月という厳冬期の実行にはかなり無理がある。疲労などから考えると、コース後半のハプニング(行き倒れか滑落)の可能性が強い」が大多数を占めた。

③彼がこの実行に踏み切った自信の根拠?
・2回の事前偵察の毛無山までの登り6.2kmの所要時間について、2/14が4時間、2/22は3時間15分という記録が残されている。4時間として、ゴールまでの17kmを比例計算すると10時間40分となる。早朝まだ暗い4時に出る(彼が長距離の場合良くやるパターン)と、体力的なことはさておき、時間的には15:00までの下山が可能な計画ではある。
・彼が09年2月に、片道14km(往復28km)ある沖沢山までの稜線コースをスキーで、真夜中の1:00にスタートして15時間を要して往復している。このような、他の人にはちょっと無理とも思える計画を実行してきた人である。ちなみに、私は、その記録を参考に、雪のしまった4月中旬に彼の半分の8時間で往復している。

2、今回の捜索活動を通して考えられる遭難の原因と可能性(参加者の意見の集約)
・毛無山山道入口から毛無山を経由して、三角山西側林道から稜線に到達する570ポコの間の9km区間は、幅広の快適な尾根で、「この区間は、行き倒れか心臓発作くらいしか考えられない。あとスキーで立木に激突の可能性?」
・570ポコ~設計山の約3km区間は、地形が複雑で狭いところが多く、「転倒による滑落や雪庇の踏み抜きによる滑落の危険性が高い。」南側には雪庇がずっと発達していて、数か所なだれ落ちている個所もあったが、北側斜面はスキーでトラバースできるだけの斜度と幅が十分あり、雪庇の踏み抜きの可能性は低い。
・昨日のA班が危険で撤退した設計山頂上手前130m地点のキレット状の細い地点は、ここをスキーで、あるいはつぼ足ででも突破するにはかなりの危険性がある。南側が雪庇の雪崩斜面、北側は狭くて先落ちの急斜面。(最重要地点)。
・設計山西尾根から林道までの1.3kmは、幅広の緩斜面であり、中山トンネルまでの残りは林道で、いずれも危険性は少ない。
・このほかに考えられる可能性~道迷いやエスケープルート上での上記のケース

3、3/2まで通じていたとされる携帯電話の電波確認から考えられること
・ドコモは稜線上のすべての区間で繋がっていた。両側の斜面は国道側の北斜面でも通じる可能性が高いが、雪庇の発達している反対側の南側斜面はどうか?
・ヤッケのポケットに入っていたとして、雪崩などの下に埋まっていて1週間近くも電波が通じているものだろうか?当時1週間ほどあまり降雪がなかったので、雪面の上で倒れていた可能性が高いのではないか?

4、今後の捜索活動について
①次回の捜索~もう少し雪解けが進んだ後の方が良いだろう<第2回は3/29(土)~30(日)の予定>
②今後の捜索範囲
 ・行き倒れや心臓発作やスキーでの立木に激突などであれば、稜線上で見つかる可能性が大きい~全稜線上での再捜索。
 ・最重要地点の設計山手前130m地点のキレットの北側斜面~その地点は急で上から覗き込むことができない。設計山の北側の尾根からの方が見えそう。谷底への登り降りは、今回の「雪庇踏み抜き雪崩事件」で、リーダーが駆け下り、流れた2名とともに登り返した木の生えた尾根が使えそう。南側の雪崩斜面は、設計山の南尾根からでないと見えない。
 

※警察のスノーモービルとヘリコプターを利用しての捜索再開は、4/7(月)~8(日)の予定らしい。

なお、この捜索関係の内容は、事務局担当の自然倶楽部・鎌鹿隆美さんのブログにもアップされています。

 このブログを読まれたみなさんのご意見・ご感想、情報等を関係者や読者間で共有したいので、コメント欄へお寄せいただければ幸いです。

3/16の函館新聞に掲載された記事(写真の先頭が私)


 

第1回捜索・2日目~雪庇踏み抜き滑落雪崩目撃

2014年03月16日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

A班とB班の捜索ルート


C班(スキー班)の捜索ルート
 

 第1回捜索活動2日目・・・本日新たに札幌方面からの私がお世話になっているHYMLの山仲間4名と斉藤さんが良く一緒に登っていた岩見沢と北広島の3名を含めた新しいメンバー10名、昨日から引き続きのメンバー8名、合計18名で捜索隊を結成。捜索前線基地にも5名が詰めていてくれた。

 考えて見たら、今回の捜索に当たってはどこの団体にも協力依頼を出してはいない。捜索に参加してくださった方々は、すべてこのブログを見て、あるいはそれを聞いて参加してくれた方ばかりだった・・・感謝・感激・感動!

