蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ワルキューレ

2009年09月12日 | 映画の感想
ワルキューレ

ヒトラー暗殺・クーデター事件をほぼ史実通り描いた映画。

背景とか登場人物の説明あるいはロマンスとかの余分な部分を少なくし、主役のシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)にフォーカスしてストーリーがスピーディに展開される。
ある程度予備知識がある人にとってはとても面白い映画になっている。(ゲッペルズって誰?というような人にはちょっとつらい面もあるのかもしれないが)

それでいて、結末(クーデター失敗)を知っていてもドキドキハラハラさせてくれるのは、監督の腕力のおかげなのだろう。

この映画を観る限り(クーデター側の視点で作られているせいかもしれないが)、このワルキューレ作戦は実に良く出来ているように思え、軍人側のヘッドであるオルブルヒト将軍が徹底的に強気なら成功してもおかしくなかったように見えた。Dday直後のこの時期にクーデターが成功していたら、数百万人規模でドイツ国民の命は救われたであろうに・・・ヒトラーの(この時点での)運の良さは悪魔的なほどだ。

トム・クルーズは、ほとんど笑顔を見せない、普段とはちょっと異なる役回りながら、好演で、背も高く見えた。だけど、トム・クルーズって「典型的・代表的アメリカ人」というイメージが(少なくとも私の中では)強く固定されているので、どうしてもドイツ人には見えないのだった。
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