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公立はこだて未来大学を会場に開催された、退職組織の講演・研修会に参加した。
演題は「人工知能は世の中をどのように変えるか」。講師は、国内の人工知能研究の第一人者である、公立はこだて未来大学教授松原仁氏(人工知能学会前会長)。
44ページにもわたる資料を基にPCによるプレゼンテーションから印象的のことを一部だけだが列挙しておく。
最近注目されている人工知能(AI)だが、いろいろ側面があり、定義はないそうだ。松原氏個人的には「鉄腕アトム」を造りたいとのこと。
今の世の中での人工知能の例としては、・スマートホンで音声の対話ができる ・こういうものを買ったらいかがですかと推薦してくれる ・乗り換えの案内をしてくれる ・ロボットが掃除をしてくれる・将棋や囲碁でプロ棋士より強くなったなど。
最近の人工知能の産業応用例としては、・自動車の運転と支援、入出国やコンサートなどでの個人認証 ・コールセンターの問い合わせ ・人の動きのデータとタクシーの客待ち ・肺がんのレントゲン写真の検査、人事採用のスクーリング ・社内メール管理などで、基本的には画像認識が中心である。
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コンピューターは創造性は持てないという主張があったが、将棋の世界では、人間のデータから人間の思いつかなかった創造性を持つことができた。
「コンピューターに創造性を持たせるための研究の一環として小説を書かせようというプロジェクトが2012年から実施している。
将棋で注目を浴びた中学生の藤井聡太4段は、日頃からコンピューターとの対戦に親しんでいて、「A1ネイティブ世代」が育ってきている。
未来大学では、南茅部の定置網漁業での活用(魚類・漁獲量などの把握と類別)を漁師の人たちとともに研究している。
今後、人工知能に代替されやすい日本での仕事として、・一般事務員 ・駅務員 ・会見検査係員 ・学校事務員 ・教職調理員 ・行政事務員 ・銀行窓口係 ・タクシー運転手など、労働人口の49%に相当する。
人工知能に代替されにくい仕事としては、・アートディレクター ・ゲームクリエーター ・学校カウンセラー ・コピーライター ・精神科医 ・幼稚園小学校教員 ・クラシック演奏家、工業デザイナーなど。
人間がコンピューターよりも得意なことは、・想定外の状況における判断 ・新しい枠組みを思いつくこと ・新しい価値を創造すること ・枠組みを動的に変化させること ・細かい手作業 ・精神的なサポートなど。
人間と人工知能のこれからは、・人間と人工知能で役割分担する ・「人間+人工知能」として賢くなっていく ・人工知能をいいものにするのも悪いものにするのも人間次第である ・賢くなった人工知能を人間が受け入れるようになるにはある程度の「とき」が必要である。
◎講演のあと、大学内の施設見学
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開学して17年経つが、我々世代が大学や学校など抱くイメージとはかなりかけ離れた感じの造りになっているし、これらの施設を自由に使って勉学に励んでいる学生は凄いと思った。
人工知能が進んでロボット技術も進んで映画ターミネーターのような事が起こらなければいいな!と最近思っています。私が生きている間には無いと思いますが・・・
しかし、いずれロボットに人間が支配されるなんてことのないように願いたいですね。
まだまだかなり先の時代の心配ごとでしょうが・・・?
先生のAIの説明概要、穏当な線に収まっているようです(上から目線 笑)。
ただ、現実の経済社会では既に人間がAIの指示に従って仕事をこなすという場面が出てきています。
なんといっても人間は優秀なマルチ労働力ですが、いかんせん判断力や知識に偏りや過不足が目立つので、これが合理的な労働形態な場面が増えていきそうです。
そこから前進した「AIが支配する世界」とは別のユートピアですが、マンガの「AIの遺電子」はあたくしが人様によくお勧めしている作品です。
こちらから試し読みできますが、AIが出しゃばり過ぎないような配慮が仕組まれた社会のお話で、試し読みできる範囲では未だちょっと本質部分には触れていない感もあります。
http://sokuyomi.jp/product/ainoidensi_001/CO/1/
ちなみにネタバレになりますが第二話の「かけそば」の落ちは、(空腹感が分からないと旨そうに食べる真似ができないという青年に)師匠は、「いっぺん死ななきゃ幽霊役はできないってえのかい?」と・・・。
「人間がAIの指示に従って仕事をこなす」・・・確かに、それがなければ仕事な進まない・・・そのことが当たり前になっていて、気付かないだけなのかも知れませんね。
お勧めの「AIの遺電子」・・・面白そうですね。あとでゆっくり読んでみます。
私は、感情の領域にまで研究が進む方が怖い気がします。まだまだ先のことかもしれませんが・・・?