イリノイ遠景近景(藤本和子 ちくま文庫)
翻訳者でアメリカ在住の著者のエッセイ集。1992年頃に連載され、1994年頃に発行されたものが最近になって文庫化されたもの。冒頭の「平原の暮らし」の3編が特にいい。
イリノイの広大なともろこし畑に囲まれてくらしていた著者は、開け閉めできなくなった窓を修理するため、便利屋のアーニー・アダムを呼ぶ。アーニーはいとも簡単に修理をしてしまう。アーニーは大学を出てから自由な暮らしを求めて便利屋を続けている。彼にとって重要なのは音楽(アコーディオン)とフォークダンス。19人の子供を設けいている。
この、アーニーの描写がとても素敵だった。
領事館に用があってシカゴまで出かけるが、領事館は休み。しかたなく近くのデパートの喫茶店へ行く。そこには常連の老女がいて年かさのウエイトレスたちと愉快な掛け合いをしていた。
近所のドーナツ屋には、雨の日も雪の日も欠かさずそこを訪れる常連の老人たちが10人以上いた。タバコの煙にいぶされながら毎日とりとめのない話で時間をつぶしていた。
近所のYMCAのプールに付属したジャグジーは老女たちの井戸端会議の場。昨夜兄が死んだけど慌てて葬式に行っても生き返るわけでもなし、なんて会話がくり広げられる。
どれも、アメリカっぽいよなあ、と思わせる挿話ばかり。日本にはないシーンには、憧れを感じてしまう。
翻訳者でアメリカ在住の著者のエッセイ集。1992年頃に連載され、1994年頃に発行されたものが最近になって文庫化されたもの。冒頭の「平原の暮らし」の3編が特にいい。
イリノイの広大なともろこし畑に囲まれてくらしていた著者は、開け閉めできなくなった窓を修理するため、便利屋のアーニー・アダムを呼ぶ。アーニーはいとも簡単に修理をしてしまう。アーニーは大学を出てから自由な暮らしを求めて便利屋を続けている。彼にとって重要なのは音楽(アコーディオン)とフォークダンス。19人の子供を設けいている。
この、アーニーの描写がとても素敵だった。
領事館に用があってシカゴまで出かけるが、領事館は休み。しかたなく近くのデパートの喫茶店へ行く。そこには常連の老女がいて年かさのウエイトレスたちと愉快な掛け合いをしていた。
近所のドーナツ屋には、雨の日も雪の日も欠かさずそこを訪れる常連の老人たちが10人以上いた。タバコの煙にいぶされながら毎日とりとめのない話で時間をつぶしていた。
近所のYMCAのプールに付属したジャグジーは老女たちの井戸端会議の場。昨夜兄が死んだけど慌てて葬式に行っても生き返るわけでもなし、なんて会話がくり広げられる。
どれも、アメリカっぽいよなあ、と思わせる挿話ばかり。日本にはないシーンには、憧れを感じてしまう。
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