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スタートから3時間以上歩いて対面した目指す前八兵衛岳
道南全山219座を踏破している故ko玉さんと故齋藤浩敏さんが最も苦労した山が、この前八兵衛岳(704m)と茂草川を挟んでその真南に位置する柿崎山(637.4m)だった。両山とも松前半島の奥深い山である。特に、この前八兵衛岳に同行した2人は、残雪期に大千軒岳への松前石崎線からテントを背負って1泊2日で登頂している。
それを知っていたので、そこまでして道南全山219座踏破はしなくても良いと考えていた。しかし、今年の2/2に3人目の全山登頂を成し遂げた函館山の会の林会長と同行したSHOさんは、今年の1月にこの両山を海岸の方から、それぞれ8時間と9時間で日帰りで踏破した。
そのルートを教えていただいたので、クロカンスキーレースが終わったら、雪も締まって来る頃なので、自分も単独で挑戦するつもりでいた。
昨日の14時に家を出て、地図上に記載されている茂草川北側の林道を偵察しに行った。幸い1kmほど車で入ることができ、そこに新しい風力発電風車が設置されていた。そこから続く廃道化した林道を確認して、松前道の駅で車中泊して、今日に備えた。
林さんもSHOさんも物凄い健脚なので、こちらは単独ラッセルなので、2時間増しの10時間を覚悟した。アルミカンジキを履いて、6:10にスタートした。林道跡はズボズボ埋まったが、尾根に取り付いてからは標高400mから上は雪が締まっていて、ほとんど埋まらずにサクサク歩くことができた。
そのお陰で、登り4時間20分、山頂休憩15分、下り3時間、トータル7時間35分で、大した疲れもなく意外に楽勝で踏破することができた。
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GPSトラックログ
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6:10、頭上で回る風力発電風車を見上げてスタート
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廃道化した林道は雪が付いていたが、ズボズボ埋まった
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7:35、約1時間半で前八兵衛岳に続く南西尾根に乗る
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左手には、昨夏にSHOさんと苦労して多くの滝を越え、笹やぶを漕いで登った笹山が見える
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尾根に乗っても目指す前八兵衛岳は見えない。正面に見えるのは越えなければならない470m尾根
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可愛い小動物の(テン?)の足跡
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下って470m尾根へ登り返す
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470m尾根に登ると、茂草川の深い谷を挟んで左奥に柿崎山といずれ歩く予定の尾根が見える。
しかし、前八兵衛岳はまだ見えない。
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470m尾根から左の550m尾根へと登ると、初めて目指す前八兵衛岳が姿を現す
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9:30、尾根の最高地点である567ピークを通過し、500mまで下るコルの先に、704mの頂上を眺める
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10:30、頂上到着。東側には大千軒岳(左)と前千軒岳(右)の連なりが見える
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大千軒をバックに記念撮影
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10年前にSHOさんと林道から薮を漕いで登った八兵衛岳
15分ほど休んで、下山開始。アップダウンは多いが、それほど急な所や緊張する所もなく、登りのトレースを辿り、快調に下山を続ける。雪山の下りはやはり速い。4時間20分で登ったコースを3時間で下山。
<出合い>
昨日の林道偵察に行ったら、風力発電の下に車が来た。下りて来た男性に「この奥の山に登りたいので、林道の偵察に来ました」と話したら、何を思ったのか「もしかしたら、山のことを新聞に書いている人ではないですか?」と聞いてきた。えっ?と思い、みなみ風の連載のことを話したら、「自分は鉄砲撃ちなので、山が好きでいつも楽しみに読んでいるんですよ。うれしいな~」と言う。なんという勘の良さなのだろう。
名刺をいただいたら「狩猟家・海獣漁業」と書かれている。しかし、住所が北見市留辺蘂とある。冬の間はこの下の茂草に住んで、夏には北見に戻るという生活をしているらしい。
今日、下山して、車で下り始めたら、途中で手を挙げる人がいる。また彼だった。今日登るとは話していなかったのだが、朝に来たら車があったので、笹山へ登ったと思ったらしい。地図を見せて、前八兵衛岳だと言ったら、驚いていた。
現在は71歳だが、20代のころには、北アルプスの黒部や剱岳の辺りに半年も滞在したことがあるそうだ。「今日の山も新聞に書いてや」と言われたが、あの連載は登山道のある山に限っていることを説明して別れた。