 今日の捜索ルートと班編成は、下記の通りである。
 A班(7名)国道227号線の中山橋~稜線600ポコ~設計山130m手前(往復)
 B班(6名)国道227号線の中山橋~稜線600ポコ~昨日の570ポコ(往復)
 C班(5名)毛無山山道入口~毛無山(スキーで往復)
 私は、C班の予定だったが、シールを忘れて、後から追いかけてA班に合流。

 結果、B班には危険個所と思われる両側が切れ落ちた狭いキレット状地形が1ヶ所(地図参照)。C班には特になし。極めつけはA班の設計山頂上手前130m地点のキレット状のコルだった。左側は雪庇の雪崩斜面、右側はスキーではトラバースできないほどの急斜面で、しかも先落ちになっていて下が見えない。おまけに尾根を横断するクラックが雪に隠れていた。

 先頭を歩いていた龍さんが、そのクラックにはまった。足が届かなかったという。その細さと危険さに我々はとてもそこを通過する気にならなかった。「斉藤さんが頂上を目の前にして、疲れた体でここを無理に通過しようとして落ちたかもしれない。今日はここで引き返そう」と話していたときだった。

 ドド~ンという大きな音が聞こえた。「雪崩だ!」と思ったとたん、数人の女性の声が聞こえた。その方向を見たら、設計山頂上北側50~60mほどに雪庇が落ちて雪崩れた跡が見えた。その上に2人の姿が見える。声が届くので聞いたら、どうやら2名が巻き込まれて落ちたようだ。1名は呼びかけても反応がないという。5人パーティだという。
後日、流された女性から届いたお詫びとお礼のメールによると、流されたのは1人で、我々が気付いた時には、女性リーダーが救助のために雪崩の横を駆け下りた後だったようです。

 こちらは、前進することもできないので、無線でこちらの前線基地へ連絡を取り、警察へ連絡してもらった。まもなく、リーダーと思しき男性が一人、頂上を回りこんで、急な尾根をものすごいスピードで下って行った。その後、しばらく様子を見ていたら、下の方で3人が歩いて登り始めている姿が見えた。問いかけたら、「無事です。歩いて戻れます」とのことだった。警察にもそのことを連絡して下山を開始した。

 この2日間でもっとも滑落の可能性の強い危険な場所で、このような場面への遭遇は、斉藤さんがこの近くに滑落しているのではないかと思わざるを得ない境地に立たされた感じだった。このキレットから落ちたとしても、下は急で見えない。こちらを見ることができるのは、先ほどの雪崩れた尾根である。今後の捜索の最重要地点ともいえる場所だった。


出発前の打ち合わせ


シールを忘れた自分は、スキー部隊を見送って、A・B班の入山口へ向かった


稜線の分岐600ピークでA班に合流


我々が撤退したキレット状コル手前南側の雪崩斜面。こちら側に落ちているとすれば携帯の電波は通じないのでは?


 先頭を歩いていた龍さんがはまった雪に隠れていた尾根を横断するようなクラック。
この先が不安定なキレット状のコル


帰りの中山橋への下り尾根から写した状況画像


上記の地図上での拡大図(高橋さん提供)
1~2は雪崩の跡、右の赤線と3は我々の歩いたルートと立ち位置
緑線はリーダーが駆け下りて、流された2名と一緒に登ってきた尾根


3/11に鎌鹿さんが設計山頂上北側から写した稜線と我々が撤退したキレット状地形
撮影地点は、今日の雪庇踏み抜き滑落地点とほぼ同じ?
最奥が毛無山・・・斉藤さんはこの稜線を縦走する計画だった



第1回捜索・1日目

2014年03月15日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

出発前の打ち合わせ~後ろ姿が捜索実施計画を説明する私

 斉藤さんの第1回捜索活動の1日目・・・15名の捜索隊と6人の捜索前線本部担当の参加協力によって実施された。函館ブリガンズ山岳会、函館山の会、函館マウンテンクラブ、函館山楽クラブ、函館市役所山岳会、HYML(北海道の山メーリングリスト)、拙サイトの愛読者などなど、多くの参加をいただいた。

 また、赤十字函館無線奉仕団が無線機を提供して、前線本部に基地局を設置してくださった。お陰で、それぞれの班の行動を逐一連絡を取り合うことができた。また、親族からの差し入れ、私や斉藤さんのスキー指導員仲間からの激励の差し入れも届いた。さらには、開発局の計らいで入山口の駐車スペースの除雪や、スノーモービルの団体が、明日予定の山道入口からのルートのトレース造りもして下さった・・・・多くの関係者からのご厚意に、まずはお礼を申し上げたい。

