このブログの親サイトであるホームページ「一人歩きの北海道山紀行」の目次の中に「スキーあれこれ」という項目がある。その中に、幼少のころからの自分のスキー歴を年代ごとに記してきた「私のスキー史」というページがある。今回、それに「70代前半」を加筆した。
それをもとに、70代前半の自分のスキーを少し詳しく振り返ってみたい。
この5年間は、スキー関係の役職をすべて降りて、特にゲレンデスキーは、純粋に自分のためのスキーを楽しめるようになったことが一番大きい。
71歳で、6期12年間務めた「函館スキー指導員会会長」の職を辞し、さらに、73歳で、やはり6期12年務めた「北海道スキー指導者協会副会長」の職を辞した。さらに、72歳のときに、15年ほど会長を務めたクロカンスキークラブ「函館XC-KID'S(クロカンキッズ)」も会員減に伴い、もともとの主体だった「函館トライアスロンクラブ」に吸収する形で解散した。
自分の場合、スキーといっても、指導員歴49年目を迎えるゲレンデスキーのほかに、25年目を迎えるクロカンスキーと、20年目を迎える山スキーと、それぞれ用具もフィールドも違う3種類のスキーを楽しんでいる。
昨シーズンのそれぞれの滑走日数を調べてみたら、ゲレンデスキー11日、クロカンスキー9日、山スキー9日の合計29日だった。最近は多少の変動はあるにしても、どのシーズンもだいたいこの程度である。20代のころ、ゲレンデスキーだけでも40~50日も滑ったころが懐かしい。
ゲレンデスキー(一般スキー)は、26歳で全日本スキー連盟公認の準指導員を取得して以来、指導員歴49シーズン目を迎えている。その間、29歳で指導員を取得、65歳で功労指導員に認定されている。
現在は、「函館ライフスポーツ」のコーチスタッフとしてのシーズン8回ほどの講習と、シーズン2回の「HYML(北海道の山メーリングリスト)スキーキャンプ」の講習がメインである。これらの機会には本当に感謝している。最近はスキー人口が少なくなって、指導員の資格を持っていても、指導の機会がほとんどない人が非常に多いからだ。そんなことから資格を返上する人も増えている。
指導員歴が長いために、教えながら一緒に滑ることが身に沁みついているためか、フリーでゲレンデを滑っていても全然楽しくない。たまに出掛けるが、数本滑れば飽きてくる。
そんなこともあり、50代前後は指導の機会も減り、ゲレンデスキーにも飽きが来て、クロカンスキーや山スキーへとシフトしたものである。当時の2㍍近いスキーでは体力的なこともあり、60歳になったら指導員の資格を返上しようとさえ思っていた。しかし、それを救ってくれたのは、50代後半に登場した体力をそれほど必要としない、簡単にターンができる「カービングスキーの出現」と、指導の機会を与えてくれたシニアを対象としたスキー中心のクラブ「函館ライフスポーツの創設」だった。この2つがなかったら、今頃は指導員の資格をとっくに返上していたであろう。
そのお陰で「ライフスポーツ」のコーチ会員も83歳を筆頭に70代がほとんどで、会員全体では、89歳から年齢が途切れることなく60歳前半まで、平均年齢73歳という構成である。カービングスキーと、週1ペースでの講習会のお陰で、会員のレベルが高くなり、今やほとんどが上級者である。したがって、上級の滑りを教えることを通して自分も滑りを楽しむことができるようになっているので、この年齢になってもこちらのレベルも落ちているとは思わない。
クロスカントリースキー(スキーマラソン)は、この5年間は、1月の「HBCラジオハウス歩くスキー大会(15km))」、2月は4週連続の「札幌国際スキーマラソン(50km)」、「おおたき億歳スキーマラソン(15km)」、「恵庭クロスカントリースキー大会(30km)」、「湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会(80km)」に欠かさず出場してきた。それぞれ、会場までの運転と車中泊のセットである。
さすが、70代に入ってからは、タイムも順位もガクンと落ちてきている。しかし、どの大会も自分より高齢の方は数えるしかいない。それでも、国内最長の80kmを滑走する「湧別原野」は、一昨年までは出場者全体の真ん中以内の順位を維持していた。昨年でついに真ん中以下になった。それでも、「頑張らないで、滑走を楽しむ」ことを目標にして参加し続けられるだけでも幸せである。
今年は、登りがきつくて楽しさより辛さが強くなってきた2月第1週の「札幌国際」は50kmから25kmにエントリー替えしたが、雪不足で中止となった。第2週の「おおたき」は最長部門が15kmから20kmになったが、やはり雪不足の関係で、開催の可否は明日の状況で判断されることになっている。そのあとの大会も明日の段階で可否の見通しが判断されるようだ。今日と明日のドカ雪予報が幸いすることを願っている。
山スキー(バックカントリースキー)は、道南地域では、滑りを楽しむために登るような山は非常に限られている。したがって、道南の山では、長い林道歩きや登るための道具としての出番がほとんどである。
以前は、滑りを楽しむために単独でニセコや羊蹄山へも出かけていたが、最近は、HYMLの「三段山オフミ」への参加や、講師を依頼される「スキーキャンプ」の羊蹄山で楽しむことが多い。
最近は、参加者の中で最高齢のことが多いが、年中フルに体を動かしているせいか、登りでも滑りでも後れを取ることはない。特に、それが目的の醍醐味満点の深雪滑降では、まだ滑りが落ちているとは思わない。思うようなターンができた時には、「75歳でもまだまだ滑れる!」と歓喜の声を上げている。