さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

友を偲んで

2016-08-31 | 旅・自然・動物
お盆を過ぎた8月の日曜日、
高校時代の演劇部仲間9人で、愛知県愛西市に出かけた。

昨年12月に亡くなった、わたしたちのもうひとりの仲間の家を訪ねるために。
最寄りの駅は「永和」。

転勤が多く、関西を離れて長い友とは
みんな20年ほども会っていなかった。
年賀状のやりとりはしていたが、誰も、何も事情を知らなかった。

今回、亡くなった友のご主人との連絡をとる役をしてくれた仲間の話で、
病気であったことを知った。
病気のことは、何も話さずに逝ってしまった友。

永和駅から、歩くこと20分くらいだったろうか。
なつかしい友の、終の住処がそこにあった。
ご主人が出迎えてくださる。

見晴らしのいい、風通しのいい、3階のその部屋に、
変わらぬ友の笑顔があった。
遺影であるのが信じられなかった。

9人の仲間がひとりずつ遺影に手を合わせ、祈ったのち、
ご主人が経過を静かに語ってくださった。

7年ほども前から、闘病生活だったと。

脳腫瘍。

手術を2回、放射線治療、抗がん剤治療、ガンマナイフ…

できうる治療を、長いことがんばっていたんだね。

見せてもらったアルバムには、
友のしあわせな笑顔があふれていた。

ご主人やふたりのこどもたち、ご主人のご両親とともに
しあわせな日々を過ごしていたのだなあと、
友の笑顔が教えてくれた。

わたしたち9人の仲間は、それぞれ、
新神戸からふたり、新大阪から5人、東京からふたり出発して、
名古屋で合流した。
そこから1時間もかからず、たどり着ける友の家。

どうして元気なときに、会いに来なかったのだろう。

みなひとしく、おなじことを悔いた。

けれどもそれ以上に、

こどもの頃からおとうさんがおらず、ひとりっ子で、
おかあさんとおばあさんと一緒に暮らしていた友が、
その後おばあさんもおかあさんも見送り、
ほかに身寄りもなくひとりで暮らしていた友が、
ご主人という伴侶を得て、ふたりのこどもにめぐまれ、
ご主人のご両親にもかわいがられて
いい家族ができたこと…

こんなにもしあわせであったこと。

それが、とてもうれしかった。

友にそっくりな男の子と女の子は、19歳と16歳。
9人で押しかけたわたしたちオバサンを、
ふたりともやさしく迎えてもてなしてくれた。

この子たちのなかにも、友が生きている。
友の生きた証が、ここにもちゃんとある。

それを実感できて、よかった。
みんなでここに来られてよかった。

あいたいと思いながらも、きっかけがないままにあえずにいた仲間を
もういちど集わせてくれたね。

ありがとう。

忘れないよ。



写真は、仲間のひとりが向かい側ホームから撮ってくれたもの。
そんなわけで、写っているのは8人です。
日傘必須の、暑い暑い夏の日でした。



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