蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

バッド・コップ・スクワッド

2024年12月09日 | 本の感想
バッド・コップ・スクワッド(木内一裕 講談社)

川口市で起こった強盗傷害事件の犯人逮捕のため、埼玉県警の刑事5人(小国、菊島、橋本、真樹、新田)は武蔵野市に向かう。真樹は犯人の車に乗っていた男を誤って射殺してしまうが・・・という話。

このあと、5人が偶然別の事件に巻き込まれてしまうが、こちらの方が本筋。

会話が多くて、ちょっとシナリオっぽい感じがあるが、とにかくテンポがよくてあっという間に読み終わってしまった。
登場人物や情景といった背景描写や説明的部分がほとんどないのに、会話や行動から5人のキャラがくっきりと浮かびあがるのがいい。特に準主役(いや、主役かな?)の菊島のそれが抜群によくて、彼の前日譚や後日談を読んでみたくなった。

初出の単行本は2022年に出ていて、最近文庫化されて書店でみかけた。表紙のイラスト(これも著者の描き下ろしらしい。映画監督をやったこともあるそうで、多才な人なんだなあ)が、ちょっと江口寿史風で洒落ているのに惹かれて読んでみた。エンタメとしては最上級の出来映えだと思うのに、なぜもっと評判にならなかったのかな?私が知らなかっただけか・・・

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