 さて、7:00に全員が揃い、私の方からこれまでの経過説明と本日の捜索活動計画の説明をして、A班7名とB班8名で、それぞれの入山口へ出発。A班は、3/11にルート工作をした三角山西側の林道から、B班は、夏道の大石の沼の西側かあら北尾根を登って稜線を目指した。ちなみに、私はB班のチーフリーダーを務めた。

 ときおり雪が降ってきたが、まあまあ好天に恵まれた。雪の深さは深いところで膝丈くらいで、稜線上はパウダースノーだった。しかし、積雪は約2m、斉藤さんが行方を絶ったころのザラメ層の上の積雪は50cmほどった。ペースが予想より速く、明日同じルートを登り直して稜線上で合流するつもりだったが、今日中にそれができてしまった。合流できたのは11:30だった。12:00まで雪を掘って積雪状態や雪の弱層テストをして、昼食タイムとした。下山したのはどちらの班も14:30ごろだった。最後の打ち合わせをして解散したのが15:00ごろ。

 今日の稜線上のルートは地図からも予想されてはいたが、斉藤さんが巻き込まれるような危険個所は全くないと言っていいほど幅広の尾根だった。しかも、570ポコでは通じないと思っていたドコモの携帯電話の電波もばっちり繋がっていた。

 今日の結果、全員の意見は、当初から危険個所の多そうな570ポコから設計山側の稜線上の方が可能性が強いということになった。そこで、明日の計画に、新しいルートを設けた。国道227号線の中山橋から稜線へ出て、設計山へ向かうA班、570ポコへ向かうB班である。C班は、計画通りのスキー班で、斉藤さんの車が発見された毛無山山道入口から毛無山を越えて、今日B班が到達した稜線までの往復を考えている。好天を祈っている・・・。

 函館新聞からの取材も受けたので、明日掲載されるかもしれない。 


本日のA班とB班の歩いたルート


大野川に架かる天板の外された桧沢橋を渡って


急斜面をトラバースして


小樽から参加してくれた北海道雪崩研究会の寺さんによる弱層テストの講習


稜線上で合流したA班とB班全員の昼食タイム

集合場所の変更&捜索ルートと班編成

2014年03月14日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連

変更になった集合場所(市渡交差点から9.5km・二股口古戦場入口手前のチェーン着脱場)

 いよいよ、山仲間による自主的な第1回捜索活動が明日に迫った。現在のところ、捜索協力参加者は、道央方面からの応援も含めて、1日目は16名、2日目は20名となった。このほかに前線本部のお手伝いが数名。

<前線基地(集合場所)の変更>
 ルートの関係で、集合場所を手前の「二股口古戦場入口手前のチェーン着脱場」へ変更します。
(市渡交差点から227号線を江差に向かって最初のチェーン着脱場(左側)約9.5km)
なお、集合時刻は7:00で変わりありませんので、よろしくお願いいたします。

<捜索ルートと班編成>
1日目(3/15) 
A班(三角山林道) 稜線上の583峰まで往復
B班(夏道北尾根) 稜線上の690.5峰まで往復

2日目(3/16)※改めて班編成。
A班(夏道北尾根から583峰まで往復)
B班(夏道北尾根から690.4峰経由で夏道コルまで往復)
C班(スキーで毛無山山道入口~毛無山~夏道コル往復)

これができれば、一応、捜索範囲の稜線全部が繋がることになる。


毛無山西側の稜線までのルート(赤)と捜索する稜線上ルート(緑)

捜索範囲の限定と新たなルート工作

2014年03月13日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連
 地元以外にも、「斉藤さんのことは存じ上げませんが、坂口さんが一生懸命になっているので・・・」と札幌、小樽、苫小牧などの山仲間からの捜索協力参加申し込みには、涙が出そうになる。

 昨夜、北海道新幹線工事の関係で依頼を受けて、スノーモービルで、この稜線上のドコモの携帯電話通話範囲を調査したことのある方から貴重な情報が寄せられた。

 「毛無山と設計山の間の稜線で、ドコモが通じるのは、毛無山を中心とした稜線とその国道227号線側の斜面だけで、奥三角山の裏側や、その辺りから設計山の方は圏外です」とのことだった。

 確かに、3/11のルート工作したときは、途中の628峰は通じたが、稜線上の570ポコは圏外だった。ただし、鎌鹿さんが同じ日に登った設計山は通じたが、林道は圏外だった。

 斉藤さんの携帯はドコモで、行方を絶った2/24から3/1までは電波が通じていたことが分かっている。

1、今後の捜索範囲  
 1.毛無山山道入口〜毛無山山頂〜690.5Pからルート工作で登った稜線上の570ポコの間(電波確認)
 2.中山橋から設計山北東尾根の593Pの間(電波確認)<第2回目捜索以降>
 

