日本百名山に選ばれている斜里岳に登るのはこれで3回目である。過去2回はメジャールートの清里コースから登っている。このほかに清里コースから西斜里岳にも登っている。
今回、三井コースにこだわったのは、道内の登山道や縦走路で歩いたことのない唯一のコースだったからである。
斜里町の道の駅で朝を迎えた。ようやく天候に恵まれ満を持して登山口へ向かった。
東側の海別岳の山頂横から昇った朝日を捉えた。
農地との境の鹿柵ゲートを開けて、快適な林道を5kmほど走ると登山口である。
まだ、誰も来ていなかった。入山届を記入してスタート。
コースの説明図。この先、ポイントごとに、同じ地図に現在地の表示が記されていた。
〈登り〉6:00登山口~6:35沢歩き終点~7:50ガマ岩~8:55山頂(2時間55分)山頂休憩35分。〈下り〉9:30山頂~11:50登山口(2時間20分)
スタートしてすぐに、玉石沢の歩きとなる。水流のない涸れ沢である。この中を30分ほど歩いて、尾根道へ入る。
アカエゾマツ、トドマツ、ダケカンバの混合林の中を登って行く。マイナールートではあるが、整備が行き届き、快適な登山道である。
約2時間で1250mのガマ岩に到着。
この先から、ロープが張られた急登が続き、尾根が徐々に細くなってくる。
ハイマツの上に、このコースの核心部である、細い岩場や頂上までの急な尾根などの複雑な地形が近づいてくる。
唯一、紅葉したウラジロナナカマドに癒される。
足元のコケモモの実とゴゼンタチバナの実に秋の山を感じる。
1420m地点で方向を変え、頂上までのこのコースの核心部が目に入ってくる。左手前のポコは岩稜である。
細い岩稜を越えると鉄ロープが張られた岩場のトラバースもある。ここを越えると、ハイマツに掴まりながらの頂上までの急登が続く。
清里コースからの先着のお二人に迎えられて、3回目の頂上に立つ。お二人とも本州からの日本百名山巡りの人で、明日はこちらと同じ羅臼岳とのこと。
眼下のわずかに紅葉した清里コースの尾根とその向こうの西斜里岳を望む。
オホーツク海沿いの幾何学模様の畑地は、この山ならではの景観である。
東側の海別岳から続く知床連山を眺める。
西側の摩周湖と摩周岳(カムイヌプリ)と西別岳。遠望は霞んでいるが、360度の展望に恵まれた。
30分ほど休んでいる内に、次々と到着し、賑やかになる。下を見るとまだまだたくさんの人が登ってくる。これ以上賑やかになるのも嫌なので下山を開始する。
核心部の下りを眺める。登りでは振り返らなかったので気づかなかったが、こんなところを登って来たのだ。
真上を通過しなくてはならない岩稜へ向かうと、青い服装の人が休んでいるのが見える。
「坂口さんですよね。はまちゃんです。入山届を見て、お会いできると楽しみに登って来ました」と挨拶された。2015年6月に田中陽希さんが日本二百名山巡りで駒ヶ岳に来たときに、一緒に登った「はまちゃんの山日記」を公開している厚岸町のご本人である。5年ぶりの再会だった。
彼は、清里コースの登山口に自転車を置いてきて、向こうへ縦走するとのこと。
こちらも山頂までの急登尾根をバックに撮っていただいた。彼と別れて、岩稜を越えた時に、若い男性が登ってきた。
1420mまで来ると、ひと安心である。これから下る尾根を眺めて、下山を続ける。
過去2回の斜里岳(清里コース)は、こちらから、どうぞ!
下山後、明日は羅臼岳の予定なので、途中のウナベツ温泉の研修センターに入ろうと思ったら閉館になっていた。そのまま、今夜泊まる知床の道の駅まで走り、ウトロ温泉街の日帰り専門の夕陽台の湯に入って、休憩室でブログを打った。
4連休の初日で好天だったこともあり、山も温泉も道の駅も大賑わいである。知床の道の駅の駐車場は広いのに、空きを探すのが大変だった。