龍神の雨(道尾秀介 新潮文庫)
母を亡くして継父と暮らす兄妹(蓮と楓、酒屋の店員と中学生)と、父を亡くして継母と暮らす兄弟(辰也と圭介、中学生と小学生)。ともに継父・継母に馴染めない。
蓮は、継父が母の死後仕事もせずに引きこもり、さらに妹にいかがわしい感情を持っていると思い、殺害を計画する。その計画を実施した日、しかし、家に帰ると、継父の死体があり、楓が継父を殺したという。蓮は死体を遺棄するが、出掛けを辰也と圭介に見られてしまう。圭介は、辰也が(酒屋で万引きしたところを見咎められた)蓮を脅迫していると思い込む・・・という話。
道尾さんの作品は「向日葵の咲かない夏」と「ラットマン」しか読んだことがないのだが、どうも、他の作品も、前者のようなサイコスリラー系(と見せかけたミステリ)と後者のような風俗+若干ユーモア系の作品に大きく分けられるらしい。
本書は前者のタイプの作品で、犯罪小説なのかな、と思って読んでいると終盤でちゃんとした?ミステリとして着地する。伏線が周到にひいてある(と、後から気づくのだが)ので、爽やかな?「ダマされた」感がある優れた出来栄えだった。
ただ、「向日葵の咲かない夏」もそうなんだけど、ちょっと作品中の舞台が小汚い(家の中が片付いていないとかという意味で)のと、少々グロい設定が多いところが、個人的には少々引いてしまうのだった。
評判が高い著者だが、私が「ラットマン」を読んでみようと思ったのは、日経新聞の夕刊に連載されたエッセイが面白かったためで、このエッセイの中で著者がよく通っているバーの話が出てくるのだが、ちょっと話が出来すぎていて、フィクションなのでは?と思っていたが、本書の解説を読むと、少なくとも著者がバーなどで酒を飲むのが好きで、そこでの会話からネタを拾うことが多いのは確からしく、エッセイに書かれたことは、やっぱり実話だったのかも、と思い直した。
母を亡くして継父と暮らす兄妹(蓮と楓、酒屋の店員と中学生)と、父を亡くして継母と暮らす兄弟(辰也と圭介、中学生と小学生)。ともに継父・継母に馴染めない。
蓮は、継父が母の死後仕事もせずに引きこもり、さらに妹にいかがわしい感情を持っていると思い、殺害を計画する。その計画を実施した日、しかし、家に帰ると、継父の死体があり、楓が継父を殺したという。蓮は死体を遺棄するが、出掛けを辰也と圭介に見られてしまう。圭介は、辰也が(酒屋で万引きしたところを見咎められた)蓮を脅迫していると思い込む・・・という話。
道尾さんの作品は「向日葵の咲かない夏」と「ラットマン」しか読んだことがないのだが、どうも、他の作品も、前者のようなサイコスリラー系(と見せかけたミステリ)と後者のような風俗+若干ユーモア系の作品に大きく分けられるらしい。
本書は前者のタイプの作品で、犯罪小説なのかな、と思って読んでいると終盤でちゃんとした?ミステリとして着地する。伏線が周到にひいてある(と、後から気づくのだが)ので、爽やかな?「ダマされた」感がある優れた出来栄えだった。
ただ、「向日葵の咲かない夏」もそうなんだけど、ちょっと作品中の舞台が小汚い(家の中が片付いていないとかという意味で)のと、少々グロい設定が多いところが、個人的には少々引いてしまうのだった。
評判が高い著者だが、私が「ラットマン」を読んでみようと思ったのは、日経新聞の夕刊に連載されたエッセイが面白かったためで、このエッセイの中で著者がよく通っているバーの話が出てくるのだが、ちょっと話が出来すぎていて、フィクションなのでは?と思っていたが、本書の解説を読むと、少なくとも著者がバーなどで酒を飲むのが好きで、そこでの会話からネタを拾うことが多いのは確からしく、エッセイに書かれたことは、やっぱり実話だったのかも、と思い直した。
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