2、今後の捜索のための稜線上までの新たなルート工作
 これまでは、可能性の強い範囲として、毛無山と設計山の間の稜線上を考えていたので、稜線まで抜けるルートとして、3/11にルート工作した三角山西側の林道をメインに考えていた。
 しかし、対象範囲が570ポコより東側の毛無山の前後に限定となれば、毛無山道入口との両側から入っても、日帰りでは、毛無山西側に到達できない部分が出てくる。

 そこで、その中間に上がることが可能な夏道の桧沢の滝上から続く北尾根を新たな稜線上までのルートに加えたい。そうすることによって、3方向からのアプローチが可能になる。(大野川に架かる橋の板は外されているが渡れるとのこと)
したがって、3/15と16の目的の中に、新たにそのルート工作と稜線上のその前後の捜索を加えたい。

3、3/15,16の班編成
 三角山林道班と夏道北尾根班 ※人数に余裕があれば、スキーによる山道班
 2日目は、状況次第だが、1日目のルート工作やトレースによって短縮される時間を、さらに奥までの捜索に充てたい。

☆アマチュア無線
アマチュア無線(最緊急時)をお持ちの方は持参ください。
基地局を赤十字函館奉仕団の佐藤委員長が緊急基地局になります(JA8CUH 広域リピーターCH439.14&439.66)

第1回捜索活動実施計画

2014年03月12日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連
    <捜索協力者募集!>
1、目的
・毛無山と設計山の間の稜線上での捜索及びルート工作
・稜線上の地形と雪の状態や雪崩箇所と危険個所の確認
・携帯電話(ドコモ)の通じる個所と圏外箇所の特定(斉藤さんの携帯は通じていた)

2、捜索対象場所
・毛無山と設計山の間の570ポコの両側の稜線
・稜線までのルート<三角山西側の林道~628峰~570ポコ>

3、日程
・1日目 3月15日(土)
・2日目 3月16日(日) <1日目の結果と状況によって別ルートから?>

4、集合場所と集合時刻
・出会いの滝近くのチェーン着脱場<前線本部> 7:00集合(早いですが、時間的余裕を持ちたい)
(市渡の交差点から15km地点。上天狗橋や「中山峠7合目」のすぐ先)

5、参加申し込み(3/14の昼まで)
・下記へ、氏名・年齢・住所・携帯電話番号、自宅電話番号、参加できる日を知らせてください。
・鎌鹿隆美 090-8279-1323 メルアド t-kamaka@fine.ocn.ne.jp
・坂口一弘 090-2058-9113 メルアド sakag888@gmail.com

6、装備
・冬山ウェア、Wポール、昼食、非常食、テルモス(お湯)
・足回り~かんじきor登はん力の強いスノーシュー
(スキーは利用できない人もいるので、足並みを揃えるために使用しません)
・個人装備(用意できる人)~スコップ、ゾンデ棒、ビーコン、ザイル(8mm以上15m)、ピッケル、コンロ、シュリンゲン、カラビナ
・共同装備~ザイル(太さ8mm~10mm30m以上)、トランシーバー3台

よろしくお願いいたします!  

628峰北尾根偵察

2014年03月12日 | 斉藤浩敏さん行方不明関連


 628峰を越えるルートだが、昨日は、新しい中小屋の沢林道が奥まで延びていたので、それを利用して東尾根から登るルート採った。しかし、当初考えていた北尾根の状況も知りたくて、本日午前中に、昨日に引き続き、高橋さんの同行を得て、偵察に出かけた。

 地図上の林道が沢を越える部分の奥の沢出会いの中尾根が末端となっていた。水が流れる沢にはまらないようにその取り付きまで進んだ。しかし、急な崖状になっていて、登っても雪が崩れてくるだけでがんばってみたが、登ることは敵わなかった。

 諦めて、昨日のトレースの続く新しい中小屋の沢林道を進み、昨日登った東尾根と北尾根の見えるところまで進んだ。北尾根の一番コンタの混んでいるc550~570前後の急斜面を見たら、雪面がボコボコ波打っているように見える。望遠鏡で眺めたら、雪が崩れてきて木にぶつかって止まっているようにも見える。いずれにしても、雪面が非常に不安定なことは間違いない。

 それに比べて、昨日登った東尾根は最後は急だが、すっきりとした尾根で、雪も少なく安定していた。やはり、昨日の東尾根ルートを登り、一番急な所にはザイルを設置すれば問題ないだろうということで納得して下山した。

 なお、数年前に長谷川SHOさんが単独で登っているが、聞いたら、昨日と同じ東尾根ルートを登ったそうだ・・・やはり、そちらの尾根の方が安全とのこと。